この記事では、内野フライや外野フライなどが上がったときの正しい声掛けの方法を紹介しています。
フライが上がった際、お見合いを避けるために行う声かけ。「オーライ」が一般的ですが、初心者はこれでもお見合い、または野手同士で衝突をしてしまいます。
初心者チームであるほど必要な声かけがあります。「オーライ」だけでは絶対に、お見合いや衝突は改善できません。

初心者ばかり指導してきたからこその悩みを交えて紹介します!
フライが上がったとき「オーライ」の声かけだけしか教えないと…

きたっ!フライだ!オーーライ!!!

オーライ!!!オーライ!!!

オーライ!!!!(やけになる)
…となって二人は衝突し、ボールは落球しました。これは実際に起きた現象です。おそらく小・中学生を指導している方はみなさん見たことある光景でしょう。
フライが上がったときの声かけ「オーライ」は、定番の声かけです。なので特にこちらも気にしませんが、どうにもお見合いや衝突が多い…
特に初心者チームの場合に、「オーライ」しか教えていないとこのような現象が起きます。その原因はこれらのことだと考えられます。
- 自分が捕球するのに必死で、周りの声が聞けていない(というか聞こえていない)
- 自分も相手も「オーライ」をかけているので引き際が分からない
- そもそも「オーライ」が普段よく聞く言葉なので、耳に入ってきづらい
初心者は目の前のプレーで一生懸命です。周りを気にする余裕はありません。
そんな初心者には、「自分が捕球する」「相手に捕球させる」ことを気付かせる声かけが必要です。
フライを捕球する選手に求められる声かけ
フライが上がった際、捕球する側の選手に求められる声かけがあります。
当たり前のことから、チームカラーが出やすいものまで紹介します。
フライの声かけの基本は「大きな声」をなるべく早く
当然と言えば当然ですので、あえて紹介する必要があるかな、とも思いますが…
とにかく捕球する意思を、守備全体に伝えなければなりません。その後もプレーは続き、ランナーがいればベースカバーや中継が必要だからです。
バッターが打って、フライが上がったのち2秒以内には声を出してほしいです。
時折初心者で、捕球する直前に声をかける人がいます。「自分が捕球できる」ではなくて「自分が捕球をする」と意思表示するのが声掛けです。
周りに伝えるためには、直前だと遅すぎですね。
フライに対して「オーライ」の声は聞き慣れしている
山間の高速道路を車で走っていると、非常につまらないですよね。それは風景が変わらず、その視界に慣れてしまっているからです。
野球をやっていると大抵フライは「オーライ」の声かけをします。
野球選手は「オーライ」の声を聞き慣れしているので、相手の声が耳に入りにくくなっているのです。
意思表示さえ伝わればそれでいいので、「オーライ」以外のバリエーションを増やすと良いと思います。
- 俺!!おれ!!ORE!!
- (相手の声が聞こえたら)どけ!
- マイボーーーール
何でも良いです。フライが上がった時の聞き慣れない言葉は耳に入りやすく、引き際が早めに判断できます。
チームで数種類声かけを用意するだけで、見ていて面白い、特徴のあるチームになりますよ。
フライを捕球せず、引く側に求められる声かけ
実はフライは捕球する選手よりも、お見合い相手、つまり捕球しないでカバーに回る選手の声かけが大切。
この選手がはっきり、捕球する選手に「自分は捕球しませんよ、カバーに回りますよ」と伝えることで、捕球する側の選手が安心して、捕球体勢に入れるからです。
フライの捕球をやめたのならば「任せた」の声かけ
フライのお見合い、衝突を避けるのであれば「捕球をあきらめる」意思を伝えることが最も大切です。
「打球を追いかけていたが、他の野手と競合しそう」そんなときには、「任せた!」と伝えてください。
この声かけは判断が早ければ早いほど効果的です。
捕球をあきらめるのであれば、「任せた」でなくても良いです。ポジションや相手の名前をしっかり伝えてください。
「任せた」はしつこいほど声かけ!
野球において、誰が捕球するのか、どこに投げるのかといった、瞬時の判断に関わるものは連呼しましょう。
大事な情報であればあるほど、連呼してください。
何度も言っているように、フライの捕球で競合すると大事なのは引く側です。その引く側が「俺は捕球をあきらめたぞ」と何度も相手に伝えましょう。
その状況下では、最も大事な情報です。
「任せた」と一緒にやりたいこと
相手にフライを任せるのです。もしかすると、三人でフライを競合して捕球しようとしているかもしれません。
必ず他の選手に任せる場合は、指差し確認をしましょう。
「お前に任せているぞ」と行動面でもアピールしてください。おそらく相手はそれを見ていませんが、自分に近い人間の発言や行動というものは、感じ取れるものです。
周り(プレーに関係ない)選手に求められるフライの声かけ
当然強いチームでは、周りの選手がフライが上がった瞬間に捕球するべきポジション名を言います。
しかし初心者は声が小さかったり、自信がなく黙っていたりもします。周りの選手は、競合している二人よりも冷静に状況を分析できる立場なので、積極的に声かけしたいところです。
フライが上がった直後に間違っても良いから早く声かけ
周りの選手に求められる声かけは、とにかく判断が早い声かけです。その声かけが例え間違っていても構いません。
一番やってはいけないのが黙ってしまうこと。僕から言えば「守備機会がなく暇なんだから、声くらいかけろよ」です。
間違ったポジションを言っても、当事者の責任ですし、ある程度は自分たちで判断します。
一方早い声かけによって、早く守備が動けます。スタートが早いに越したことはありませんよね。
競合する二人は打球を見る。周りは何を見るべき?
フライが上がってしまうと、全員打球を見がちです。しかし、プレーがない選手ならばここで、ランナーの動きを伝えましょう。
最初誰が捕球するか伝えたら、あとは捕球する選手同士でのやり取りです。それとは関係がなかったら、ランナーの動きを伝えてください。
考えられるプレーがタッチアップです。周りの選手はランナーが飛び出している、またはタッチアップの姿勢を取っているのであれば、どこにボールを投げるべきか必ず伝えましょう。
譲れない場面は監督が!
基本的には子ども同士でチームを作るのが良いですが、絶対に落球させられない場面があります。
その際は監督が声かけしちゃいましょう。選手は監督の声に対してかなり敏感です。
監督は大人ですし、経験者だと太くグランドに通る声の出し方が分かっています。いざという時のみに声かけすると、効果的。
僕自身は、練習試合ではあまりプレーに対して指示しませんが、本試合では選手と一緒に声をかけます。

とにかくお見合いや衝突はしたくないですね。ピッチャーもつらいだろう…

とにかくフライは意思の伝え合いが大切!とくに一歩引いてカバーに回る選手の声かけが大事だが、意外とこれを実践するチームは少ないぞ。

確かに「任せた」が聞こえると、安心してフライを捕球できるっす。
「オーライ」だけでは危険!?フライが上がったときの声かけ:まとめ
フライが上がった際に、定番の「オーライ」の声かけだと初心者チームでは、落球・衝突が絶えません。
捕球する側の声かけは、聞き慣れた「オーライ」ではなく、耳に入りやすい違った声かけをしましょう。チームカラーが出て、声を出すのが楽しくなります。
捕球を諦める側は、「任せた」など「自分は捕球しない」意思を前面に押し出してください。落球や衝突を防ぐ、一番大切な声掛けです。判断が早いほど、フライのエラーは少なくなります。
大会や重要な場面では、監督が先陣切って声かけしましょう。子どもは監督の声には敏感です。