先日ある記事を見かけてびっくりしました。
「学童野球で盗塁が禁止されることに賛否が巻き起こっている」。
野球というスポーツそのものも変化しかねないこのルール変更。
ただ、初心者ばかりのチームを率いた経験がある以上、盗塁に苦しめられる理由も分かります。
その背景や改善策について考えてみたいと思います。
学童野球で盗塁が禁止されている
うーん。盗塁をされてばっかりで、ランナーを出せばいつも得点圏に進まれる。どうしたものか。
そんな君に朗報だ!盗塁が禁止されたらしいぞ!
盗塁が禁止!?いやいや、まさかそんなことはありえないでしょ!
もちろん全世代ではないが、世の中でも賛否が分かれているらしいぞ。
学童野球の大会では、盗塁禁止ルールを設ける大会がちらほら出ているようです。
文字通り、ランナーになると走ることは許されません。
「と、なると野球そのものが大きく変わってしまうのでは」と思う方もいるでしょう。
全世代というわけではありませんが、これには、選手の負担減という目的があるようです。
盗塁が禁止されるようになった理由
盗塁が禁止された理由は、キャッチャーの負担軽減のためです。
まだ身体のできていない小学生低学年にとって、本塁から二塁までの32.52mの距離を投げることは負担が大きいです。
結果として、試合ではランナーが出る=盗塁というワンサイドゲームが展開されることもあります。
しかし、キャッチャーにとっては送球をしないわけにもいかないので、結果として多投してしまいます。
これが小さな子どもにとっての負担になるため、盗塁禁止ルールを設ける大会が出たということですね。
盗塁が禁止されることで考えられること
盗塁が禁止されることで、考えられること。
もはや、野球というスポーツの根幹が変わることだと言えるでしょう。
メリット
- 試合展開が早くなる
- キャッチャーの負担が軽減する
デメリット
- 得点しにくくなる
- 足を絡めた作戦もできなくなる
試合展開は間違いなく早くなるし、ワンサイドゲームのようなだらだらした展開にはなりにくくなります。
一方、得点を取るための作戦が少なくなるし、単純に打ってなんぼの野球になるでしょう。
ネットで聞かれる盗塁禁止についての賛否
まずは盗塁禁止について、どのような意見があるのか見てみましょう。
賛成派
- 勝利至上主義の弊害
- バントや盗塁を多用したとしても選手自身の成長にはつながらない
- 野球を楽しむことを第一優先にすべき
小学生は変化球禁止だし、盗塁禁止でもいいと思う
盗塁自体が怪我のしやすい行為だし、キャッチャーの肩を守る意味もあるし、牽制も減るから投手の肩も守れる
練習は出来るし、試合でやるのは禁止にしてもあまり問題ないと思う
野球の本質から言ったら、盗塁禁止より変化球禁止の方がよっぽど壊れてる— テンペスト (@fiction0111) January 24, 2023
反対派
- 禁止にするのはおかしいが、始動時の声かけは再考する必要がある
- 野球が野球ではなくなってしまうよね!盗塁禁止にしてしまうと!
- 足が速い子の持ち味が活かせなくなる
つまり、盗塁禁止になった場合「油断」「慢心」という学びを得る機会損失にもなってしまうという。
— 東丈 (@azumajoo) January 24, 2023
他のルールを変更派
- 二盗を禁止し、三盗は可能とする
- ソフトのようにリード禁止とし、盗塁は可能とする
- 塁間を短くする
少し乱暴にまとめると、賛成派は「楽しいと思える形に」、反対派は「走攻守の走がなくなるのはちょっと」といった感じでした。
ただ反対派の多くでも「成長や能力に応じた何かをした方が良いよね」という意見が多数でした。
初心者チームを率いた経験からみる盗塁禁止
一球たろうは、超初心者中学生10人チームを率いた経験があります。
中学生であるため、学童野球よりはるかに相手チームとの差があるような状況でした。
その中で考える盗塁禁止ルールは、回数制限を設けることが最善の手ではないかと考えます。
二塁はフリーパスのチームを率いて
一番遠投ができる子でも50~60m程度。
中学生のグランドの広さでキャッチャーをするならば80mはないと、なかなか刺せません。
その子をキャッチャーにしていましたが、ランナーが出れば二塁はフリーパス。
盗塁され放題だったので、一球たろうは点差が5点以内のときは二塁送球、それより差が開けば盗塁は無視にしていました。
ある程度実践で送球していないと、肩は強くならないし、フットワークや体重移動は身につかないと思ったからです。
ついでに約1年は同様の状況が続きましたが、1年間でそこそこ刺せるようになりました。
個人的には禁止にしなくても良いと思う
キャッチャーの子は大変勤勉で、よく腐らず続けてくれました。
しかしやはり一試合に何度も盗塁されるのは、やられる側としては気持ちよくありません。
「ちょっと手加減してよ」と思うこともありました。
ただ、キャッチャーの負担のみを考えるならば、やられる側の監督次第で調整できます。
投げすぎだと思うなら、投げさせなければいいし、盗塁そのものが禁止となると、自チームも盗塁ができません。
初心者ランナーたちはどこでピッチャーとの駆け引きを覚えればよいのでしょう。
ピッチャーとの駆け引きや流れを読む力が必要な盗塁。
低学年のうちに学べる感覚は、学んでおくべきだと考えます。
より良くするための盗塁ルールの提案
確かにキャッチャーに投げさせなければ、キャッチャーの負担はなくなります。
ただし、二塁をフリーパスにしてしまうので、ワンサイドゲームになる可能性はより高くなるでしょう。
そこで、盗塁に回数制限を設けるのはどうかと思うのです。
例えば盗塁を仕掛けることができるのは、1イニングにつき1回までとし、失敗すればもう1度できる。
ワンサイドにもならず、野球の本質を崩すわけでもなく、バランスは取れるかと思います。
もちろん、学童野球のみという条件も入れた方が良いでしょう。
・・・いや、経験上中学生にも入れてほしいかも。
いやー。昔は大変でしたね。
あの時盗塁禁止にでもなっていれば、きつい思いをせずにも済んだかもな。ただ、経験としては良かったんじゃないか?
正直、刺せる自信がなかったし、身体よりも精神面がきつかったです。またやられる、と。
でも、今はよく刺せるようになったな。
初めてランナーを刺したとき、これか!!って思いました。それから一気に感覚つかめてきましたね。
負担をかけず、でも経験も重ねたい。相容れない二つだが、折り合いをつけていかないとな。
盗塁禁止ルールが導入!?学童野球に見られる問題と改善策を考える:まとめ
キャッチャーの負担を軽減するため、学童野球の低学年の大会で、盗塁を禁止するルールを設けていることがあるそうです。
「野球は楽しい」と「野球の本質」の両立を探るべき時期に入っているようにも思えます。
個人的には、盗塁を禁止することはなく、学童野球では1イニングに1回などの制限を設けることが良いと考えます。
いずれにしても、盗塁の是非についてより良いルールがつくられることを期待しましょう。