この記事では外野フライの「捕球がうまくできない」「追い方が分からず目がぶれる」「落下地点の予測」といった悩みを解消するための方法を紹介しています。
目のぶれ、追い方、落下地点。外野フライは意外と判断が難しいですよね。それぞれの悩みは少しの工夫と心がけで改善できます。外野フライのエラー0にしましょう。
野球指導歴10年の一球たろうがご紹介します。
(自分は外野フライは完璧だ!という方、目切りはできますか?)
外野フライのコツは「プレジャンプ」にあり
今日はライトだ!ほら、さっそくボールが飛んできた!これは…前かな?後ろかな?そうしている間にもボールが向こうを転々と…
おいおい、しっかりしてくれよ。カバーも大変なんだぞ。
すまん。なんか最初の一歩の足が重くて、判断もできないし…
そりゃおまえ。プレジャンプしてないんじゃないか?
何それ?
外野手においても内野手においても「最初の一歩」がどれだけ早いかが大切です。外野フライのように、捕球するかどうかで、試合をも左右する最初の一歩は、絶対に外したくない守備のコツです。
その最初の一歩を早くするための準備があります。それが「プレジャンプ(別名:スプリットステップ)」です。
外野フライでうまく捕球するため、追いつくためのコツとしてプレジャンプをしているか、していないかは大きな違いです。動画のように小さなジャンプを入れます。
注意したいのは「ジャンプが目的」でなく「良いスタート」を切るためのものであること。
そのためには
図のようにジャンプして着地したのち地面から押し返される力をひざでクッションしているときにスタートすることが大切です。一度初心者にプレジャンプを教えると「ジャンプすること」が目的になっていたことがあり、失敗したと思いました。
これが外野フライを捕球するための準備っすか?
小さなことだが、かなり重要だ。しかもクセにするまでにかなりの時間がかかる。大体プレジャンプができていない子どもは集中できていないときだな。
外野フライの落下地点を予測するコツは「帽子のつば」が基準
外野フライって言っても、ライナー性や空に向かっていく打球、いろいろありますよね。その時に「前に行くか、後ろに下がるか」で迷ってしまいます。
外野フライの前と後ろを判断するコツは、帽子のつばを基準に判断するといい。まあ一瞬で判断できるようにするには、時間がかかるがな。
でもそれで迷わなくて済むなら習得したいっすね。
外野フライで落下地点が分かれば、そこに走るだけなので何のコツもいりません。パワプロをしていても落下地点を表示していると安心できますよね。
一方落下地点を表示していなかったら「ここか、いやちょっとずれているか」とコントローラーで微調整しませんか?
実際の外野フライでは落下地点なんて表示されないのでこの微調整する能力どころか、正しい予測能力も大事になります。しかしこの予測能力を向上させるコツを掴むと、外野フライは簡単に捕球できるようになるのです。
その外野フライのコツとは「帽子のつば」それから、打球の音などを説明していきます。
落下地点を予測できるようになれば外野フライは怖くありません。
外野フライのコツは帽子のつばを基準に上は「後ろ」下は「前進」
帽子のつばが「前」か「後ろ」かを教えてくれます。外野フライが上がったとき、打球が帽子のつばより下であごが上がらないくらいの打球なら、大抵「前」です。
反対に打球が帽子のつばより上であごを上げないと打球が見えないのなら、大抵「後ろ」です。
また、つばよりも上に打球が上がったとしても結局「前」ということもあります。
この場合、打球がかなり上空まで上がっているので十分追いつく時間があります。
前か後ろかの判断は非常に重要です。ライナー性の当たりに出遅れると捕球しにくい打球となって(ハーフバウンドなど)ボールがやってきます。また、後ろなのに前に来てしまうと長打が約束されてしまいます。
子どもの普段の様子を見て「前が弱い」なら帽子を少し浅めに「後ろが弱い」なら帽子を深めにかぶらせましょう。
その上で先ほどのコツを教えればうまくいくはずです。
ただ、どちらにしても慣れが重要なのでたくさん外野フライを経験する必要があります。
でもノックで受ける外野フライなんて一日に多くても20~30球くらい。個人ノックをしてやっと三桁程度です。
フライなら必ずしもノックである必要はありません。次はフライの練習をするための「目の付け所」を紹介します。こうして一日に取り組めるフライの球数を多く経験しましょう。
キャッチボールやフリーバッティングで外野フライを捕球するコツを定着させろ
フリーバッティングで守っているときに何を考えている?
