効果的な練習計画のために必要なのは「量」?それとも「時間」?

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練習
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熱中症や練習の効率化が叫ばれる現代。

いかに時間内に効率的・効果的な練習をするかは、指導者として大切な技量の一つです。

一方、指導をしていてやはり「量」も必要だと思うのは僕だけでないはずです。

時短と量は相反します。それらをちょうどよくする練習計画を立てましょう。

一球たろう
一球たろう

監督歴10年の僕のチームで行っている、時短と量を調節するための方法を紹介します。

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一秒も時間を無駄にしない練習:練習の合理化

練習時間は有限です。

中学校の部活動などであれば、平日一日2~3時間が限界ではないでしょうか。

その時間内にいかに効率的に練習を回すかが、頭の悩ませどころです。

走攻守すべての練習を納得のいくまで行うことはできません。

ただし、よく見てみると「こいつら暇そうだな」と思える瞬間があるものです。

最も無駄な時間が生まれやすい「バッティング」

僕のチームは結成当時は9人です。

人数のたくさんいるチームだと、ボール拾いは下級生などにさせるのでしょう。

しかし人数が少ないと、全員で守らなければいけません。

守備についている彼らを見ていると…

めっちゃ暇そう!

この時間を無駄にしないわけにはいきません。( )は練習内容。

  • バッテリーは先に打たせて投球練習(投球)
  • キャッチャーはネットにして人員節約(時短)
  • 監督はサイドから個人ノック(守備)
  • 他の子どもは球拾い&空気椅子(筋トレ)
  • バッターの打球に対してアドバイスをする(知識)

 

僕のチームではこのようにして守備の時間の無駄をなくしました。バッティングの時間だから「バッティング」をしなければいけない、ではないですよね。

同じ1時間でもこれだけの練習ができるのです。

バッティング練習の打球を守備練習!なんて話もありますが、初心者チームではなかなか効果的な打球は来ません。1人が打っている間に打球が来ないこともあります。

バッティングの時間が最も無駄な時間を過ごしている可能性が高いです。

グランドに歩くところはない

これは習慣化するのに時間はかかりました。しかし習慣化すると、ダッシュの時間をわざわざ取る必要はありません。

僕のチームでは、バッティング後の球拾いはすべてダッシュでさせます。

「たった1mを速く移動できるのが野球選手だ」

なんて言っています(その通りだと思うのですが)。

徹底すれば練習は効率化され、脚力も強化できるので一石二鳥です。

徹底させるには力で押さえつけてもいずれサボり出します。「盗塁やフィールディングが速くなる」といった、超短距離を速く走ることのメリットを伝えましょう。

マシンガンノックを極める

ノックも意外と無駄な時間が多いです。内野と外野の連携をしているときは特に「待っている」時間のなんと無駄なこと。

さらに内野と外野を分けていても意外と時間を持て余す子どもがいます(必死なのはノッカーだけ)。

マシンガンノックを極めましょう!

もちろん打球の速さや質は考慮してください。送球をベース上で捕る選手が危険です。

最低ノックとノックの間が「3秒」で打つと、1分間でバッテリー含めた内野一人当たり3球はノックを受けられます。10分ノックをすれば一人30球です。

一球たろう
一球たろう

けっこうきついですが、こちらの運動不足の解消と思ってやっています。やり込んでいると無駄のない動きでノックをすることができるようになります。

「量」と「効率」をこなすための練習:時間で区切るか本数で区切るか

僕は以前練習メニューを伝える時に、「~を○○本」と決めていました。

例えば素振りを300本などにするといった感じです。

しかし時間がかかってしまい、他の練習をしたくてもできないことも多くあり、悩んでいました。

そこで考えたのが「時間」で練習を区切ること。それをやれば確実にやりたいメニューに手をつけられるようになりました。

一方それによる弊害も出てきました…

時間で区切って効率的に練習を回す

練習の一つ一つを時間で区切ります。例えば「素振りを15分後、体幹トレーニングを15分」といった感じ。

これによってこのような効果がありました。

 

