この記事ではアッパースイングの矯正方法を紹介しています。
「アッパースイングになってるぞ」と矯正をするように指導されたことありませんか?
アッパースイングを改善できれば、これまでフライだった打球がライナーになることもあります。鋭い当たりで野手の間を抜きたい方必見の、アッパースイングの矯正方法を紹介します。
アッパースイングによるメリット・デメリットとは?
よし!3ボール1ストライク。ここは甘い球が来そうだ…きた!ここだ!…ブン!カーン!
ありゃ~捉えはしたが、上がり過ぎだな…これじゃただのセンターフライだ。
監督、なんで俺の打球って捉えたのにフライになるんですか?
まあ、アッパースイングが原因ではあるだろうな…
どうにかならないもんですか?俺はどちらかというと、鋭い当たりで間を抜くようなバッターになりたいです。
まあまあ。とりあえず「アッパースイングが悪い」と言われるデメリットをしっかり考えよう。
バッターであれば誰だってホームランを打ってみたいものですよね。そこで手っ取り早くオーバーフェンスするためには、打球を上げる必要があります。
打球を上げるためには、ボール下から打つ方が上がりそうですよね。だからアッパースイングになるのです。
アッパースイングをやっていると、大抵の指導者から矯正させられます。なぜ矯正させられるのでしょうか。まずはアッパースイングのデメリットを考えましょう。
- バットのヘッドが下がるのでフライになりやすい
- バットが遠回りしやすい
- 真ん中より高めのボールを捉えにくい
- 鋭いゴロが打ちにくい
- 非力なバッターには使いこなせない
ざっと挙げるとこのようになります。チームバッティングやランナーを進めることが重視されるチームでは、とくに嫌われる「フライアウト」がありますね。
確かにフライアウトは進塁をさせることができない上に、守る側にとってプレッシャーのないアウトです。さらにバットが遠回りすることは空振りが増える原因にもなり得ます。
しかもアッパースイングには相当の力が必要です。しかし日本人は外国人に比べて力がないため、「技術力」で打球を飛ばさなければいけません。
(時には道具に頼ることも…下の記事を参考にしてください)
このような点からアッパースイングを矯正する必要があると判断されるのです。一方メリットもあります。
- 飛距離が出やすい
- バックスピンをかけやすくボールが伸びる
こう見ると長距離砲には持ってこいのスイングですね。果たしてアッパースイングは矯正すべきなのでしょうか。
アッパースイングを矯正する前に…結果が出るんならいんじゃね?
現在、アッパースイングが完全に「悪」かというと、そうではないとする理論も多くあります。
以前に比べると、バットが平行~上方向の軌道を描くアッパーやレベルスイングは評価されていることは間違いありません。
僕もどちらかというとレベルスイングやアッパースイング肯定派です。
なので初心者たちが入団したとき、ダウンスイングを教えることはしませんでした。が、しかしちょっと失敗だったな。という思いがあります。
なぜならヒットは出ないし、進塁はできないし、エンドランはかけれないし…
ちょっと悲惨だったので、やっぱりダウンスイングも教えました。
すると、ヒットは出るし、進塁打を打てるし、エンドランのサインを出せるし…
と事態は好転したのは間違いありません。そんな経験をしたからこそ伝えたいのは
「結果が出ればそれでいいんじゃね?」ということです。ジュニア選手に理論を教えることは大切です。ダウンスイング、アッパースイングどちらもメリット、デメリットがあります。
その上で大事なことは「自分に結果がついてくるのはどっちか判断させること」だと思います。僕は基本的に結果が出ていないと思ったら、アッパースイングの矯正をします。
以前とんでもないアッパースイングをして、フライを量産する子どもがいたので矯正すると、いきなりホームランが増えました。
かといって、アッパースイングでも結果を出している子どもは修正しません。結局は現場で見ている指導者が、矯正するかどうかの判断が委ねられます。
もし矯正する、矯正したい場合の方法を以下で紹介します。
ということは、俺は矯正しなくt…
お前は矯正せんと大変だ。すぐに取り掛かるぞ。
アッパースイングの矯正方法
アッパースイングの矯正のために改善したいことは、以下の4つの点です。