うーーん。声っすかね。
まあ大事なことではあるが、実はフリーバッティングはとても有意義な時間になれば、まったく無意味な時間にもなる。
どういうことですか?打つとき以外はあまり意味がないんじゃ?
僕はチームに「練習が短い分無駄な時間をつくるな」と言ってきました。フリーバッティングで守っていて、ぼーっとしている時間ほど無駄なものはありません。
その間に筋トレ、柔軟、キャッチボール…
何でも練習できます。もちろん守りながらです。強いチームはレギュラーメンバーが打ちベンチ組が守るなどができますが、初心者チームはそうもいきません。
少ない人数で練習を回します。だからこそ、守っている時間は有意義に使いましょう。外野フライのコツをここで習得しちゃおうってことです!
外野フライの捕球ができるようになりたいならここで練習をすれば良いのです。ノックとは違った、生きた打球を捕球する練習になります。プレジャンプの練習や帽子を基準に見分ける練習もできます。
しかも、あまり守備を見られていないのでエラーをしても怒られません。キャッチボールも同様に投げた回数の分だけフライやライナーの練習になります。
伸びる選手はこのようなところで
徹底的に良いクセをつけているものです。
外野フライのコツは耳も使うこと!?音を聴け、スイングを見ろ!追い方が変わる!
フリーバッティングなどでしっかり外野フライの練習を意識していると…
カーン、コッ、ボクッ。
キン、ゴッ、グワァラゴワガキーン。
など、さまざまな打球音があることに気付きます。ここのに気付けると大したものです。音によって打球が「強い」か「弱い」かが分かり、追い方が全く変わります。
- 強い打球音で弾道が高いなら後ろ
- 弱い打球音で弾道が高いなら前
感覚的に身に付くものなので、それこそフリーバッティングなどで、何度も聴く(聞く=耳に勝手に入る、聴く=集中して耳に入れる)ようにしましょう。外野フライのコツは、耳で聴くことです。
動画の音はすべて「強い」打球ですね。これをすべて聴き分けることは難しいですが、なんとなく、「これは飛んだ!」とはっきり分かる打席は「ボールが潰れる」ような音がするのが分かりますか?
また、軟式であればビヨンドマックスなどのバットと金属バットの聴き分けもできるようになりたいところ。
そしてスイングをよく見させることも、外野フライのコツであり、後の追い方も最適な状態にするコツです。
スイングの始動が早ければ、「ひっぱり」の可能性があるしスイングの始動が遅ければ、「流し」の可能性があります。
スイングの場合インパクトの瞬間にバットの面がよく見えていたら、外野フライがこちらに飛んでくる可能性が高いですね。
外野フライが上がる直前の、瞬間的な判断なので何度も意識してバッティング練習を見させることをが重要です。
外野フライが苦手な初心者の君へ。「迷ったら負け、迷ったら下がれ」が最低限のコツ
外野フライが上がった瞬間、迷ってしまう気持ちは分かります。誰もが通る道です。とくにライナー性の打球は迷いますよね。
しかし、迷った時点で負けです。負けたときは下がりましょう。これが、外野フライにおける、被害を小さくするための最低限のコツです。
練習のときは迷っても突っ込んで感覚を養うことは大切です。しかし、試合の時に迷ったら下がってください。
上手な選手は迷いがありません。外野手でファインプレーを出す選手は絶対に「いける」と最初から思っています。でもこれを見極めるにはかなりの経験と勇気が必要です。
初心者でまだそこまでのものがないなら「迷ったら下がる」が賢明です。なぜなら、外野フライが抜けてHRという最悪の事態は免れるからです。
結局野球もリスク管理が勝利へのコツであり、最短ルート。とくにライナー性の打球で前進するかどうかで迷ったら、下がってください。
何もせず足を動かさないのが一番最悪です。
外野フライのライナーって本当に捕球が難しいというか、予測しにくいですね。
かなりの勇気と経験が必要だ。プロ野球選手だって、目測を間違えて飛びついたはいいが後ろに逸らすこともある。その時は被害が大きくなるだろう?
そうっすね。大体外野を抜けると三塁打かホームランになっちゃいますね。
もちろん練習の中ではチャレンジも大切だ。ただ、教える側から言えばチャレンジして失敗しても、「何やってんだ」ではなく「今のを捕球できるようにスタートや足の速さをレベルアップさせよう」と教えたいな。
外野フライの追い方のコツは目をぶらさないことと体の向き
監督。外野フライの追いかけ方を教えてください。打球を追いかけていると、目がぶれてしまうんです。
目がぶれるのはある程度は仕方なことだが、ぶれを抑えるために重心を低く走ることは大切だ。
なるほど。他に注意点はありますか?
