この記事ではキャッチャーの役割で最も重要なセカンド送球について、基準としたいタイム、ステップや練習法が紹介されています。
キャッチャーとして一番輝く瞬間が、盗塁の阻止です。盗塁の阻止によって、試合の流れは大きく変わるし、逆に簡単に盗塁されると、勝てる試合も勝てなくなります。
では、盗塁を刺すセカンド送球のタイムとは?そのタイムを叩き出すためのステップや練習法をマスターして、「盗塁できない」キャッチャーになりましょう。
選手時代はキャッチャーをやっていた一球たろうが紹介します!
計ってみれば意外と長い気もする…キャッチャーがセカンド送球をする上で「基準」としたい時間
監督。キャッチャーをやっていていて、盗塁を刺そうと思ったら、捕球してからベースカバーがタッチするまでにどれくらいの時間に収めれば「合格」ですか?
早いに越したことはないけど、ある程度の基準を紹介しよう!
キャッチャーとしてセカンド送球の練習をする中で、どれくらいの時間だったら合格なのかは気になるところです。
ピッチャーの球を捕球してから、ベースカバーがタッチするまでに基準としたい時間はこちらです。
高校生 | (大体)2秒未満 |
中学生 | (大体)2.8秒未満 |
高校生No.1で早い選手ともなれば、1.8秒台でセカンド送球をします。
また、中学生は経験ですが2.8秒以内に送球できれば「セカンド送球が早いキャッチャー」です。
(ピッチャーの球速などは計算に入れていません)
僕のチームのキャッチャーのセカンド送球のタイムは2.9秒でしたが、地域の大会程度ならほとんど盗塁をされていませんでしたね。
キャッチャーのセカンド送球で重要なポイント
セカンド送球のタイムを縮めることは、キャッチャーをやる上での楽しみでもあります。
盗塁したランナーをアウトにできたあの瞬間は「舐めるなよ」という気持ちにもなるものです。
そのセカンド送球でアウトにするためのポイントがこちら。
- 捕球から投げるまでのスピード
- 投げた球のスピード
- 送球の正確さ
当然と言えば当然ですね。さらに、これらの能力を高めるために必要なことはこちらです。
- 捕球前後のステップ
- 無駄を削りきった送球動作
- 肩の強さ
この三点のコツについて、紹介していきます。
キャッチャーするなら身に付けておきたいセカンド送球のステップ
キャッチャーのセカンド送球において、最も大事なことはスムーズな体重移動ができるステップです。
このステップをマスターできれば、ある程度強い球を投げることができます。
捕球前にやるべきステップ
キャッチャーは全ランナーの行動が見えます。ランナーが盗塁を仕掛けた瞬間やるべきステップがあります。
図のように、捕球前に小さく左足を一歩前に出します。こうすることで、次のステップにつなげやすくするのです。
キャッチャーのセカンド送球はどうしても、捕球後にステップを踏むイメージが強く、捕球前にはあまり動きません。
事前ステップは非常に重要です。肩が出来上がっていない中学生には、このステップを入れてセカンド送球をさせることをオススメします。
捕球後のステップ
キャッチャーのセカンド送球を強く、正確に行うため捕球後はこのようなステップをします。
捕球前のステップが図中1です。その後2の位置に、足の内を送球方向に向けます。
この速さが非常に重要です。一気に体を正面から、側面に向け力強い球を投げる準備動作だからです。
その次の3ではつま先を送球方向に向けます。これは正確な送球に必要です。
たった3ステップがセカンド送球の良しあしを分けると思って良い!
それだけ重要なんですね!
もちろんバックステップや他のステップもあるが、中学生なら正確さ、力強さの面でこのステップが一番良いと俺は感じている!実際、うちのキャッチャーはこれで盗塁させてなかったしな!
ピッチャーが投げた球の勢いを「受け流して」セカンド送球
ステップをマスターすれば、次は上半身の動きです。キャッチャーは捕球~送球にかけて、予備動作のない腕の動きが要求されます。そのために捕球する球の勢いも利用しましょう。
ボールの勢いを流す先は「耳の横」です。キャッチャーとしては絶対必要な捕球技術なので、必ずできるようにキャッチボールから練習しておきましょう。
こちらの記事で持ち替えに必要な技術を紹介しています。
クセづけておきたい「右手」
持ち替えはキャッチャーのセカンドスローにおいて、重要な要素です。
そのためには普段のキャッチボールから、「右手」をグローブに添えるクセはつけておきましょう。
上手な選手ほど、グローブから右手に「受け渡すように」持ち替えをすることができます。初心者の場合、グローブの中に右手を突っ込んで持ち替えようとするので、グローブ⇒右手にボールを渡らせるようにしましょう。
キャッチャーのセカンド送球を早くするための練習
キャッチャーはセカンド送球のための練習を積み重ねなければなりません。実践的にセカンドに送球する練習は当たり前に練習することだと思います。ここでは、実際にセカンド送球をする練習以外の方法を紹介します。
キャッチャーのセカンド送球練習:ステップ
とにもかくにも、キャッチャーは座った状態からステップを踏むことが重要です。また、腰を上げ過ぎると力が抜けてしまうので良くありません。常に低い姿勢のままステップを踏みましょう。
図のように「+」を書いた真ん中に構え、ボールを投げてもらって素早く1~2へステップする練習をしましょう。
ポイントはしっかり体重移動をすることです。動画でコーチが足の付け根を押さえています。これは力強い体重移動を体で覚えるためです。
どうしても上体ばかりで投げがちなセカンド送球。しっかり下半身を使えるようにトレーニングしましょう。キャッチャーの練習は本当に泥臭い練習が多いですね。
キャッチャーのセカンド送球練習:遠投
そもそもキャッチャーをやるのであれば、肩が強くなければいけません。ステップも大事ですが、送球するボールの球速が速いことも大切です。
肩を鍛えるには遠投が一番。
小・中学生だとやりすぎは禁物ですが、遠投をする度に目標を決めて「あそこまでは届かせる」と思いながら全身を使って投げる感覚を掴みましょう。
やっぱり大前提としてはキャッチャーは肩が強い。ですよね。
そうだな。ただ肩の強さを最大限に発揮する姿勢づくりや体重移動は、下半身でしか生み出せないし、いつまでもボールを持っていても投げられない。すべてのバランスが大事ってことだな。
キャッチャーのセカンド送球で大事なことを言えますか?タイムや練習法は?:まとめ
キャッチャーのセカンド送球を早いと判断できる基準は、高校生で2秒未満、中学生で2.8秒未満です。
セカンド送球では、捕球前に左足を少し前にステップし、捕球後に右・左の順でステップすると、力強い球が投げれます。右足の内側や左足のつま先を送球方向に向けることを、忘れないようにしましょう。
キャッチャーのセカンド送球は、持ち替えの早さも重要な要素です。ボールを受け流すイメージを持って、キャッチボールに取り組む必要があります。
遠投はもちろん、高速でステップをする練習を積めば、必ずキャッチャーのセカンド送球は、速く・正確になります。