この記事ではサード初心者にこそ必要な能力や守備練習、基本的な構えが紹介されています。
サードはもうとにかく怖い。ジュニアでは右バッターが多いので、速い打球が飛んできます。
バント処理、一塁送球、ベースカバーとやることたくさんで頭がいっぱいです。
この記事では、その悩みを解消するサードを守る上でのコツを紹介します。
野球指導歴10年の一球たろうがご紹介します!
サードを任せられる選手はこんな人
監督。俺いっつも外野ですけど、たまには内野してみたいです!
今後の成長と考えると、今練習しておくのもいいかもな。それなら…サードやってみるか。
なんでサードなんですか?
お前意外とどんな打球でもさばくよな。イレギュラーでも。肩もあるし…あとはステップかな?
よくわかんないんで、詳しく教えてもらっていいですか?
よし、じゃあ今日はサードをテーマに教えていこう!
サードの守備をする上で、必要な能力はこちら。
- 肩が強い
- コントロールが良い
- ハンドリング(グラブさばき)がうまい
- ゴツい
- バッターを研究して良い守備位置を取る
サードはファーストと最も距離が遠い守備位置のポジションです。
そのため、長い距離を投げられる肩の強さは必要です。それに加え、コントロールもいるでしょう。
また、バッターの強烈な打球が多い=足を使う時間がない=ハンドリングが上手い、選手が向いています。
ときには、身体で止める必要もあります(ゴツいとケガしない)。
さらに打者のパワーやバント処理が上手くないといけないので、良い守備位置を取れる選手はサード向きです。
サードを鍛える守備練習はノックだけじゃない
サードのみならず、守備練習においてノックは欠かせません。それは肝に銘じておきましょう。
正直ノックをたくさん受けると、自然と守備は向上するし、スローイングもさせると肩も強くなります。
ただしノックは全員ですると、意外と効率が悪い。
9人守備位置につけて、1時間やっても一人当たり20~30球程度でしょう。
逆シングルオンリー&シングルオンリーキャッチ
ハンドリングを鍛えるために、逆シングルのみまたはシングルキャッチのみで捕球する練習をしましょう。
- 両膝をついて準備
- 相方が腰より下にボールを投げる(右・真ん中・左投げ分ける)
- 逆シングルまたはシングルのみでボールをさばく
サードの守備では、足を使わなくてもさばく能力が求められます。
もちろん足を使ってボールを捕球しやすい位置を取ることが鉄則ですが、速い打球には間に合いません。
そのときハンドリングが求められます。
さらに通常はシングルで捕球しようと構えますが、逆シングルの位置を打球が通るのに、手首をひねる時間さえないことも…
胸の下あたりの、捕球しにくいところにも打球は飛んでくるでしょう。
どんな捕球体勢でもハンドリングで捕球できる能力がサードを守る上で重要だ、ということです。
反復横跳び
ハンドリングのみでは、もちろんサードに飛んでくるすべての打球に対応できるわけではありません。
俊敏かつ身体の正面に打球コースを置けるよう、左右に素早く移動できるよう反復横跳びを練習しましょう。
とくに速い打球の場合に有効です。
後述しますが、その際に腰少し落とした状態で移動できるようにしましょう。
塁間のスナップスロー
スナップスローはサードと言わず、すべての守備選手において重要なスローイングです。
とくに捕球から送球までの速さを求められる内野手においては、サイドから放つスナップスローが重要。
と、ここまでは内野手の話ですが、サードとなるともう一つ大切なことが…
それがファーストまでの距離の長さです。
スナップスローができるだけでなく、球の速さも重要ということです。
これを鍛えるため、塁間でスナップスローを練習しておきましょう。やってみると結構しんどいです。
とくにバント処理で役立ちます。
ファーストに防球ネットを設置
サードはコントロールが求められる内野手です。
- 守備範囲のどこかにボールを置く
- ステップを踏んでボールを捕球
- ネットに向かってスロー
ボールがネットの向こうに逸れたら、あとで拾いにいきましょう。
その時、ボールとボールの間を全速力で走る(ステップ)するようにしてください。
サードの守備で必要な、一歩の速さを練習できます(もちろん内野手すべて共通です)。
全速力のボール拾い