- グリップの方向
- バットヘッドの軌道は肩~肩へ
- ペッパーで覚える
- 投手側の脇を締める
一つ一つ丁寧に見ていきましょう。アッパースイングの矯正だけでなく、バッティング全般を向上させるためにも必要なことも多々あります。
アッパースイングの矯正方法1:グリップの方向
アッパースイングを矯正するためには、何より一番大事なことです。
むしろ、これができておけば最低限「質の悪い」アッパースイングになることはありません。
トップから振り出すときに、最低限ミートまではグリップが下方向を向くようにスイングしましょう。
これをすれば、バットのヘッドが下がりにくくなるため、バットがアッパースイングの軌道になりません。
しかも、押し手の手首が立っているので力強く球を弾き返せます。初心者はとくにグリップが上を向くパターンが多いです。
ただでさえ力のない日本人の子どもは、ヘッドが下がることでボールに力負けします。
J号やM号球に変わって、球が重くなっているのでなおさら力負けはしたくありません。しっかりグリップを下げて、ボールに力負けしないようにしましょう。
アッパースイングの矯正方法2:バットの軌道は肩~肩
アッパースイングの矯正ということは、バットの軌道の矯正だと思いましょう。
「グリップを下方向」に出す、ができるようになれば、次はバットが肩~肩へ軌道を描くようにします。
写真のように、振り出したときのバットのヘッドの位置を肩の高さに合わせます。振り抜いたときにはバットのグリップの位置が肩の高さになるように振り抜きます。
ようするにスイングの始まりと終わりを一定の高さにすることで、バットの軌道を安定化させるのです。
高め~真ん中~低め
どの高さのボールを振ったとしても、最初と最後は肩の高さでフィニッシュしましょう。
アッパースイングの矯正方法3:ペッパーでボールを上から叩く感覚を覚える
アッパースイングではボールの上を叩く感覚が分かりません。それを矯正するために、まったく反対のことに取り組んでみましょう。
ピッチャーにワンバウンドで返す練習の「ペッパー」が非常に有効的です。
古田選手のバットのヘッドが全く下がっていないことが分かりますよね?ペッパーはアッパースイングの矯正だけでなく、バットコントロールや選球眼の向上にも役立ちます。
ただし初心者にペッパーをさせると
- ワンバウンドさせることに意識が行き過ぎて超ダウンスイングになる
- バットを振り抜いて遠くまで飛ばしてしまう
ことがあるので、ワンバウンドを意識しすぎないこと、ミートの瞬間だけ力を入れることを注意させましょう。
アッパースイングを矯正する方法4:ピッチャー側の脇を締める
アッパースイングになっている人は、ピッチャー側の脇がスイング開始と同時に開きます。
もちろん脇を開きながら打つ方法もありますが、アッパースイングの矯正を目的とするのであれば、脇は閉じるべきです。
写真のように、ピッチャー側の脇を締めるイメージを持っておきましょう。初心者の場合、脇を締めることを意識するとフォロースルーが小さくなります。
これはこれで良くない現象なので、手首の使い方やボールの押し込みの練習が別途必要です。
こちらの記事のインコースの打ち方で手首の使い方を紹介しています。バッティング全体にもかかわる大事なテクニックなので、初心者は必見記事です。
ざっとこんな感じかな。グリップの方向は特に重要だから、しっかり身に付けるように!
わかりました。まずはこれから取り組んでみます。
お前たちの先輩ですぐにアッパースイングになる人がいたが、その先輩はペッパーがとにかくできなかった。何が効果的かは分からないから、いろいろ試してみろ。
そうしてみます!
あと、あくまでも結果が出ているのであれば、それでよし。アッパースイングのバッターも最近増えてきたからな。人間の骨格なんて人それぞれだ。
フライアウトを減らしたい…アッパースイングの矯正方法!:まとめ
アッパースイングになることで、バットが外回りしたり、高めが打てなくなったりとデメリットがあります。一方長距離砲に向いているスイングというメリットもあります。
アッパースイングを矯正する前に、まずはそのスイングで結果が出ているかどうかを見極めましょう。
アッパースイングを矯正する方法は「グリップの方向は下方向に出す」「バットの軌道が肩~肩へ」「ペッパーで覚える」「脇を締める」といった方法があります。