この記事では監督としてサインを出す上での、サインの出し方を紹介しています。
試合を動かすのは、選手の自主性と監督のサインです。しかしそのサインの出し方が意外と難しい。一球たろうは監督経験者。
経験者ならではの、サインの出し方の悩みを解決します。

その悩み分かります。野球指導歴10年の一球たろうがご紹介します!
もしもコーチとの関係に悩んでいる監督はこちら。

監督は意外とサインの出し方で悩む?

いっつも俺の悩みは聞いてもらってるんですけど、監督に悩みってないんですか?

そりゃ色々あるけど、監督になりたてのころはサインの出し方で悩んだことを覚えているな。

サインの出し方ですか?

サラっとやっているように見えるだろ?でも、あれはあれで結構大変なんだぞ!
監督って意外とサインを出す時に大変な思いをしますよね。
そもそもサインとは、何を考えて出さなければいけないのか。
- SBOのカウント
- 回
- ランナーやバッターの特性
- 気候やグラウンド状況
- 相手チームの戦況
そしてさらに、サインを出す上で必須の条件がこちら
- 意外と時間がない(5秒程度)
- 相手にバレない
- 自分のチームには100%伝わる
- ほしい結果を出す
そう考えると、監督のサインの出し方はかなり熟練した技が必要です。
では、具体的にどんな大変さがあるのかを見ていきましょう。
(草野球の監督って、審判をするという苦労もありますよね)

