この記事ではセカンド牽制の方法(特に回り方)や、ボーク、ショート・セカンドの入り方が紹介されています。
セカンド牽制は本当に難しいですよね。
ピッチャー「どっちに回れば良いのか?」「どうしたらボークなのか?」
ショート・セカンド・キャッチャー「いつ入るべきか」「連携は?」
と思ったよりも高い技術が求められます。これらの疑問を本記事では徹底解説しているので、ぜひ習得して「最強の連携プレー」で試合の流れを変えちゃってください!
またボークについては審判側からの視点も紹介しています。
僕のチームで使っていた手法も紹介しています!一例として参考にされてください。
なぜセカンド牽制が必要なのか?
監督!セカンド牽制ってどっちに回ればいいんですか?
両方回れた方がいいぞ!そもそも、セカンド牽制がなぜうまくなりたいんだ?
そうですね。やっぱり後ろにランナーがいると、投げにくくなります。だから、刺せるならそこで刺したいです。
なるほどな。よし、じゃあ今日はセカンド牽制について解説しよう!ボークについても語っていくぞ。
セカンド牽制をなぜ習得しておきたいのか。
ピッチャーの心理になってみると、非常に大事なプレーであることが分かります。
- 得点圏のランナーをアウトにできる
- (物理的に)リード幅が広いから刺しやすい
- ピッチャーから見えないランナーはプレッシャー
得点圏のランナーをアウトにできるので、1ヒットで点を取られなくなります。さらにピッチャーの中でも「サードよりセカンドにランナーがいる方が嫌」という声も多く聞かれます。
セカンド牽制でランナーをアウトにできると、これらの悩みが一気に解決できるのです。
セカンド牽制が難しいとされる理由
セカンド牽制はファーストやサードに比べると、かなり難しいと言われます。
なぜそのように言われるのでしょうか。
(「まだファーストの牽制も知らん」という方はこちら↓)
キャッチャーとは真反対なため、ランナーが視界に入らない
ピッチャーは普通キャッチャーを見ています。1塁や3塁にランナーがいたとしても、横目で見るだけでその姿が確認できます。
しかしセカンドは基本的にランナーが見えません。幽霊や暗闇って怖いですよね。あれがなぜ怖いのかというと「見えないから」です。
人間見えないものに対して、恐怖やプレッシャーを感じるようにできています。ランナーだけでなく、ショート・セカンドも見えていないので、ピッチャーはプレッシャーを感じてしまうのです。
慣れていないと、回転して投げるのが難しい
セカンド牽制をするときは、真反対に投げる必要があります。
そのために体を左右のどちらかに回転させなければいけません。しかし慣れていないと体を180度回転させて投げることは意外と難しいです。
さらにプレートと軸足という「ボークに大きく関わる部分」を気を付けなければいけません。
体の動きだけでなく、知識も持っていないと動きにくく感じます。
ショート・セカンド・キャッチャーとの連携
せっかくアウトにできるタイミングなのに、ショート・セカンドがベースカバーにいないと牽制できません。
ピッチャーから野手は見えないし、野手を見ているとキャッチャーは見えないので、連携が非常に難しいのです。
「見えない」というのは、これほど大きな壁だということですね。
見よう見真似では、セカンド牽制はできないですね。
野手との連携も必要だからな!まずは、自分の課題(セカンド牽制のやり方)を見ていこう!
セカンド牽制のやり方(投げ手回りorグローブ手回り)
セカンド牽制は回転の方向で分けると2通りに分かれます。
投げ手回りは足を上げながら、グローブ手回りはクイック回転しますが、目的や状況で使い分けるのがおすすめです。
投げ手回りのセカンド牽制
投げ手回りの牽制の場合以下のような流れで牽制します。
- セットから普通の投球動作のように足を上げる
- 上げた足を動きを止めずにセカンド方向へ踏み出す
- 足と一緒に体もセカンドへ向けて牽制を入れる
↑の動画の「牽制パターン2」の方法です。
足をしっかり上げることで、ランナーに対してフェイクをかけることができます。
ただし足が止まったり、きちんとセカンドに踏み出せていないとボークになるので気を付けてください。
グローブ手回りの牽制
ランナーを本気で刺そうと思うとこちらのセカンド牽制が有効です。
図のように軸足を前に踏み込むパターンとプレートの後ろに外す2パターンあります。
一番安心で、簡単なのは「プレートを外す」セカンド牽制です。プレートを外した時点で「野手」として考えられるため、そのあとの動きは自由になるからです。
初心者であれば、まずはこちらを覚えましょう。
難しいのは軸足を「前に踏み込む」パターン。後述しますが、この方法は牽制の原則から外れたプレーです。しかし、実際に行われているし、プロ野球でもボークは取っていません。
最速で投げることができる上、野手との連携がうまくいけばセカンド牽制最強の方法です。
軸足を前に小さくステップした際、「右足の土踏まず」と「左足のつま先」をしっかりセカンド方向に向けましょう。
投げ手側、グローブ手側両方できた方がいいですか?
