この記事ではヘッドスライディングとスタンディングの帰塁で必要な基本が紹介されています。
牽制の帰塁は素早く戻る必要があります。ヘッドスライディングとスタンディング二つの方法があり、基本を押さえておくことが大切です。
では、その方法とは!?
意外と難しい帰塁の基本をつかんで、「嫌なランナー」になりましょう。
ベースに戻るだけが帰塁じゃない!アウトにならない帰塁の基本
右ピッチャーのクイックやら左ピッチャーやら、帰塁って簡単そうで簡単ではないですね。
牽制が上手というのはピッチャーにとっては大きな武器だからな。
帰塁っていっても、ただ牽制がきたら戻るだけじゃないですか?反射神経の問題かと…
反射神経だけでなく、雰囲気を読む力も必要だし、素早く動きアウトにならないためのコツも必要だ!
難しいですか?
ヘッドスライディングができるなら、あとは簡単だよ。その基本を押さえていこう!
帰塁がうまい選手は走塁もうまいです。また、ピッチャーにとって厄介な存在になれ、気を散らすことができます。
初心者の帰塁を見ていると、最初の一歩が遅かったり、ヘッドスライディングで戻っても「全然滑ってないじゃん」と感じる帰塁をしますよね。
見る分にはちょっと面白いのですが…笑
そんな帰塁を見せてしまうとピッチャーも「こいつは刺せる」と思い、よりしつこく牽制を投げてくるものです。素早く帰塁できるようになるためには、以下の基本を押さえておきましょう。
- 右足が1歩目
- 右投げは「右かかと」を見る
- 左投げは大きめのリードから、足を上げたら一歩戻る
- ベースの左手前に戻る
まずはこの基本を押さえたうえで、ヘッドスライディングやスタンディングといった帰塁方法について見ていきましょう。
帰塁は第一歩で80%は決まる!第一歩は「右足」
リードの構えから帰塁をする際は「右足」が1歩目で戻りましょう。
スタートを切るときは左足が第1歩目ですよね?そうすることで腰がベースの方向に向き、姿勢が安定するからです。
帰塁するときも原理は同じです。
右足を1歩目にすることで、腰を切ってベース方向に体を向けることができます。また、右足を1歩目とすることで、ヘッドスライディングで帰塁するのにも効果的です。
帰塁がうまくできない初心者の大半は右足が動いていません。ヘッドスライディングで戻ろうとしても、その場に倒れ込むようになます。
「全然滑ってねぇじゃん」
となる初心者には、帰塁の1歩目は「右足」を徹底させましょう。リードの構え方にも問題があるかもしれません。気になる方はこちらを参照してください。
帰塁の判断ポイントは右ピッチャーの「右かかと」
右ピッチャーの場合、セットから「右かかと」が浮いたら「帰塁」です。なので、とくに盗塁やエンドランのサインが出ていない時は「右かかと」を見ておきましょう。
右かかとが動いたら素早く帰塁の姿勢を取ってください。ただし、牽制の「フリ」の可能性もあるので、帰塁の姿勢は取りつつボールを投げたのを確認するまでピッチャーを見続けましょう。ただし、一瞬油断させておいて牽制を入れる投手もいるため、気は抜かないでください。
もし投げてこないのであれば、ベースまで帰塁する必要はありません。
初心者はこれで引っかかってベースまで戻ってしまいます。こうなればピッチャーの思うつぼなので、「何やってんの?バレバレだよ」くらいのつもりで余裕を見せましょう。
左ピッチャーは帰塁の判断がしにくい!リードを大きくとって、足を上げたら1歩下がる
自分が1塁ランナーの場合、右投げより左投げの方がはるかにリードを取るのが難しく、帰塁もしにくくなります。
なぜなら、左ピッチャーの場合投球ぎりぎりまで、牽制かどうかが分からないからです。
左ピッチャーの場合、右足を上げて「右ひざが左ひざよりも内」に入れば投球確定です。つまり右足が動いた時点では判断はつけられないということ。
しかし、左ピッチャーはクイックの牽制が投げにくいというデメリットがあります。
なので、リードをするときは、右ピッチャーの時のリードよりも半歩~1歩大きく取りましょう。