一球たろうは、練習中の指導の一つに「ボール拾いは全力疾走」を徹底しています。
例えばバッティング練習は、複数人でやればボールが散らかるものですよね。
先述しましたが、そのボール拾いにおいて全速力でやりましょう。
- 練習の時短につながる(時間の効率化)
- 初速スピードを上げられる
- 腰を落として拾わせれば、内野手としての構えと移動の両方を習得できる
はっきり言ってボール拾いを全速力でやることは、メリットしかありません。
指導者は常に「ボールとボールの間のたった1mを大事に」を声かけしてください。
「走れー」ではなく「1mを大事に」と声かけすることが肝です。
サードを守るときにやっておきたい構え
サードを守るときに注意すべきことは、打球が速い可能性があるということ。
しかし、バント処理やボテボテのゴロの場合もあります。
打球が速いだけならサードの構えは低い方が良いでしょう。しかし、速いスタートが求めらることもあります。
構えが低いだけではスタートが遅くなります。では、どういう構えが良いのでしょう。
- グラブ:小さく前へならえの位置で手のひらをバッターへ向ける
- 上半身:気持ち前傾姿勢(「遠くにあるあれは何だ~」と覗き込むときくらい)
- 膝:軽くジャンプして着地したところの角度(プレジャンプするのが良い)
- 足:左足が右足より若干前
よく内野手は「低く構えろ」と言われます。はっきり言って、それは捕球するときのみの話。
スタートの速さが速く、速く低い打球にも対応できる構えは、上記の構えです。リラックスが大切です。
下の画像はプレジャンプの基本です。
下の記事内にプレジャンプの詳細が書かれています。守備力を上げる上で、超重要・超必見です。
サードの守備位置が試合を救う
サードの守備位置の良し悪しは、試合の流れを左右する「最初の一人のランナー」を決めます。
最終回ツーアウトからセーフティバントを決められると、大体逆転のフラグが立ちますよね。
ランナーが大事というよりは、誰も考えもしなかったプレーが流れを変えるからです。
そのような流れを断ち切るのには、サードの守備位置が関わっています。
サードの守備位置のセオリー
力がない打者・バントしそう・足が速い打者は「前」、力がありそうな打者は「後ろ」。
サードの守備位置のセオリーです。
- 「後ろ」:二塁と三塁を結んだ線上の三塁から2m横くらい(ジュニアの場合)
- 「前」:後ろよりも2m前方
これを基本として、バッターのクセや調子を考慮して調整しましょう。
三塁線を締める位置取りの罠
よくジュニアでは「三塁線をしめろ」と言われますが、一球たろうはそれは嫌いです。
確かに三塁線を抜けると、内野ゴロなのに長打コースになります。
しかし考えようによっては、三塁線に守備位置を取ることで、三遊間が広くなります。
また、三塁線の向こう側は「ファール」なのです。三塁線を締めても、レフトがいます。
ジュニアの打球がレフトが追いつかないほど速いのは、なかなかないでしょう。
とすると、三塁近くに守備位置を取るよりも、ワンヒットを防ぐ方が効率的だということが分かります。
サード初心者は基本「前」
怖いかもしれませんが、まだまだサードとしての守備力が高くないならば、守備位置は前にしましょう。
- 速く捕球した方がステップが遅い・肩が弱くても速くボールがファーストに届く
- ファーストまでの距離が長い
- ショートがカバーする
サードの守備経験が浅いなら、とにかく速く捕球できる守備位置を取りましょう。
肩が弱い・ステップが遅いという弱点があっても、バッターをアウトにできます。
ボテボテのゴロを横を抜けても、ショートがカバーに入ります。バント処理にも困りません。
サードの定位置を、二塁と三塁のオンラインとすると、そこから5m前です。
サードの守備練習や位置・構えのコツ!サード初心者はこれを見ろ!:まとめ
サードの守備力を上げるための守備練習は、「オンリーキャッチ」「塁間スナップスロー」「反復横跳び」です。
もちろんノックは非常に有効ですが、個人練習でも守備力を鍛えておきましょう。
サードを守るときの構えは、低くなり過ぎないリラックスした構えが大切です。「内野は低く」を過信しないでください。
サードの守備位置は、二三塁線を結んだ、ベースから2mの位置です。
しかし、サード初心者ならそれよりも、5m前を守るようにしましょう。