この記事では盗塁が成功しやすいタイミングとスタートを、2塁盗塁と3塁盗塁に分けて紹介しています。
100%ではありませんが、盗塁を成功させやすいスタートのタイミングがあります。そのタイミングとは「ピッチャーがバッターに集中しやすくなる」時です。
ではどういったカウント・タイミングでピッチャーはバッターに集中しやすくなるのか──。
スタートさえ決まれば、足が遅くても盗塁はできます。

野球指導者歴10年の一球たろうが、盗塁が決まりやすいタイミングを経験から考察しています。
盗塁はタイミングがコツ!スタートが決まれば足が遅くても成功できる

監督!俺足が遅くて盗塁に自信がありません。もう俺は盗塁できないですかね?

まあ足の速さは重要だがな…盗塁におけるSSSって聞いたことがあるか?

はい。S(スタート)S(スピード)S(スライディング)ですね。

お前の場合その1つがないだけで、残り2つも武器を持てるんだ。そこを磨けば盗塁だって可能だぞ!
足が遅くてもスタートとスライディングを磨けば盗塁は可能です。本記事では「スタート」のタイミングについて紹介するので、スライディングについて見たい方は↓を参照してください。

盗塁のスタートのために必要なのが、「どのタイミングで盗塁するか」ということ。
良いスタートには勇気が必要ですが、その勇気を後押ししてくれるカウントや状況が存在します。
それはピッチャーがバッターに集中するカウントです。
これを知れば盗塁のスタートも安心してできます!(もちろん100%ではありません)
初心者必見!必ず盗塁のスタートを「しなければいけない」タイミング
この項は完全初心者が読むべき項目です。
「必ず盗塁のスタートをしなければならない」タイミングがあります。それはランナーが詰まっている状況下での2アウト3ボール2ストライクです。
よく初心者でここを走らずに怒られる場面を見かけます。中には「ランナーが詰まる」が意味が分かっていない人もいるので確認しておいてください。
- 単独一塁
- 一・二塁
- 満塁
- 一・三塁の一塁ランナー
※状況はすべて2アウト3ボール2ストライク
野球をやる上で、カウントやランナーの状況を常に頭の中に入れることは大切です。ランナーコーチと常にカウントの確認をするクセをつけてください。
初心者の君!これは絶対覚えておくように!僕のチームではこれを理解するのに半年かかった人もいるよ!かなり怒られるから気を付けて!盗塁のスタートというより、絶対に走らなければいけないからね!

過去にこんなことが。ランナーが失敗したので一回目は教えた。二回目はそのカウントになったとき、またランナーだったから、注意するよう指示したんだがな…見事に走らなかったときは、さすがに辛かった…
2塁盗塁のスタートのタイミングは最初か最後!
もちろんどのカウントからも盗塁を実行できます。しかし、ピッチャーがバッターに集中するタイミングは「最初」か「最後」です。具体的にご説明します。
盗塁が成功させれば「最高」のタイミング!次のバッターの一球目
自分がランナーになった一球目で、盗塁をスタートさせられることが理想的な盗塁のタイミングです。なぜならストライクになっても、まだ1ストライクだから。
サインを出す側としては、その後バントやエンドランを仕掛けられるし、何ならもう一度盗塁も出せます。
一球目で盗塁が成功すると、「後の」リスクを最小限に抑えられるということです。ただ、ピッチャーの牽制やセットポジションを見ていないという面では、リスクがあります。
あくまで「理想的」な盗塁のタイミングです。ただ、次のバッターが強打者だったり、調子のよいバッターだったりすると、ピッチャーがバッターに集中するため、一球目でもスタートはしやすくなります。
盗塁のスタートはピッチャー「三振取りたい」と思うタイミング
ピッチャーが「三振を取りたい」と思うということは、2ストライクに追い込んでからです。このタイミングでは、かなりバッターを意識します。何せ三振を取りたいのですから。
また、変化球を投げやすいタイミングでもあり、キャッチャーにバウンドするような球を投げるタイミングです。そうなれば盗塁の成功率も上がります。
またピッチャーの決め球がカーブやスライダー、2ストライク目をストレート取っている、というのも盗塁しやすいタイミングになります。
思い切って盗塁のスタートを切りましょう。
盗塁が成功しやすい、ボールが2球続いたタイミング
ボールが2球続くということは、最低でも「2ボール」のカウントです。そうなるとピッチャーはストライクを取りたくなります。3ボールにするのは不安だからです。
しかも連続ではずれたということは、制球が乱れている可能性も考えられます(もちろん意図的な場合もあり)。
このタイミングでは全力のストレートが投げにくく、結果的に盗塁が成功しやすくなるタイミングになるので、勇気を持ってスタートしてください。
ジュニア野球あるあるの高い盗塁成功率を誇る「一・三塁の一塁ランナー」
チームの方針にもよると思いますが、一・三塁の一塁ランナーは比較的盗塁を成功させやすいです。しかも、多少スタートが遅くても、見逃して盗塁成功させてくれることもあります。
なぜなら守備側にとって優先ランナーは「三塁ランナー」だから。
キャッチャーやベースカバーに入る選手の守備力がないと、一三塁の一塁ランナーを盗塁させて、キャッチャーが送球した瞬間に三塁ランナーを走らせる「トリックプレー」は防げません。
ジュニア野球のあるあるですが、プロ野球でも使われる作戦です。
ジュニアの場合三塁ランナーを優先して、一塁ランナーの盗塁を無視することもあります。
相手がこのトリックプレーに対してどう出るのかを探る上でも、一塁ランナーは盗塁させた方が良いですね。