あとは、ぎりぎりまで打球を真正面で待ち構えないことだ。
真正面?
外野フライの追い方でよくある悩みは「目がぶれる」。目がぶれて、打球に目がつかずどこに走ればよいか分からなくなります。
人間の体の性質上ある程度は仕方のないことですが、目のぶれを抑えるためのコツはあります。また、初心者がよくする「バンザイ」ですがこれは正面に入るのが早すぎるためです。
この2点を改善できれば、落下地点の予測にもつながるし捕球時にグローブではじいてしまうことも予防できます。
目がぶれない外野フライの追い方のコツ
こちらはロッテ岡田選手の外野フライの際の目線カメラです。目線があまりぶれないのがわかります。この追い方をするコツは
重心を低くして走ることです。重心を低くするというとイメージが難しいですね。
僕は初心者に教える時は「腰の位置をなるべく低くキープし、ひざが伸びきらないように」と教えます。
これでかなり改善できます。また、この状態をキープするためにも体幹を鍛えておくことも重要です。体の軸がぶれるから目がぶれるのです。
体幹は体の軸なので、ここを鍛えると目線がぶれずにフライを追いかけることができます。
一番代表的な体幹の鍛え方です。テレビを見ながらでもできるので、やってみましょう。外野フライで目をぶらさずに追うためには、体幹をつけておくことが一つのコツです。
外野フライは「正面で迎えない」が、目がぶれないコツ?
正面に入るなってことですか?
正面には入るんだが、フライに対して「正対」するなってことかな。簡単に言うと打球に対して「前へならえ」をする角度で入るなってことだ。
初心者でよくありがちなのが打球に対して「正面」に入ることです。もちろん正面に入らないと捕球はできなのですが初心者に「正面に入れ」と教えると、正対してしまいます。
どちらかの肩は引いてください。
図のように外野フライに対して正対しないようにさせてください。(右投げ)余裕があるなら真ん中の捕球方法の方が次の送球につなげやすいです。
この正対をしないためには肩を引くorどちらかの足を引いて捕球することを心がけさせましょう。
こちらの記事の3の2にも紹介していますので、ご参照ください。
外野フライの捕り方のコツはグローブにあり
プレジャンプで第一歩を早く、帽子を基準にして落下地点を予測して、重心を低くしてフライを追いかけ、正対せず打球を待って…?
グローブでボールを隠さず、しっかりグローブを開くことが大切なコツだ!
外野フライをグローブで隠してしまうと捕球どころではありません。(右投げなら)顔の右側で捕球することがコツです。また、左側の打球なら顔の左側ですね。
右投げ、左投げどちらにしてもやっていけないのは顔の真正面で捕球しようとすることです。これでは、ボールが隠れてしまいます。先ほどの項目で説明したように、フライに対して正対してしまうとこの現象が起きます。
ボールと目線の間にグローブを入れないようにさせましょう。それともう一つ確認しておきたいのが
グローブをきちんと開いているかどうかです。
初心者の場合
- グローブを開いていない
- ボールに対して直角に手首を立てられていない
ことがあります。このコツをについては、下の記事で紹介しているのでご参照ください。
意外と手首は意識できてないですね~
ボールに対して「直角にグローブの入り口を見せる」これが、初心者の場合結構クセになっていないな。あとは、フリーバッティングなどで意識して取り組み「クセ」にすることが大切だ。クセは意識しないとクセにはならない。そのことを大切にして練習に取り組もう!
(外野フライでは、球際ギリギリのボールを処理することが多くあります。球際の捕球に関しては、こちらの記事を参照してください。きっと役に立ちます。)
外野フライ完全徹底攻略!捕球のコツや目がぶれない追い方とは:まとめ
外野フライを捕球する準備段階として、「プレジャンプ(スプリットステップ)」を踏むことで、第一歩が早くなります。
外野フライの落下地点を予測するために、帽子のつばを基準として打球を判断することや、普段の練習で無駄を作らないようにすることが大切です。
外野フライの追い方は、目線をぶらさないために重心を低くして走り、打球に対して正面に入らない(正対しない)ようにすれば、追い方が上達します。
外野フライの捕球の仕方で初心者にありがちなのが、「グローブでボールを隠す」こと。ボールと目線の間にグローブを入れないようにしましょう。