ノックは守備力向上必須の練習であり、ノッカーの技量がもろに出る練習でもあります。
が、しかし。これがまた難しい…
狙った所に打てない、打球が遅い、とくに外野フライの打ち方が分からない人もいます。
ノックで失敗すると選手に申し訳ない気持ちになりますよね。
そんな悩めるノッカーのために、ノックが上達する練習を4つ紹介します。
ノックが上手く打てない原因と改善方法
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— 巨人情報@サンスポ (@sanspo_giants) April 14, 2021
ノックでスタンドインは、カッコイイですよねぇ。
でも、なかなかこんなノックが難しい。
ゴロ、ライナー、フライ。さらには打球の強さ。
例えば一言にゴロと言っても、さまざまな「ゴロ」があります。
狙った打球が打てない原因と改善方法をご紹介します。
ノックが打てない原因
ノックを上手く打てない人の原因は、3つあります。
自分の打ち方と比較してみましょう。
- トスが下手
- ミートポイントが近い
- ノックバットを「全力で振り抜いている」
ノックの成功・失敗を大きく左右するのは、トスだと思ってください。
もちろんミートポイントもスイングも大切ですが、トスで半分が決まります。
ノックが下手な人は、大抵トスの位置が安定せず、最適なポイントにあげられていない人です。
また、ミートポイントが近いと、100%の力を伝えられません。強い打球が打てない人は、これが原因です。
さらにノックバットを「全力で振り抜く」人は、打球の方向をコントロールできない人です。
ノックには、ほとんど力が要りません。
トスを上手くするコツ
トスを上手く上げられれば、半分以上ノックは成功です。
そのトスを上手く上げるコツは、以下の2点だけです。
- 滞空時間をなるべく短くする
- 通常よりも「前」のポイントにあげる
滞空時間を短くするためには、上に投げすぎないようにする必要があります。
つまりトスの移動距離(上下方向)をおさえる、ということです。
上下方向の移動幅が長いと、その分目線もブレます。このブレがミートポイントのズレを生むのです。
上下方向にボールを移動させるのではなく、横方向(前)にトスを上げましょう。
こうすると、軽い力で強い打球を打つことが可能です。
子どもに「(ボールを飛ばすには)前で打て」と指導しますよね。
ノックはまさにそれを再現する練習です。泳ぎながら打つくらいでもちょうど良いでしょう。
トスを上げる位置
トスを上げる位置は、フライ・ライナー、はねるゴロ、はねない強いゴロで変わります。
上の図で紹介しているように、フライ・ライナーとはねないゴロは、もはや「ボール」を宣告される高さです。
ノックは通常より、大幅に「前」「上」「下」で打つということですね。
実際、ノックでははねるゴロを打つこともありますが、ほとんどはフライ又ははねないゴロでしょう。
守備力の向上には、はねないゴロを打つ技術が必要です。
地面すれすれで打ちましょう。
投げ手はどちらでもいいが、多くの人はキャッチャー側の手
右打ちならば右手で、左打ちならば左手でトスを上げるのが大多数です。
投げ手はどちらでもいいですが、ノックを打ち慣れている人の大半が、キャッチャー側の手を使います。
こうすると、バットを握っている方の手は、グリップに最も近い部分をにぎります。
その握り手は、スイング時に「バットコントロール」の役目を果たす手です。
ノックはバットコントロールによって左右されるので、グリップ側の手にその仕事に集中させるわけですね。
ノックを上達させる4つの練習
「守備範囲ギリギリ」「しぶいとこ」にノックをするため、やはりノッカーも向上しなければなりません。
そのための練習は、ノックをたくさん打つことも必要ですが、基礎練習も怠ってはいけません。
トスはノック上達で最も大事ですし、これから紹介するのは、バットコントロールを向上させるための練習です。
片手素振り
ノック上達に必要な練習一つ目は、片手素振りです。
やり方は簡単。右打ちは左手、左打ちは右手でスイングしてください。
バッティングはグリップ側の手がコントロール、その上の手はパワーの役割を持っています。
ノックはどちらかというと、バットコントロールが重要なので、片手でノックバットを振れるようにしておきましょう。
片手素振り用のバットも販売されています。
そもそもノックバットは、簡単に飛距離が出る形状になっています。
打球を「飛ばす」ということについては、長さが93cmと飛距離を出しやすい下のノックバットがおすすめです。
肩つけノック
トスを上げる直前、あなたはノックバットを立てて(縦)いますか?それとも寝かせ(横)ていますか?
