この記事では、ランナーへのタッチ「安全」「確実」にする仕方、さらには審判を「ダマす」ことのできるタッチの仕方を紹介しています。
ランナーへのタッチ(タッグとも言う)のとき、「タッチが弱い」と言われたから、強くやろうとしたら「グローブや指を踏まれた」。
初心者内野手に多い、タッチの仕方の悩み。タッチを「安全」「確実」にやり、さらには審判を「ダマす」こともできる方法があるのはご存じですか?
野球指導歴10年の一球たろうがご紹介します!
誤ったタッチの仕方はもったいない結果を生む
いってぇ~~~~!指踏まれた~!!
すまん。普通にスライディングしたつもりなんだが…
指を踏むということは、お前が足のつま先を立ててスライディングしてるからだろうが、タッチの側もうまくかわす仕方を学んでおかないとな。
とは言っても、どうすればいいんでしょう。
よし、それじゃ今回はタッチの仕方について学んでいこう
タッチの仕方を誤ると、痛い思いをするだけでなく、ボールをこぼすとランナーはセーフになりす。とくに初心者に多い、誤ったタッチの仕方はこちらです。
- (ランナースライディング時)グローブをいつまでもランナー(ランナーの足)に当てたまま
- (ランナースライディング時)ランナーをかわそうとお尻を引いてタッチする
- (ランダウンプレー時)両手でタッチをする
このタッチの仕方をしていると、最悪指をケガする、またはボールがこぼれてランナーがセーフになります。
今すぐタッチの仕方を改善しましょう。
スライディングしてきたときのタッチの仕方
まずはタッチプレーで、一番起こりやすいスライディング時のタッチの仕方を見ていきましょう。
この中に、審判を「ダマす」タッチの仕方も紹介しています。
タッチの仕方①:グローブのどこでタッチするか?
タッチの仕方でまず見るべきは、グローブのどこでタッチしているか、です。
写真で表示した、グローブの指の裏側とも言うべき部分でタッチしましょう。この部分でタッチするということは、タッチしたときにグローブが閉じる方向に指が動きます。
つまり、ボールがこぼれる可能性が低くなるのです。グローブからボールがこぼれるほとんどの場合が、ランナーの体の一部が、グローブの開く側に入り込んだ場合ですね。
あとは故意にグローブを蹴る、叩くなどした場合。この場合、審判が守備妨害を取るので考えなくて良いでしょう。
タッチの仕方②:いつまでもタッチし続けない
初心者がよくするタッチの仕方に、グローブがランナーに触れているのに、そのままグローブを動かさない(体につけっぱなし)にしている場合があります。
とくにスライディングしてきたときは、どう考えても腕はランナーの勢いにぶっ飛ばされ、はずみでボールもグローブから出ていき、最悪の場合手を怪我します。
こちらのプレーは完全にアウトで、サードの選手はベースと足の間にグローブがあることをアピールしています。このおかげで、完全にアウトだと分かりますが、ケガ防止の観点からは危険なタッチの仕方です。
タッチの仕方③:捕球後はすぐさまベースの前に、そしてすぐさまアピール
審判を「ダマす」タッチの仕方がこちらです。
- 捕球に備えて低い姿勢
- タッチにいきながら捕球
- ランナーの足を払いのけるけるように素早くタッチ
- すぐさまグローブを上にあげて審判にアピール
- 「アウト」の大きな声
よほどランナーが遅ければ、「ここでタッチ!」の部分でグローブを止める必要がありますが、そうでなければ流れ作業のように、タッチへいく動きを流してください。
このやり方で、強く審判にアピールすると本当はランナーがタッチをかいくぐっていたとしても、うまくアウトにしてもらうことができます。というか、一球たろうはそれで何度も審判をダマしてきました。
時にはランナーが「今空タッチでしたよね?」と、一球たろうに確認に来たほどです。もちろん「うん」と素直に言いましたが。(もちろん審判には聞こえない声で)
素早くグローブを上げるため、手をケガする心配もなく、安全で確実で、審判をダマすことのできるタッチの仕方だと言えます。
ランダウンプレー(挟殺プレー)でのタッチの仕方
ランダウンプレーのタッチの仕方は、どちらかというとボールを取りこぼさないための方法だと考えてください。
よくあるパターンとすれば、ランナーの走る勢いに腕が巻き込まかれ、ボールを落とすパターンです。
