肩や肘の怪我は、野球をやっていて最も多い怪我の一つです。
小中学生の段階でこれを防ぐだけで野球界は今以上に発展するはず、と一球たろうは考えています。
それほどまでに才能ある小学生・中学生が肩や肘を怪我したということを聞きます。
では、どうすれば肩や肘の怪我を予防できるのでしょう。
今回は絶対にやるべき肩・肘の怪我の予防策を、5つの目線で紹介します。
野球指導歴10年の一球たろうがご紹介します。
小学生や中学生が肩や肘を怪我するのは大人の責任と思うべし
おい!お前昨日の試合で投げたばっかりなのに、なぜ早速今日もピッチングしているんだ!?
昨日の試合内容が不甲斐なくて、もっと練習しなきゃと思ってどうしようもなく・・・
いやいや、それで怪我されちゃお前だけじゃなくて、チーム全体にも悪影響が出るだろ!休むことの重要性をちゃんと理解しないと!
う・・・すみません・・・
現代の野球は、昭和の野球に比べると圧倒的に怪我予防への問題意識が高いと言えます。
しかし、中学野球の部活動では専門の先生が顧問になれず、この問題意識を持っていない場合もあります。
最悪のパターンは、野球経験者の指導者でありながらも、勝ちを意識し過ぎてエースを酷使することです。
こうして才能のある選手が、肩や肘を怪我するケースを何度も見てきました。
ただでさえ子どもの数も野球の競技人口も減っている今、選手の野球人生を短くはしたくありません。
指導者として肩・肘の怪我防止のため持っておくべき目線は、「酷使の禁止」「ケア」「強化」「投手人数」「考え方の周知」です。
遠投の制限とノースローデーの設定
監督として中学生の肩や肘の怪我を防ぐには、まず、練習メニュー改革をする必要があります。
そのためには、やはり負荷をかけすぎる投球を制限することが大切です。
遠投は10球以内
一球たろうは、キャッチボールでの遠投を10球以内に制限しています。
なぜなら、助走をつけて全身で投げるのが遠投であり、その負担は中学生にとっては計り知れないからです。
さらにどうしてもフォームは意識できないので、めちゃくちゃな投げ方で投げることにもつながります。
当然そんな投げ方では、身体の一部に負担がかかり、肩をこわす・肘をこわすにつながるでしょう。
そのため、遠投の投球回数には10球という制限をつけています。
よくキャッチボールがダラダラしていて、遠投の時間も含めて無駄にキャッチボールの時間が長いチームがあります。
怪我防止の観点からは、練習にメリハリをつけたいところです。
とくに遠投には制限を設けてください。
ノースローデーの設定
中学生の土日の練習試合などでは、平気で二日間連投をします。
プロでも一週間程度、試合の間隔を開けることを考えると、これはかなりの投げすぎだと言えるでしょう。
当然そうも言っていられない事情があることも分かります。
だからこそ、月曜日の練習はとくに投手のノースローデーをつくることが必要です。
よく近隣の中学生の練習を見ていると、月曜日の練習のキャッチボールに投手も混ざっているのを見ます。
キャッチボールすら禁じ、投手は別メニューにするのが適当だと思います。
ストレッチとアイシング
とくに小学生や中学生は、ストレッチで怪我を防止することが大切です。
動画などでも野球肘や野球肩を防ぐものが多く公開されています。
練習では十分時間が取れない場合、自宅での宿題として選手に課すのも良いですね。
また、試合で投げた投手は絶対アイシングをさせてください。
たまに、試合後も何もせず帰っている姿も見かけます。
基本的なことですが、基本的だからこそ怪我防止には必須の条件です。
現段階でアイシングの道具がチームにない、という場合は、以下の画像をクリックして早急に揃えておきましょう
【肩用】
【肘用】
フォームの改善
「肘は真上から出しなさい」「肘が下がらないように」
一球たろうは、選手時代にとくに肘の怪我を防ぐには、これが大切だと教わりました。
しかし、現在は必ずしもこのフォームである必要はない、というのが常識です。
怪我をしない投球フォームは、日々情報が更新され続けています。
常に新しい情報を仕入れ、肩や肘を怪我しないフォームを手に入れ、選手に伝えましょう。
小人数のチームでも最低3人は投手に
投球制限が常識にありつつある昨今、多くの投手を用意しておくことは、怪我防止の観点からも大切です。
「投手は複数」が現代のアマチュア野球の基本となっていると考えるべきでしょう。
これは肩や肘を酷使する投手の負担を減らすためでもあり、選手生命を長くさせることにもつながります。
小人数チームだと「どうすれば」となるかもしれません。
それでも戦力差関係なく、3人は投手としていつでも投げれるように練習させておくべきです。
練習試合などでは、継投も経験させましょう。
「エースは一人」の時代から、「エースは3人」の時代が来ています。
肩と肘の怪我を予防する策と考え方を選手と共有
これまで紹介したような肩や肘の怪我防止策を、どのような意図と目的を持って行っているか選手と共有しましょう。
意外と監督は怪我の予防のためにあれこれ考えているのに、選手は考えていないことがあります。
肩・肘を休ませるという目的を持つことで、一つ一つの行動に自主性が育つでしょう。
休ませる分、鍛える時にはしっかり鍛えるようになります。
オン・オフの切り替えですね。
自主的に切り替えができるようになれば、より練習にメリハリがつき、効率的なトレーニングができるでしょう。
肩や肘って消耗品っていいますもんね。
そうだな。もちろん鍛えることは大切だし、それによって耐久性を上げることはできる。全く使わないことが、そのまま怪我の予防に直結するとも限らないから注意が必要だ!
メリハリをつけることが大切ということですね!
この5つをやらなきゃ肩や肘の怪我につながる!中学生がやるべき予防:まとめ
小学生や中学生が肩を壊したり、肘を壊したりしないようにするため、以下の5つのことは、指導者として最低限取り組むべきことです。
- 遠投の球数制限
- ノースローデーの設定
- ストレッチとアイシング
- 複数の投手の育成
- 実践する肩・肘の怪我防止策の意図や目的の共有
怪我で選手生命が断たれてしまわないよう、指導者として管理すべきことはきちんと取り組みましょう。