この記事では初心者でも安全にスライディング練習をする方法とコツを紹介しています。初心者の走塁の第一の壁がスライディングでしょう。
なんといっても「怖い」。「あんなのケガするだろ!」「(直前で)やっぱ怖い」これが初心者の気持ちです。
そのスライディング練習を安全に、そして完璧に習得する方法とコツを紹介します。
スライディングは怖い!練習を重ねて克服しておく重要性
監督。悩みがあるっす…
おう。どうした?
スライディングが怖くてうまくできません。この前もそれでアウトになっちゃったし…
やっぱり初心者にとってスライディングは第一に「怖い」よな。よし、じゃあ今日はスライディングの怖さをなくすための練習方法を教えよう!
スライディングって怖いですよね。
他の人のプレーを見てて「よし!今ならいけそう」と思っても、直前になって「やっぱ怖い」が出てきます。
僕のチームにはその「怖い」が1年も続いて、まともにスライディングができない先輩がいました。
でも、今回紹介する練習法を実践し、本人も家で練習した結果、1か月も経たないうちにスライディングができるようになりました。
スライディングは怖ささえなくなってしまえば、あとは技術を教えられればどんどんうまくなります。一番大きなスライディングの恐怖を取り除いて、走塁技術をガンガン上げていきましょう。
まずは、スライディングの重要性から押さえます。…そうそう。ヘッドスライディングはできますか?
前提条件はスライディングパンツを履いていること
スライディングが怖いという選手に質問です。
「スライディングパンツ履いていますか?っていうか、スラパン知ってる?」
スライディングが怖いのは、お尻が痛いから。
では、おしりが痛くならない道具があるなら…?
それがスライディングパンツです。
これを履いていないのに、スライディングが怖いと言っているならば、まずはスライディングパンツを履いてプレーしてみよう。
スライディングの恐怖を克服する、最善最短の近道です。
スライディングの怖さを克服することはケガ防止につながる
スライディングをするときに、「怖い」と思うと体が硬直します。体が硬直した結果、逆に危険な体勢となり捻挫や骨折につながりかねません。
だからこそスライディングに対する怖さは取り除いておくべきです。自分自身だけならまだしも、その硬直して危険な、予測のつかない動きが守備側をケガさせることもあります。
まあ、分かっていても難しいから困っているのですよね。大丈夫です。安心して読み進めてください。
スライディングができればタッチされにくくなる
ボールでタッチされない限り、アウトにはなりません。自分の足元周辺で動くものに対しては、タッチがしにくいですよね。理由は簡単、遠いから。
ベースのどこにスライディングをするかによっても、タッチしにくい度合いは変わります。基本的にはグローブから一番遠いところめがけてスライディングしましょう。
スライディングの怖さがなくなれば、スライディングする楽しさが分かってくると思いますよ。
スライディングでベースの行き過ぎを防止
たった38.1cmの小さなベースの上で、本気で走っている勢いを急に止めることはできません。
その点スライディングをすることで、勢いをベース上で止めることができます。
また上手くスライディングができれば、エラー等のトラブルがあったときでも、すぐに次の塁に向かって走ることも可能です。
もしかするとスライディングが怖いと思っている方は、「この前やってしまったあのプレーか」と思っているのではないでしょうか。
やっぱりスライディングは大切ですよね。でもですね、それが怖くてできないんです。
まあそうだろうな。よし、じゃあ次から「安全で怖さがなくなる」スライディングの練習方法を教えるぞ!
「怖い」を克服するためのスライディングの練習方法
ここからはいよいよスライディングの「安全で怖さがなくなる」練習方法です。本当に簡単ですし、チームで実践し効果もあったので、ぜひお試しください。
まずスライディングを習得するための形を練習しておらず、怖がっている初心者がいます。その一番の典型的な例が「飛ぶ」パターンです。
ジャンプして飛び、空中で形を作って「ドスン」とスライディングをしてしまうのです。
もう、ぶっちゃけ危なすぎます。
スライディングは「滑る」行為です。飛んではいけません。この意識はしっかり持っておきましょう。
スライディングの怖さを取り除く練習:形の習得
まずはスライディングをする形を徹底しましょう。方法は簡単です。
- 体操座り(小学生の時の体育で座るやつ)
- 左足の足を右足の中に入れる
- 左手を体の後ろにつく
- 右足をのばす
これだけです。足の左右はやりやすい方を選んでください。(将来的には両方できた方がgood)
この1~4を早くできるように何度か練習してみてください。また、体操座りの状態からお尻でジャンプして形を作ってみましょう。
全く痛くないので安心してください!その時点でも怖い時は、ジャンプした直後に手(上の例だと3の手)をつきましょう。
意外と「怖い」と思っている人は、手をつくタイミングが遅かったりもしています。何度もこの形を作る練習を重ねてみてください。ここが一番重要です。
スライディングの怖さを取り除く練習:やわらいかい砂場や田んぼ
僕のチームで1年間スライディングが出来なかった子どもは、とても頑張り屋さんではありました。
スライディングができないことを自覚していたので、彼は自宅近くの田んぼで練習をしたそうです。「なぜ田んぼで?」と聞くと「土が柔らかくて痛くないから」とのことでした。
結局「怖い」のはなぜかというと、「痛い」からですよね。では、痛くない砂場や田んぼで練習をしてみましょう。
いきなりトップスピードからスライディングをやるのも怖いと思うので、2.3歩走ってからやってみましょう。
痛くないことを体が覚えると、そのあとは意外とスムーズに覚えられます。
スライディングの怖さを取り除く練習:グランドでやってみる
次はグランドで実際にベースに向かってやってみましょう。
ただし、このときスライディングするところをしっかり整備しておいてください。
もし、ガリ(下の写真)があるのであれば、それで土をフカフカにしておきましょう。
とにかく痛くなければ、スライディングの怖さも自然となくなります。
もちろん最初は2.3歩から始めて、少しずつ距離を伸ばしていきましょう。その中で「怖い」を感じると、もう一度そこで体操座りからのスライディングをやってみると良いです。
それと、ジャンプはし過ぎないように注意してください。あくまで「滑る」イメージを!