ランダウンプレー時のタッチの仕方①:両手
基本的に両手でタッチしようとすると、射程が短くなり、タッチをかいくぐられる可能性があります。
しかし走るランナーをタッチする場合(とくにランナーが向かって来ている場合)、届く範囲であれば両手でのタッチの仕方が安全です。
その際は、投げ手でグローブの入り口を押さえましょう。
しかし、最初から両手でタッチをするつもりでいることは避けてください。腕が触れず追いかけるスピードが落ちます。
ラウンダウンプレー時のタッチの仕方②:100%タッチできる場所まで全力で
ラウンダウンプレーで追いかけるときに、早くタッチしたいために、手を伸ばしながら走る人を見かけます。
このタッチの仕方では、当然走るスピードが落ちるのは簡単に予測できます。結果として、ランナーとの距離が変わらないのです。
そうこうしているうちに、ランナーがベースにたどり着き、セーフになってしまうことも。
これを防ぐには、まずは「全力で走る(追いかける)」ことを大事にしましょう。完全にランナーに追いついたら、(追いかける場合は)片手でランナーの背中を押すようにタッチします。
もちろんタッチした直後に審判へのアピールは忘れずに。多少届かないことがあっても、アピールすれば審判をダマすこともできます。(見抜かれる場合も考えられるので、あまり多用しないよう)
牽制球を受けたときのタッチの仕方
内野手が牽制を受けたとき「タッチがしにくい、何か良いタッチの仕方がないものか」と思うことがあります。そう思う人に聞きます。
「あなたは右利きですよね」?
牽制球のタッチの仕方①:ベースをまたぐ「あと一歩」
右利きは、左にグローブをはめており、牽制を捕球後タッチにいくとき、本来体の左にある腕を右側にやる必要があるため、タッチしにくく感じます。
それを改善するタッチの仕方は、ベースをまたぐことです。
セカンドやショートの選手はやりやすいでしょう。サードもピッチャーが牽制してきた瞬間に、一歩後ろに下がってベースをまたぎながら捕球しましょう。
このタッチの仕方をするだけで、各段にタッチのしやすさが変わります。しかし、最初からベースはまたがないようにしてください。ヒットゾーンを広げてしまいます。
(もしもあなたがサードなら、この記事も見てほしい)
牽制球のタッチの仕方②:左足を少しランナーへ向ける
ショートやセカンドは、ベースをまたいで牽制球を捕球し、タッチしやすいですが、サードは少し難しいです。
でもサードより、もっとやりにくいのがファーストです。基本的にファーストは、ランナーを抱えた場合ベースに張り付き、そのまま牽制球を捕球するので足が動きません。
そんなファーストでも、タッチしやすくなる仕方が、左足をランナーの方向に向けることです。
基本的に牽制球を待つファーストは、ピッチャーに対して正対する形で構えています(悪送球に対応するため)。
ピッチャーが牽制を投げた瞬間、自分の体の右側にボールが来たと判断できた瞬間、左足を少しランナー方へ移動させましょう。
このタッチの仕方、足の移動をするだけでかなりタッチのしやすいさが変わります。
もちろんファーストだけでなく、サードでも同様のことも起こり得ます。
(もしもあなたがファーストならば、この記事を見てほしい。一球たろうと同じファーストとして…)
タッチの仕方一つで、こんなに奥が深いものがあるんですね。
いかに安全・確実にタッチするかが大切だ。結局この二つを求めていくことが、タッチのしやすさにもつながるぞ!
それにしても審判を「ダマす」なんてちょっと…
これはむしろ「技術」と考えるべきだろう。キャッチャーだって、ギリギリの「ボール」を「ストライク」に見せるキャッチングをするだろう?同じように、セーフをアウトに見せる技術もあるってことだ!
安全かつ審判を「ダマせる」タッチの仕方!3つのパターンで紹介:まとめ
パターン | タッチの仕方 |
スライディング時 | 強く払いのけるように、すぐにグローブを上げてアピール |
ランダウンプレー(挟殺プレー) | (ランナーが向かってくる)両手でタッチ |
(ランナーを追いかける)100%タッチできる位置まで全力走 | |
牽制球 | ベースをまたぐ、または左足をずらす |
タッチの仕方一つで、プレーの結果は大きく変わります。
より安全、確実なタッチの仕方が習得できたときには、いつの間にかタッチにいく恐怖も消えているはずです。