そして、右足が動いた瞬間1歩サイドステップで戻り、牽制ならばそのまま帰塁。投球ならそこから第二リードを取ります。注意点は「足だけ」見ることです。
左ピッチャーは首の動きでフェイクを入れてきます。そこは無視して「足だけ」見てください。
どうしても帰塁の判断が難しいときは、常にヘッドスライディングで戻るつもりでいましょう。
タッチされなければアウトじゃない!帰塁はベース左手前へ
帰塁前にタッチされなければアウトになりません。少しでもタッチされにくくするためにベースの左手前に帰塁することを心がけましょう。
これはヘッドスライディングもスタンディングも同じこと。
帰塁の方法としては非常に細かい技術ですが、ギリギリのタイミングの時に自分を助けてくれます。
また、ベースに触れているファーストの足も遠いので、ヘッドスライディングで戻ったときに手を踏まれにくくなります。
走塁はこのような細かい技術の積み重ねで、大きなものを生み出せるものです。一つ一つの目的を組み合わせて積み重ねましょう。
走塁って本当に奥が深いですね~
ベーランの方法でも説明しているが、本当に細かい技術の積み重ねが大きなプレーにつながる。足の速さだけが走塁じゃないってことだな。
帰塁は反射神経だけじゃないってことが分かりました!
よし!それじゃあ基本を押さえたとこで、ヘッドスライディングとスタンディングをパターン別に見ていくぞ!
素早い帰塁の方法:ヘッドスライディング
まずはヘッドスライディングから見ていこう!
ヘッドスライディングのときって手を踏まれそうで怖いですね。
まあ、スタンディングで戻れるなら、それに越したことはないが、そうもいかないからな。
できることならスタンディングで帰塁したいところですが、ヘッドスライディングが必要なときはどうしても発生します。きちんと習得しておきましょう。
ほとんど、先ほどの基本に沿った内容です。復習も兼ねて紹介します。
また、細かい技術を教える前に、子どもがヘッドスライディングができるかどうかも見極めておく必要があります。以前チームにヘッドスライディングが怖くて、1年間まともに帰塁できない子どもがいました。
両ひざをついてしまうのです。野球に対する情熱は強く、怖さを克服するために近くの田んぼで練習してこくふくしていましたね。
怖さも情熱で乗り切ることができるので、初心者の方で「ヘッドが怖い」という方は田んぼで練習してみましょう。笑
帰塁時は「左足踏み切り(右足は前方)」でヘッドスライディング
ヘッドスライディングの帰塁は、右足を前方に出し、左足で踏み切ると思ってください。
ヘッドスライディングを左足で踏み切り、勢いの補助のために右足を出すのです。そうすることで、歩数を無駄に踏まず勢いの良いヘッドスライディングで帰塁できます。
動画中の山田選手が左足で踏み切って帰塁していることが分かります。
右足を補助的に使用していることが分かりますか?この方法をクセづけておくと、スタンディングでの帰塁にも役立ちます。
左足踏み切りだけ教えると、初心者は間違いなく「その場で倒れる」ヘッドスライディングをするので、注意してください。
また、リード幅も大きく関係するので、ピッチャーの牽制の速さやタイプなども考慮してヘッドスライディングをすることが大切です。
少しでもタッチを遠くするため、「右手」でベース左手前をタッチ
先ほどの話と重なります。
ヘッドスライディングのときは、「右手」でベースの左手前をタッチします。(山田選手の帰塁でもう一度確認)
これでファーストのタッチをかいくぐることもできます。また、リードを取ったときに1塁と2塁を直線で結んだラインよりも、1歩後ろ側にリードをすると、右手で戻りやすくなります。
図の中でいうと4番が一歩後ろのラインにあたります。4番で足をクロスステップするのは他にも理由があり、こうすることで4番で牽制が来ても帰塁しやすい体制づくりをしているのです。
ベースを離れたその瞬間から、ピッチャーは牽制のタイミングを伺っています。単純にベースから一番距離が離れたところに進んだ瞬間が、アウトにしやすいですよね?
