この記事ではランナーとして大事なSSS(スタート・スピード・スライディング)の中の、スタートに特化した内容を紹介しています。
ランナーをやっていて、スタートが早いかどうかは非常に重要な問題です。そのコツを掴めば、今までできなかった盗塁も可能になってきます。
スピードは天性のものも必要ですが、スタートはコツさえつかめば誰でも改善できます。
最強のスタートのコツを手に入れて、得点をほしいままに挙げましょう。

指導者歴10年の一球たろうがご紹介します!
ランナーのスタートの重要性

ランナーの資質を表すSSSって知っているか?

スタート・スピード・スライディングのことですね。

そう。その中で「努力では限界があるもの」は何だと思う?

努力で限界…うーん何だかいまいちよく分かりません。

スピードは特に努力の限界は感じやすくないか?コツを掴んだとしても、コツを掴んでいないやつより足が遅かったりするものだ。

そういえば、そうですね。努力すれば伸びるけど、それ以外の重要性もある気がします。

一方、スタートやスライディングはコツを覚えている方が速い。だからこそ、この二つは絶対的に身に付けておこう!
もしもスライディングがまだ上手くできない人がいたら、下の記事をご参照ください。


ランナーとしてスタートは非常に重要です。なぜなら、コンマ数秒でランナーがアウトになるかどうかが決まるからです。スタートが得意になると以下のような利点があります。
- コンマ数秒をものにできる
- 加速しやすい姿勢づくりで、さらにタイムを伸ばせる
- 次の塁だけでなく、その先の塁も狙うことが可能になる
良いランナーの必須条件はスピードだけではありません。スタートを完璧にすることで、できることはたくさんあります。
スタートをよくするための一歩目は「右足?」「左足?」
意外とランナーをやっていて、意識できていないのが「自分がどちらの足でスタートしているか」ということです。
どちらの足でスタートした方が、ランナーとしては良いスタートが切れるのでしょうか?
左足スタートが早いと思われる理由
いろいろな指導法があるとは思いますが、僕はランナーをしているときの一歩目のスタートは「左足」だと思っています。
なぜなら、股関節が横を向いている(リード時)状態では、左足が一歩目の方が股関節を正面(次の塁の方向)に向けやすいからです。
股関節を正面に向けないと、前に行こうとする推進力を100%直線上に乗せられません。だからこそ、一歩目は「左足」であると考えます。
左足を一歩目にするために必要な内旋
左足を一歩目にして、早く股関節を正面に向けるため、股関節の内旋(回転運動)を早めなければなりません。
その際に、左足がどこに着地するのかが非常に大事になります。
図のように、ベースに向かって直線になる位置に左足を踏み出す必要があります。そのために必要なのが股関節の内旋運動です。
こうすることで、股関節が正面を向き、ベースに向かう推進力を100%とすることができます。
左足を一歩目にするための予備動作が右足
まずはこちらをご覧ください。
山田哲人選手の盗塁シーンです。この動画を見る限り、「右足が最初に動いている」ことが分かります。ただし、この右足は一歩目というよりは「つま先の方向を変えている」だけとも言えますね。
こうすることで、左足の一歩目が出やすいようにしているのです。
ランナーとしてのスタートを良くするために、「右足は予備動作、左足が一歩目」と覚えておきましょう。
これは何も盗塁だけでなありません。第二リードをしてからのスタートであっても、同様だと考えられます。

意外と自分の足がどう動いているかってのは、意識したことなかったですね。

まあ、つまりはそれがお前にとって一番動きやすい形なんだろうが、理論は知っておいて損はない。「右足は予備動作、左足は一歩目」はしっかり覚えておこう!
ランナーとしてのスタートを良くする「シャッフルスタート」
初心者にとっては聞きなじみのない言葉でしょう。
「シャッフルスタート」とは何なのでしょうか。
分かりやすく解説しているので、ぜひ実践してみてください。スタートが劇的に変わりますよ。
シャッフルスタートとは一歩目を早く踏み出すことに特化したスタート法
例えばテニス選手なんかを見ていると、相手サーブを待っているときに体をゆらゆら動かしていますよね。体は静(止まっている状態)⇒動に移すには、多くのエネルギーが必要です。
一方、動(動いている状態)⇒動は比較的少ないエネルギーで、スムーズに動作に入れます。
シャッフルスタートとは、第二リードを取ってバッターがボールに当てたその瞬間に、「動」の状態を作っておくことで、早い一歩目を踏めるようにしたスタート法です。
シャッフルスタートのコツ
シャッフルスタートを上手く行うためのコツは以下になります。
- 大きく横跳びをすること
- インパクトの瞬間に右足が着地するように合わせること
- 右足の着地の瞬間つま先を進塁方向に向けること
イメージは「ワオキツネザル」ですね。そのイメージで第二リードを取り、インパクトの瞬間に右足着地して、「動」の状態を作り出します。
また先述したように、つま先を次の塁の方向に向けることで、「左足一歩目」のための予備動作を完了させましょう。

ところでワオキツネザルって知ってるか?

正直よく分からないです。

マジか!別にどうでもいいことだけど、ワオキツネザルは知っとけ!笑 第二リードのやり方で参考になるから。
ランナーでスタートした瞬間の前傾姿勢をキープせよ
スタートした直後は、前傾姿勢をキープしましょう。良いスタートの姿勢はこのような特徴があります。
- お尻(腰)がしっかり入っていて、突き出ていない
- 最初の三歩がつま先で踏めており、かかとが地面につかない
- あごが上がっていない
- 最初の歩幅は小さく、後は大きく
特に初心者の場合、前傾姿勢をキープしようとするとお尻を引く傾向が見られます。まずは最初の三歩で姿勢維持をできるようにしましょう。
守備で守っているときも、スタートは肝心です。それは走塁にも似たことが言えるので、こちらも参照してください。記事内で出てくる「プレジャンプ」は大切なスタート術です。

(スタートが得意になったら、三塁ランナーでそれを活かすべし!)

究極のランナーのスタート術!スピードがなくてもスタートでカバー:まとめ
ランナーとしてスタートが上手ければ、スピードがなくてもある程度以上走塁のカバーができます。
そのために、「右足予備動作の左足一歩目」「シャッフルスタート」「前傾姿勢のキープ」が必要です。これらをマスターすることで、ランナーとしてのスタート術を身に付けたことになります。
スタートを完璧にできれば、盗塁が成功しやすくなったり、より先の塁を狙いやすくなるので、身に付けておきたい技術です。