守っていて一・三塁より、二・三塁の方が守りやすいというか、覚悟を決めやすいですもんね。

そうだな。一・三塁はどんな作戦でも考えられるから、監督としてもいやだな。もちろん防ぐ術はあるが、チームの企業秘密だったりもする。それも紹介する!

マジっすか?大丈夫ですか?

知らん。
ということで、↓の記事で紹介しています!企業秘密なので、日付を限定して公開します。

3塁盗塁のスタートを切るタイミングは「いつでも」
3塁盗塁は2塁盗塁に比べて「スタートが重要」と言われます。
しかしタイミングは「いつでも」とも言えます。一体どういうことでしょうか。
盗塁の成功が目に見える!キャッチャーのサインは良く見えてますよね…
2019年の高校野球やメジャーリーグでは「サイン盗み疑惑」が表立っていました。その疑惑の真偽は置いておいて、セカンドランナーからキャッチャーのサインは丸見えです。
これを他の選手に伝えてはいけませんが、自分の情報として活用することはルール上問題ありません。
あまり情報を共有したくないですが…
普通のバッテリーのサインで、キャッチャーの「人差し指1本」はストレートではないですか?(こうでないバッテリーはなかなか頭が良いですね)
自分がセカンドランナーならば「人差し指1本」以外のサインが出たときに、盗塁のスタートを切りましょう。盗塁の成功率が上がります。
なぜなら変化球の可能性が高いからです。変化球のサインが出たタイミングで盗塁を切れば、必然的に成功の可能性は高まりますよね。
盗塁のスタートを切る前準備。ピッチャーのくせ、セットの持ち時間を把握しておく
ピッチャーのクセやセットの持ち時間を把握することは、3塁盗塁だけでなく、すべての盗塁のスタートを切るために見ておくべき点です。ピッチャーの「首が動く回数」はセカンドランナーである方が良く分かります。
セカンドランナーを見て、投球するのが1回なのか、2回なのか、クセを把握しておくといつでも盗塁できますし、スタートを切る勇気を後押ししてくれます。
もちろんピッチャーもその回数やセットの持ち時間を変えてくるもの。
ただ緊張した場面や、連打を喰らった場面ではピッチャーは本能的にバッターに意識が集中します。
早く緊張から解放されて、アウトを取りたいからです。そんな時こそクセが出やすくなります。一度把握しておくと、次回対戦するときにも有利な情報となるので、試合をしたときに確認しておきましょう。

クセを見るのは、その試合だけでなく次回の試合に備えるためでもあるんですね。

そうだな。だからあえて、練習試合ではクセをつかずに、大会でクセをつくということも考えられるな。

策士ですね~

策士は策に溺れるというが、こうでもしないと初心者が勝ち上がるのは難しいからな。「おや?なんかいつもと違うぞ」と相手チームに思わせなければ勝てないよ。
盗塁のタイミングがつかめたら、今度はリードの取り方を覚えましょう。リードする上で大切なことが詰まった記事です↓

【目指せ韋駄天】盗塁が成功しやすいタイミング:まとめ
盗塁はSSSから成り立っており、足が遅くても成功させることができます。そのコツの1つにスタートがありますが、盗塁のタイミング(状況)がスタートする勇気後押ししてくれます。
2塁盗塁が成功しやすいタイミングは、一番の理想は「一球目」、盗塁が成功しやすいのは「2ストライク」になってからです。
3塁盗塁が成功しやすいタイミングは、「キャッチャーのサインが変化球と分かったとき」と「ピッチャーのクセが分かった」ときです。ピッチャーの首が向く回数、セットの長さを分析しておきましょう。