監督のサインの出し方で苦労すること
監督がさらっとこなしているサインを出す作業は、いろいろなことを考え、導き出された上で出したサインです。
何のサインを出すか、ということもそうですが、与えられた条件下でどんな苦労があるのか見ていきます。
監督がサインを出す上で苦労すること1:時間がない
バッターがボールを見逃した場合、サインを確認して、ボックスに入り直すまでに大体5秒くらいしかありません。
実際はそのようなルールはなく、長い時間かけてサインを出しても良いのですが、試合のテンポが悪くなります。
そうすると、なんか…雰囲気的によくないのです。「試合の流れ」的なものなのでしょう。
この5秒内に、先述したようなことを考えながらサインを出さなければならないのです。
監督になりたての人は、まずここで苦労します。
監督がサインを出す上で苦労すること2:サインがバレる
相手に伝える作戦がバレないからこそ、サインとしての意味があるのです。
しかしそのサインが監督のサインの出し方一つで、簡単にばれてしまうことがあります。
例えばサインを下のように出したとします。(一緒に考えてみてください)
- 左手で胸
- 右手でベルト
- 右手で口
- 右手でぼうしのつば
そしてバッターが送りバントをしてきましたが、ミスをしました。次のサインが下のように出ます。
- 左手で胸
- 右手で左手の甲
- 右手で右耳
- 右手でベルト
そしてバッターは、再び送りバントをしてきました。つまり、このチームは1発目に左手の胸、または右手のベルトが送りバントのサインだということです。
つまり消去法でサインが導き出されていくわけです。これを相手に悟られずに、いろいろ組み合わせることが監督のサインの出し方には求められます。
実は相手キャッチャーに見られているだけでも、監督にとってはかなりのプレッシャーなのです。苦労しますよね…
監督がサインを出す上で苦労すること3:深読みしすぎる
相手がベテランの監督だったりすると、自分の野球スタイルが読まれていると思ってしまい、深読みすることがあります。
また、警戒しすぎてサインが出せなかったりもあり、相手の監督のオーラに飲まれてしまうのです。
そして結局「あそこであれをすればよかった」となります。とは言っても、サインを仕掛けたときにはそれが読まれていたなんてことも…
とくにランナー三塁の状況から行う、スクイズやエンドランは、本当にひやひやするもの。読まれていたら、どうしようもない作戦ですし、成功するとも限らないですからね。
そんなことを考えていると、サインを出す時間が短くって結局サインを出せずじまいで、バッターが三振になってしまうってことも…
「短く」「的確に」「バレない」監督のサインの出し方
では、これらのサインの出し方における問題を、どう解決していくのか。
大前提としたいのは、「経験こそが物を言う」ということです。身も蓋もありませんが、経験すればサインの出し方は慣れます。
でも明日は大事な試合など、今すぐサインの出し方を変えたい場合は、これから紹介することを意識してください。
監督のサインの出し方1:ゴール(望む結果)を設定する
監督としてサインを出すということは、フリーで打たせることに比べて望んでいる結果が明確です。
例えば送りバントだと、ランナーを次の塁に送りたい。盗塁だと、アウトをやらずに次の塁を奪いたい。といった感じですよね。
今打席に入ろうとしている打者が、ボックスを去るときに「どうなっていて欲しいのか」このゴール(目標)を設定しておくと、結構考えはすっきりします。
もちろん、その目標が変わるかもしれません。送りバントさせようと思っていたけど、ノースリーになったからフォアボールが欲しくなるなどです。
でも、結局ノースリーからワンストライク取られたら、元の送りバントに戻ってもいいのです。つまり、その打席における軸を作るということですね。
監督のサインの出し方2:「実行」のサインを作る
やはり「左手の一発目」や「右手の3発目」などのサインの出し方は、自チームの選手に伝わりやすい分、相手チームも読みやすくなります。
この塩梅がかなり難しいですよね(悪い言い方ですが、記憶力の悪い子どもが多いと苦労します)。
そこでサイン(内容)とその「実行ボタン=パソコンのエンターキーのような」の組み合わせによる、サインの出し方をすると、サインがバレにくく、記憶力の悪い子でもなんとかついてこれます。
例とすれば一発目がサインの内容、最後のサインが実行するかどうか、といった具合ですね。
サインを出している途中に、子どもがサインを見終わる前にこちらに背を向けちゃったりしますよね。勘の良いキャッチャーは、それを見て「この後のサインは意味がないもの」と判断します。
意外とサインの最後に一つ何かを加えることで、サインがバレにくくなるものです。
監督のサインの出し方3:意外とサインはバレていない
一球たろうの経験論ですが、野球は時代と共に変化します。例えば、一球たろうはランナーはガンガン走らせるし、送りバントやスクイズなどのバント系よりはエンドランを多用するスタイルです。
一方昔のいわゆる「スモールベースボール」が好きなベテラン監督もいます。つまり、時代の変遷とともに考え方も多様化いるのです(かと言ってスモールベースボールは勝てるチームという印象)。
その多様化した考えが、ピッタリ分かるわけなんてありません。むしろ深読みして、ベテラン監督のやり方を考えようとすると、相手監督の波長や野球スタイルに自分の考えが染まってしまいます。
こうして、サインが読まれてしまうのです。そういったところでも、選手を信用するということがためされているのかもしれません。

ほー。監督もサイン一つにいろいろなことを考えているんですねー

まあ、冒頭でも伝えたように試合を経験していくと、慣れてくるけどな。ただ、準決勝や決勝ともなってくると、変に意識してしまうからな。そうならないためには、結局準決勝、決勝に進出する経験が大切だってことだ。

俺が監督にその経験を何度もさせてあげますよ!

心強い言葉だな!頼んだぞ!
監督の「サインの出し方」徹底研究!バレないサインの出し方とは?
監督がサインを出す上で、「時短」「バレない」「自選手は理解」「ベテラン監督のオーラ」という難しさがあります。
- 時短:サインを出す際に、そのバッターがボックスを去るときに望む状況・結果を設定する
- バレない・自選手の理解:サインの最後に「実行」のサインを作る
- 相手監督:自信もってサインを出す。オーラに騙されるな
監督のサインの出し方一つで、ゲーム展開は大きく変わります。明日の試合が大事だということは、相手監督の考えを深読みしすぎてしまうかもしれません。
自信もってサインを出してください。