そうだな!投げ手側のときは「お前警戒してるぞ」と思わせる、グローブ手側のときは「本気で刺す」と使い分けよう。
セカンド牽制で軸足をプレート前はボークなのか?
以前気になったので、地域の全国軟式野球連盟の審判員に「軸足をプレートの前にステップさせるとボークなのか?」と聞いてみました。回答は
「それはボークくさいけど、一挙動であれば問題なし。でも子どもにはきちんとしたルールを教えて下さい」
と言われました。ボークギリギリのプレーというわけですね。だからこそプロ野球でも、この方法で練習しているのです。
ただしネットなどの情報を見ていると、ボークを取られるケースもあるようなので、事前に審判員に確認はしておいた方がよさそうですね。
「プレート後方に軸足をはずす」状態での牽制が原則であることは、理解しておきましょう。
ショート・セカンド・キャッチャーの連携
セカンド牽制は連携が非常に重要です。
それぞれのチームによってやり方は違うと思いますが、僕のチームの連携方法をここでは紹介します。
前提として
- サイン(牽制をするかしないか、誰がベースカバーをするか)はショートが出す
- 基本的にショートもセカンドもベースにはつかないで、ベース周辺をちょろちょろ
としています。
ショートが誰が入るか、何秒で入るかを指示
セカンド牽制をする中で、ショートが「牽制を入れろ」とサインを出したとします。
それ以降の流れは以下のようになります。
- ショート・セカンドのどちらが入るか
- ピッチャーがセットに入って静止後、3秒後にベースカバーに入る(ベース上にいる)
3秒後には必ずベース上にいることをピッチャーに伝え、安心させます。
これには多少練習が必要です。とくに「どの時点からの三秒なのか」「投手と野手の三秒の数え方を合わせる」といった練習を重ねます。
ショートが「牽制を入れろ」まで指示して、あとはキャッチャーに任せる
セカンド牽制のサインを出して、あとは何のサインも出さないこともあります。
そのときはキャッチャーの指示で牽制に入らせます。やり方は以下。
前提として
- キャッチャーが構えたミットを下に向けたらピッチャーは牽制を入れる
やり方
- ショートが「牽制を入れろ」と指示
- ショート(またはセカンド)がベースカバーに入る動きをすると、キャッチャーはミットを下げる
- ピッチャーはその瞬間にセカンド牽制を入れる
こちらもかなり練習が必要です。
上手くいけばかなり効果的な作戦になるので、ぜひ参考にされてください。
この連携は本当に難しいですね。
呼吸を合わせるのが難しいな。何度も練習をやっていると、できるようになるさ!大丈夫、最初から期待なんてしていないから。笑
セカンド牽制【秘伝の書】!方法やボーク、入り方まで徹底解説:まとめ
セカンド牽制を上手くできると、得点を防げたり、ピッチャーのプレッシャーを除けたりします。しかし、ピッチャーから見ると視界に入りにくい位置なため、とくに連携での不安がよぎります。
まずは動きを覚えましょう。
セカンド牽制には「投げ手側」「グローブ手側」に回る2パターンがあります。初心者は軸足をプレート後方にはずしてグローブ手側に回転する牽制を覚えましょう。
プレート前に軸足を移動させる牽制は、ボークではありませんが、牽制の原則には当てはまりません。
セカンド牽制で難しい牽制は、ベースカバーに入るタイミングをサインで決めておけばスムーズにいきます。何度か練習が必要なのでやっておきましょう。きっといざという時に役に立ちます。