この記事では、野球が強いチームと弱いチームの見分け方を「試合前」に注目して紹介しています。
試合前のあれこれで相手チームの強弱はある程度分かります。その情報は、作戦を組み立てる上でも非常に有効です。
監督としての観察力を身に付けて、相手の痛いところを突く作戦を練りましょう。

この記事は主観性の強い記事ですが、野球指導歴10年の一球たろうの経験と勘に基づいてご紹介します。
強いチームと弱いチームは試合前から差が出る!

うわ。向こうのチームのブルペン、めちゃくちゃすごいピッチャーがいるな…今日は打てないかな…?

大丈夫。おそらくあのピッチャーは、セットに入る状況になると球が浮つくぞ!

え?何で分かるんですか?

ミスターお山の大将って感じだろ?あの手のピッチャーはランナーがちょろちょろしていると、牽制が多くなってムキになりやすい。それを抑えさせるキャッチャーでもないしな…

…?どういうことですか?
試合前のさまざまなところで「強いチーム」と「弱いチーム」の差が出ています。監督として、子どもの親として、そこを見抜く力があれば、アドバイスが変わってくるものです。
多くの点で強いチームと弱いチームに差が出ますが、一番明確に分かるものを下に4つ紹介します。
- 道具の整理整頓
- 規律・キャプテンのリーダーシップ
- キャッチボールにかける時間と捕球から返球にかかる時間
- 選手の声のバリエーション
一つずつ解説していきます。
強いチームと弱いチームを見分ける視点1:道具の整理整頓
強いチームと弱いチームを見分ける上で、誰もが「そんなの当然じゃん」と思うのが道具の整理整頓。
しかし、その「当然じゃん」。本当にできていますか?
見分けポイント1:バットやヘルメットは当然
見分けるポイント1は、バットやヘルメットが並んでいるかどうか。
道具を整然と並ばせることは当然です。中でも一番当たり前にこなせてなければいけないのが、バットとヘルメットが整然としているかどうか。
この二つに関しては、出来ていて当然です。もし、できていないのであれば、間違いなく「弱いチーム」です。
安心して試合してください。絶対にボロが出ます。
見分けポイント2:グローブの置き方
見分けるポイント2、相手チームのグローブはどのようにベンチに置かれているでしょうか?
グローブを横にして「ぺちゃ」とさせているチームは結構います(ボールを入れているなら、話は違いますが)。
きちんと縦に置いて、型が崩れないようにしているチームは強いです。
ここで気を付けたいのは、それを「チーム全員」が実施しているかというところ。
ここまでなると、意外と自分のチームでもできていないことに気付きます。
(この項目の最初のグローブの写真で「このグローブの置き方だめじゃん」と思った方、正解!!フリー素材で「野球」と検索するとこんな置き方した写真がよくある。使わせてもらっておきながらだけど…絶対野球の道具への愛がない人だよね…?)
見分けポイント3:バッグはすき間なく並んでる?
選手が持ってきているバックはすき間なく並んでいるかどうかは、見分けるポイント3ですね。
正直、道具は監督としても目に付くところですが、全体的にバッグがすき間なく並んでいるかどうかは目につかないこともあります。
でも、間違いなく強いチームは、バックがすき間なく並んでいます。
強いチームと弱いチームを見分ける視点2:規律・キャプテンのリーダーシップ
これも正直当然と言えば当然。監督を中心として、試合前に規律ある行動ができているかは、分かりやすい見分けポイントです。
でも、大抵監督はグランドに現れてすぐに相手チームの監督さんのところへ挨拶に行きます。
その時チームがキャプテンを中心に動いているかは、重要な視点です。
見分けポイント1:道具を整理しているときのキャプテン
ベンチに到着すると、おそらく道具を出して並べ始めます。
その際に、キャプテン(らしき選手?)が「早くしろ」や「ちゃんと並べろよ」など声をかけているかどうかが見分けポイントです。
キャプテンが監督になり替わって指示を出しているチームは、かなり強固です。やはり、チームを一つにまとまるには、キャプテンが重要。
キャプテンがリーダーシップを発揮するチームは、どんな場面でも動揺しにくく崩れないイメージがあります。
見分けポイント2:副キャプテンの方がキャプテンよりうるさい
強いチームにするために(個人的に思っている)、副キャプテンの存在はかなり大きいです。
キャプテンより副キャプテンの方が声掛けするチームは、めちゃくちゃ強いイメージがあります。
なぜなら、キャプテンの一党独裁ではないという証明だからです。大体の監督は、チームに影響力が大きな人物をキャプテンにします。
そのキャプテンの意思を汲んで副キャプテンが動くチームは、まさにチームで動いているということ。
つまり監督の意思をキャプテンが、キャプテンの意思を副キャプテンが汲むチームは、「崩れない」し「言葉が無くても意思伝達できるチーム」ということですね。
強いチームと弱いチームを見分ける視点3:キャッチボール
これまでは、規律やチームの雰囲気にまつわる説明をしてきました。
ここからは、相手チームの雰囲気だけでなく、個の力も見分けていく場面になります。
キャッチボールは、強いチーム・弱いチームを見分ける上で、僕が最も注目しているポイントです。
(キャッチボールは本当に大切な練習です。もう一度キャッチボールへの取り組みについて、見直してみませんか?)