  • 同じ練習時間内で取り組める練習の種類が増える
  • 時間がない分、子どもは集中して取り組む
  • 計画的に練習に取り組める

 

計画的に練習に取り組めるので「やり残した」感がまったくありません。

また集中して取り組めるため、一本一本を大事にするようになります。一方デメリットもありました。

 

  • 意識の高い子どもには有効だが、意識の低い子にとっては効果が薄い
  • 絶対的に「量」を大事にした方が良い練習がおろそかになる

 

子どもが全員意識高く持って練習に取り組むことができたら、監督なんて試合だけで十分です。

そうもいかないからこそ、弱いチームは大変なのですよね。

はっきり言って、意識が低い子どもに「15分の素振り時間」を与えるなら、「300本重たいバット振れ」と言った方が確実に能力は高まります。

効率化を図るのも大事ですが、それについてこれない選手をどうするかも考え者です。特に人数の少ないチームでは…

家で自主練に取り組む姿勢も意識によって差が出てきます!「子どもが自主練しない…」お困りの方はこちら↓

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この記事では自主練をしない子どもを自主練をする子どもに導くため、保護者や指導者が持つべきマインドをご紹介しています。「強くはなりたい」でも自主練はしない。矛盾だらけの行動に、見ているこちらだけがやきもきします。でも強制させては意味がない...と思いますよね?果たしてそうでしょうか?

「量」を意識した練習

例えば筋トレは常に漸進的でなければなりません。

「腕立て10回」をいつまでやっていても、ある程度以上からの成長は見込めないので「腕立て20回」にする必要があります。

時間で区切るとどうしても、漸進的な筋トレをするこができなくなります。

量(~を○○本)を意識するとこのようなメリットがあります。

 

  • 限界値ぎりぎりの本数を丁寧に取り組めば、最も効果は出る
  • 意識の低い子どもにとっては効率的

 

素振り15分で100本振ったとしましょう。一方素振り300本を指示して、それが30分かかったとします。

丁寧に取り組みさえすれば、他の練習ができなくとも300本の方が選手にとっては効果的ですよね。

効果的に取り組むために「選手自身に本数を決めさせ」れば、彼らはかなり意識的に取り組みます。

もちろんデメリットもあります。

 

  • 他に取り組むべき練習の時間が無くなる可能性がある
  • 「短い時間で効率的」な方法がパフォーマンスとしては最も良い

 

結局どちらの練習にもそれぞれメリット・デメリットがあるようです。

ハイブリッド型練習法、前半は「量」重視で徹底的に、後半は「時間で区切り」計画的に

 

まず練習前半で「課題改善のための練習」を徹底的に行います。

そのときは「~を○○本」として、徹底反復する練習をすれば練習試合の課題などに取り組みやすいです。

後半は「時間で区切って」練習の種類を効率的にこなします。

ハイブリッド型の練習をすることで、このような効果がありました。

  • 課題改善に集中して取り組める
  • 新しい作戦やフォーメーションを納得のいくところまでやれる
  • 後半の時間を工夫すれば、種類をこなすことも可能
一球たろう
一球たろう

個人的には「ゴリゴリ練習する」といった、昔の考え方は嫌いではありません。ただそうでない方法も現代だからこそ探るべきだとも思います。そこで考え出したのは、このハイブリッド型練習でした。

いつもより2種類の練習を時間内に加える方法!効率的な練習計画:まとめ

効率的な練習のためには「バッティング」「ノック」の時間を改革しましょう。最も時間を無駄にしがちな練習です。

 

時間で区切る練習、量(本数)で区切る練習、それぞれにメリット・デメリットがあります。

 

練習前半では「量」を重視した練習、後半では「時間で区切る」練習をすることで、効率的な練習ができると一球たろうは感じています。

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