そこでアウトにならないための4番のクロスステップだと思いましょう。これでヘッドスライディングの準備もばっちりです。
ヘッドで帰塁するときに心がけることって何ですか?
やっぱり勢いを殺さないことかな。助走もそうだし、踏み切りも怖がらずにやろう。
ってなると、やっぱりまずはヘッドスライディングそのものができてないと駄目ですね。
そうだな。まあ、ドロドロのユニフォームで家に帰ったら怒られるけど…そこは怒られとけ。笑
素早い帰塁の方法:スタンディング
さっきの監督の話なんですけど、ドロドロのユニフォームだと家に帰ったとき怒られるんですよ。
そこは俺の責任外の話だ!笑 しかし、ヘッドかスタンディングかで、スタンディングで戻れるならそっちの方が良いな!
なぜですか?
ケガにつながりにくいから。ヘッドで戻らないと「もっとリードが取れる」と思われがちだが、分かりやすかったり、牽制が遅いピッチャー相手にわざわざヘッドを使ってやる必要はない。
じゃあ、スタンディングで帰塁するときの注意点とかありますか?
そこを見ていこう!
ユニフォームが汚れた子どもを車に乗せるのって、ちょっと抵抗感ありますよね。汚いユニフォームで家に帰宅したときは、必ず玄関でユニフォームを脱がせましょう。
あと、ユニフォームの汚れは子どもに罪があるわけでないので、怒らないでやってください。指導者からのお願いです。一生懸命プレーした結果なんです。笑
しかし、ヘッドスライディングでなくスタンディングで帰塁できるのであれば、そちらでやるべきです。特にピッチャーは手は大事なので、あまりケガの可能性を増やしたくありませんよね。
スタンディングの方法もきちんと押さえておきましょう。
スタンディングではタッチを遠ざけるため「左足」で帰塁
三度目の登場です。スタンディングでも帰塁するときは、ベースの左側を意識しましょう。
また、この時に「左足」で戻るようにしてください。以下のような理由があります。
- ファーストのタッチが激しくても押し出されにくい
- ベースを左足で踏み、右足を引くようにすればタッチが遠くなる
ドンピシャで説明されているので、ご参照ください。
雰囲気を察しろ!早めに動くことでスタンディングの帰塁は可能!
ランナーやカウントによって、ピッチャーがランナーを警戒するときがあれば、バッター集中の時もあります。その雰囲気を察して、早めに帰塁しましょう。
すべてではないですが、ランナーを警戒しやすくなる状況を紹介します。
- 足が速いランナーがいる
- カウントが0ボール0ストライク
- アウトカウントがまだ0や1
- バッターが技巧派
- 変化球を投げたいとき(配球をよく観察しておく)
- ランナーが初心者だと分かったとき
- 他多数
野球をやっていると勘が働くようになります。そうするとなぜかピッチャーの雰囲気というか、オーラが見えてきます。
こちらをバリバリ意識しているような雰囲気のとき「帰塁」を意識しておけば、早めに対処でき、ヘッドスライディングをする必要がありません。
「これ!」という明確な方法ではありませんが、ピッチャーの雰囲気を察することは大切です。
最後は何だかあやふやなものが出てきましたね。
あやふやなんだが、そこに雰囲気があることは間違いない。それを早く察知することで、スタンディングでの帰塁も可能だ。
勝負の勘ってわけですね。
キャッチャーなんかやっていると、盗塁の雰囲気が分かったりもする。急にピリッとした雰囲気になるんだ。
へ~~
「へ~~~」って、お前がそれを感じ取れるようにならないといけないんだぞ!意識しておくのと、してないのとでは雲泥の差だ。
素早い帰塁の基本!ヘッドスライディングとスタンディングの方法:まとめ
素早い帰塁の基本は「右足が1歩目」「右投げは右かかとを見る」「左投げは大きめのリードから、足を上げたら一歩戻る」「ベースの左手前に戻る」これら4つを意識することです。
ヘッドスライディングで帰塁するときは「左足踏み切り」「右手でベース左手前にタッチ」を心がけましょう。
スタンディングで帰塁するときは「ベース左側面に左足」「カウントをもとに雰囲気を察する」ことが大切です。