この記事では、子どもの野球レベルを上げて、野球を上手くさせたい人に贈る「裸足」がもたらす効果について紹介しています。
野球を上手くさせたい…
そりゃ野球をやっている子どもを見ている人はそう思います。でもどこからやればいいか分からないですよね。
まずは裸足で歩いたり、外を走らせたりしてみましょうか。

野球指導歴10年の一球たろうがご紹介します。
野球って意外と足裏の感覚が求められる

監督は子どものころどんな子どもだったんですか?

ん~~~毎日遊びまわってて、アスファルトでなければ結構裸足で走っていたな~

ええ?裸足危ないんじゃないですか?

まあ、そうだとは思うがな…でも体力測定の時なんかは、裸足の方がタイムが良かったもんな~子どものころから、裸足だったおかげで野球にもつながっていた気がするぞ…

ええ?裸足と野球の上達にどんな関係があるんですか?
子どもの野球の上達と、裸足には大いなる関係があります。
厳密で言うと、子どものころに裸足で足の裏の感覚や指の力を発達させることが、野球においても深い相関関係があるということです。
バッティングやピッチングなどでよく「母指球が…」なんてこと言われませんか?
母指球とはちょうど、足の親指の付け根当たり。バッティング時は、この母指球を視点にして内股を意識すると下半身が安定するもの。
その母指球の感覚を敏感にするためには、母指球からの関節をしっかり曲げることや、指で地面をつかむ感覚が必要です。
つまり裸足で足裏の感覚を養うことで、より野球の上達につながるということです。
感覚神経は子どものころに発達する
引用:白石豊他「どの子ものびる運動神経」かもがわ出版
こちらは、子どもの発達曲線を表した図です。
図の中の神経系が全身に張り巡らされた神経の発達曲線で、私たちが一般に呼ぶ「運動神経(一般的な意味)」の良しあしを決めるものです。
年齢が低いときに、急激に発達していることが分かります。いわゆるゴールデンエイジというものですね。
この時期に足の裏の感覚を養えば、当然「地面を感じる」足の神経になるわけです。
その感覚は、野球上達に必要な感覚です。それは一球たろうの教えていたチームの、スパイクの中敷きからも分かりました。
足が速い子どもと遅い子どもの足裏感覚の違い
足が速い子(50m6秒7)と遅い子(50m8秒1)のスパイクの中敷きを比べてみました。
すると、足が速い子の中敷きは親指と母指球が位置する場所の穴が、異常に深く、穴が開いていることもあります。
一方足が遅い子の中敷きは、どちらかというと全部の指跡のバランスが良く、統一されています。
これをチーム全体で見てみましたが、やはり足が速いと思われる子は、母指球と親指の位置の中敷きががっつり食い込んでいました。
つまりは、足の裏でしっかり土を掴んでいる感覚があり、その力が強いということでしょう。
実は以前から、一球たろうの考えの中にも「裸足の感覚を養うと、絶対上手くなるよな」と思っていたので、この結果には驚きました。
裸足で足の裏の感覚を養うことのメリット
では、具体的に裸足になって足の裏の感覚を養うことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
見ていきましょう。
スタートの一歩目の違い
何度も言っているように、足の裏で地面を掴む感覚は非常に大切な感覚です。
その感覚を活かして得られるメリットの一つに、スタートの一歩目の爆発力が変わる、というものがあります。
地面を掴んでいるということは、深く地面に対して力を入れられているということです。
理科の授業等であったと思いますが、足の指先と地面との接点が変わらないということは、指先で押し込んでいる分、地面からの力も同じだけ反発しているということ。
以前紹介した、プレジャンプの効能の記事内にある図です。(以前の記事というのがこちら)

地面からの反発する力を利用することで、一歩目のスタートの爆発力が自分の脚力+地面の反発力になります。
裸足で足裏の感覚や力を養えば、それだけ地面からの反発力も大きくなり、スタートダッシュが変わるということですね。
バッティングにも応用できる
バッティングでも、地面の反発する力を利用することができます。
特に構えたとき、ほとんどの人が「若干内股」で構えますよね。そうすることで、膝のクッションができ、パワーポジションをキープできるからです。
ちょうどこのような感じですね。このとき、上体はまっすぐ構えるのではなく若干前傾姿勢です。
その前傾姿勢を安定させるためには、母指球でしっかり体重を支えていなければなりません。
また、母指球で地面に対して強く踏ん張っていれば、その分先ほどと同じように地面からの反発力も強くなります。
ミートする瞬間に、地面からの反発力を利用することで、より強い打球が打てるのです。
つまり、それだけ母指球の力を育てることが大事だということ。そのためには、裸足で走り回るのが一番であることは間違いありません。
現代の子どもは裸足で走っている経験が少ない…
一球たろうは、田舎の学校だったので、かなり「体力測定は裸足が定番」だったし、運動会でもここ一番では裸足になっていたものです。
運動会の時は、練習中に「気を付け」の状態で先生の話を聞きつつ、足の指で砂を握って友人に足で投げつけていたものですが…
しかし、現代の学校では怪我のリスクから、それらの危険を排除しようという動きが強く、実際に中学生に聞いても裸足で運動会や体力測定をしている子どもはいません。
安全を確保した分、足の裏の感覚はなくしてしまっているのですね。
確かに怪我のリスクは避けられるうちに避けなければなりません。だからこそ、裸足になれる状態・環境を作り出して、裸足で走り回らせることも必要でしょう。
野球の上達だけでなく、陸上で行うスポーツ全般に必要な感覚であることは間違いありません。

もう本当に、ここぞって時は一番力が入る裸足だったな…

怪我しなかったんですか?

不思議としたことはなかったな。皮が厚くなっていたんだと思う。それと、感覚が鋭いから、痛いものを踏み抜く前に気付くって感じだったかな。

ゴールデンエイジの間に、裸足で走っておくべきだった!!!

十分感覚は養えると思うから、「安全面に配慮して」裸足で走り回ってみな!
野球がうまくなりたけりゃ裸足で走らせろ!野球と裸足の関係:まとめ
野球と裸足による足裏の感覚には、大きな相関関係があります。
特に足の親指や母指球の感覚が鋭く、力が強い子どもは足が速いです。足が速いことは、野球の上達においても必須の項目でしょう。
ゴールデンエイジの間に、裸足で子どもを走らせれば、きっと足裏の感覚が鋭くなって運動が得意になるはずです。
安全面に配慮して、子どもを裸足で走り回らせてあげてください。