見分けポイント1:捕球から返球にかかる時間
「キャッチボールが上手いチームは強い」。これは僕の持論です。
では「上手い」とは何なのかと言うと、もちろん球の速さや正確さもそうですが、一番は「捕球から返球にかかる時間」だと思っています。
弱いチームは一人ひとりがボールを持っている時間が長いです。
一方強いチームはボールを持っている時間が短く、キャッチボール全体の時間も短く切り上げます。
単純な話で10秒に1球投げるチームと、10秒に2球投げるチームでは、2倍の差がつきますよね。
さすが全国有数の強豪校。一人が長い時間ボールを持ち続けていません。弱いチームだと、一人が10秒も20秒もボールを持ち続けています…
見分けポイント2:一球一球に意味を持たせる
キャッチボールは守備を鍛える上で、最も大切な練習です。だからこそ、一球一球に場面を想定して取り組んでいるか否かで、強いチームと弱いチームの差が出ます。
- 肩慣らし
- 内野手のようにすぐに持ち替え、ステップを踏む
- (遠投なら)外野手のようにフライやゴロに入り、送球までこなす
- わざとショートバウンドでさばく
キャッチボールではいろいろな練習ができます。その一球一球に、自分が苦手なことや動きの確認をするチームは、強いチームですね。
先ほどの大阪桐蔭のキャッチボールでも、野手として想定されるいろいろな動きをしているのが分かると思います。
強いチームと弱いチームを見分ける視点4:声のバリエーション
ジュニアを指導していて思うのは、「弱いチームほど声のバリエーションが少ない」ということです。
ジュニアでよくありがちな声「こ~~い」。僕はこれは全く意味がないと思っています。
もちろん全体の雰囲気は締まるのですが、声が出ているその時だけ。「どうせならもっと考えて、いろいろなこと言おうよ」と思います。
相手の送球が曲がっている、バント失敗したのはここができてないから、コントロールがつかないのは「今日は」こうなっているから、とアドバイスし合うチームは強いです。
それだけ考えながら練習をしている証拠ですね。

監督たちっていろいろなところを見ているんですね。

監督同士で談笑しているだけと思うなよ。談笑しながらも、相手選手のいろいろな探り合いもしているんだ!

へ~~~~

このように紹介したはいいが、書いていて俺も「自分のチームは徹底できていないな」なんて思っているかな。習慣づけることはなかなか難しものだ…
試合前から分かる!野球が強いチームと弱いチームの見分け方:まとめ
野球においては、試合前の情報で強いチームか弱いチームかはある程度の見分けがつきます。
強い・弱いを見分けるには、道具の整理整頓や規律・リーダーシップといった当然のこと。そして、キャッチボールや声のバリエーションといったものが、視点として挙げられます。
当たり前のようですが、自分のチームを振り返ってみるとできていないことの方が多いものです。
目標に対して60点で満足せずに、100点、文句がつけられないところまで習慣づけし、レベルアップすれば強いチームになった証拠でもあります。