滑るイメージをして先に手をつくようにすると、怖さがだいぶ消えます。一方、ジャンプして手をつくと骨折する危険があるので、気を付けてください。
スライディングの恐怖がなくなった君へ!覚えておきたいスライディングのコツ
滑り込むだけじゃダメなんですか?
スライディングをして終わりじゃない。そのあともプレーが起こることは十分あり得るからな。
ああ、そうか。
その後のプレーにも対応できるように、押さえておくべきコツがある!スライディングを怖いと思わなくなったら、次はここを意識しよう。
スライディングし終わっても、プレーは終わりではありません。もしかすると、相手がエラーをしたり、悪送球をしたりする可能性もあります。
そのときにいつまでも滑りっぱなしでは、のちの対応に遅れてしまいます。スライディングをしたあとは、すぐに立ちましょう!
初心者の場合、滑りっぱなしの状況が多く見られます。そうならないためのスライディングのコツを知っておきましょう。
そのスライディング近すぎ?遠すぎ?
スライディングの位置が遠いために、勢いがなくなっているパターンです。こうなると勢いを利用できないため、立つことが難しくなります。
大体、1m弱手前からヒザをつくぐらいがちょうど良いです。逆に近すぎるスライディングをする初心者も見かけます。
そんな人は空中から突き刺さるようにスライディングをしますね。
非常に危険です。ケガをする可能性が高いスライディングなので、すぐにでも改善させましょう。
スライディングの勢いで立つ!
スライディングの勢いをそのままに、ベース上に立ちましょう。
その方法は、ベースに向かって出している足がベースに触れてから、動かないように固定します。
ベースに固定した足はその場で踏ん張りながら、地面に付けている側の足だけで立ちます。初心者で見るのがベースに伸ばした足が、そのままベースの上をすべっていくパターンです。
こうなると踏ん張りようがないので、しっかりベースに足が触れたら踏ん張りましょう。
柳田選手の足が、ベースの側面に付きっぱなしなのが分かります。
このようにして、出した足で踏ん張りましょう。これができると、次のプレーに迅速に対応できるようになります。
スライディング後は審判ではなく、ボールがどこにあるか確認しよう!
盗塁などでスライディングをしたのち、気になるのは判定だと思われます。審判を見たいところですが、これがクセづいてしまうとあまり良くありません。
何度も言うようですが、スライディングでプレーが終わるわけではありません。
スライディング後はすぐにどこにボールがあるのかを確認しましょう。外野手がカバーに来ていないことは結構あるものです。
隙をつく走塁は必ず相手のもう一つのミスを誘います。
これだけは注意!スライディングでベースに伸ばした足は、つま先は「横方向」
Youtubeなどで「殺人スライディング」と検索すると、かなり悪意のあるスライディングがあります。
故意的に守備を邪魔しにいくスライディングは絶対してはなりません。また、そうでなくても守る側に対して危険なスライディングでは、
かならずベースに向かう足のつま先は「横方向」に向けてください。時折つま先を「縦方向」にする初心者がいます。
教える側としては、早急に改善させることが大切です。
ゲッツー崩しというけれど、それはフェアな戦いではない。
やっぱり危ないですもんね。
故意でなくても、最近は審判もすぐに守備妨害を取るし、故意な上悪質であれば退場だ。そんな試合にするとしこりが残るだろ?
そうですね。気を付けます。
もっとスライディングを極めたいならば、こちらの記事もどうぞ!
スライディングの「怖くない」練習方法!初心者に優しい方法とコツ:まとめ
スライディングをすることで、ケガを防止するだけでなく、タッチをかいくぐったり、行き過ぎを防止したりすることができます。
スライディングの怖さをなくす練習法補は、体操座りを起点とする練習があり、そこで形を習得後砂場や田んぼで練習し、グランドでやってみるといいでしょう。とにかく「痛い」思いをいしないことが大切です。
スライディングの怖さがなくなったら、スライディングのコツを覚えておきましょう。勢いで立ったり、距離を調節したりすることで上手なスライディングができます。