ノックが上手い人のほどんどは、トスを上げる直前にノックバットを寝かせています。
動画の落合監督も、打つ直前に肩にバットがついているのが分かりますよね。
こうすることで、ボールまでの距離を最短距離で捉えられるので、打ち損じが少なくなるわけですね。
肩にバットの真ん中をつけた状態からスイングする練習をしておきましょう。
八の字
いわゆるバッティングにおけるトップの体勢をつくると、あと使うのはリストです。
ノックが上達しない原因で紹介した「全力で振り抜く」人は、無駄な力を入れている人と思ってください。
ノックで重要な力の入れどころは、リストだけです。リストの力のみでバットを振りましょう。
リストを鍛える練習は、バットを持って八の字を大きく描くだけ。
上の図のように練習すれば、リストを柔軟に、力強くできます。
握力
握力をつける練習を繰り返すと、手先のみでバットが触れるようになります。
お風呂で手をグーパー。
よく言われる握力のトレーニングですが、やってみるとかなりしんどいです。
100回×5セットやってみましょう。
一か月でノックバットを使いこなせるはずです。
置きティー
ノック上達に必須のミート力は、置きティーで鍛えられます。
そもそも動いていないボールを打つことは簡単だと思っていないでしょうか。
実は結構難しいです。
動いていないボールでさえ、うまく打てないのであれば、当然トスされたボールも打てません。
ノック上達の初歩段階の練習として、置きティーをやってみましょう。
ティーの道具については、長く使うものなので吟味しましょう。下の記事に詳しく紹介しています。
一球たろう流効率的なノックの定義は「早くて速い」
ノックはあくまでも、守備練習向上のための練習です。
だからこそノック技術の上達が必要で、一球たろうは効率的なノックを「早くて速いノック」だと思っています。
時間・打球が「はやい」ということです。理想形は7分ノックですね。
待ち時間が短い
例えば9つの守備位置に2人ずつノックの受け手を置いたとしましょう。合計18人。
ノックを打つ→守備が走る→捕球→送球→ベースカバーが捕球
これが一般的な、一人当たりのノックの流れですが、これを18回したとき、何分経過しているでしょうか。
ノックはノッカーが忙しいわりに、一人当たりの練習量が少ないです。
だから、「ノックを打つ→守備が走る→捕球」の時点で、次のノックを打ちましょう。
選手にもそれを事前に伝え、18人が一回守備を行うのに、2分以内で回したいところ。
2分で回すとなると、一人当たりに必要な時間は6秒6。ノッカーも「早く」打たなければなりませんね。
打球が速い
もちろん試合では速い打球があれば、遅い打球もあります。
しかし、速い打球は守備の受け手にとって、このような難しさがあります。
- バウンドを判断する時間がない
- 追いつきにくい
- ゴロの場合低いバウンドなので腰を落とす必要がある
やはり、速い打球の方が守備の集中力が全く違います。
また、ゴロで速い打球=低く地を這う打球です。
軟式球の場合、遅い打球だと跳ねるということ。それはつまり、腰を落とさなくても捕れるということ。
意識的に速いゴロを打たないと、腰を落とす癖がつきません。
回転率が良い
チーム人数が30人も40人もいれば、サポーターも多いため、ノックの回転率は良いでしょう。
しかし、一球たろうのチームのように、10数人となればサポーターがおらず、ノックの回転率が下がります。
そこで一球たろうは、回転率を上げるため以下の工夫をしました。
- ボールを増やす
- ファーストとサードのベース際にボールケースを置く
最終的にノックで使ったボールはファーストかサードに集まります。
それを自分が守備していない間に、ケースを置きにこさせました。
また、当然ながら極力内野と外野を分けてノックをした方が、当然一人当たりのノック数も増えます。
ノック上達のための4つ必須練習!守備力向上のカギはノッカーにあり:まとめ
ノックの上達のためには、以下の4つの練習が効果的です。
- 片手素振り
- 八の字
- 握力強化
- 置きティー
また、トスを上げるコツも押さえておきましょう。ノック上達には必須です。
「最短距離」「ポイントを前」などは、指導者が教える内容とも重なります。
ノッカーも練習ですね。
飛距離が出せるノックバットの検討も進めておきましょう。