この記事では1人でもできる、おすすめの守備練習の方法を紹介しています。素振りやティーバッティングは自宅でできます。
しかし、守備練習となると自宅で1人ではなかなか難しいもの。壁あてぐらいしか…
その壁あてを工夫すれば、十分効果的な練習ができます。また、壁あて以外にも1人でできる守備練習を紹介します。
家で1人だと守備練習は難しい?
父ちゃん、キャッチボールしてよ。監督が「キャッチは守備練習で一番大事」って言ってたから。
すまんな。今からちょっと外でないといけないんだよ。
そっか~わかった…守備練習って家じゃできないよな~相手がいねぇんだもん。
子どもがせっかく自分からやる気になっている。まさか自分から「練習付き合って」と言ってくるとは…
しかしそういう時に限って、どうしても出なければいけない用事が重なってしまうものです。
しかもそれが守備練習となると、余計難しく、ボールを投げてくれる、打ってくれる、転がしてくれる、そんな相手が必要です。
1人で守備練習できないものか…
せっかくやる気を出しているのですから
何とかしましょう!
経験から、初心者で上達しにくいのはバッティングよりも守備です。やはり、家で練習がしにくいのが原因のよう。
1人でも守備練習はできますし1人だからこそ効果的な練習になることもあります。
1人でもできる守備練習:壁あて
監督。家でも1人でもできるような守備練習ってありますか?
おお。やっと守備力がやばいことに気づいたか。笑
さすがに1試合で4エラーは…(実際に僕のチームで起きました)
あの試合はひどかったな~。大丈夫!1人だからこそ、同じ球を繰り返し、じっくり動きやコツを確認しながら練習はできるぞ!まずは1人野球の定番「壁あて」だ。
おそらく野球をしたことある方は小さなころ「壁が友達」ではなかったでしょうか。
僕は、「壁が親友」でした。決して友達がいなかったわけではないですが、家の近くに同級生が住んでいなかったので、壁あてをしていました。
その壁あてを工夫することで、十分効果的な守備練習になります。
監督、小さいころは「ボッチ」だったんですか?
その言い方どうにかならんのか?
ゴロを処理する形をつくる
壁あての良いところは同じ打球を再現しやすいということです。
ノックだったら、ノッカーの技量に必要になるし、なにせ自分以外にも練習しているので、たくさんの練習はできません。
その点壁あては、同じ打球を何度でも再現可能です。まずは、ぼてぼてに転がるボールを再現しましょう。
初心者は「ボールをさばくための足」の使い方が悪く、上手く入れないことが多いです。
とくに初心者でやりがちなのは「正面」でさばこうとすることです。
打球を正面に置いた状態で見るとさばくのがとても難しくなります。なぜかというと遠近感が分かりにくくなってしまうからです。
しかし、指導の中でよく「正面に入れ」という言葉がありますが、それは捕球最終段階での話。ぎりぎりまでは「横で見るイメージ」を持つことが大切です。
壁あてだと何度も形を作る練習が再現できるので、1人でする守備練習で最も効果的と言えます。
詳しいところはまた、別の記事で紹介しています。
ショートバウンドをさばく練習
ショートバウンドをさばくために、1人でする壁あては、守備練習として非常に有効的です。
何度も同じ球を再現できるので感覚やコツといったものが短期間で習得できます。とくにショートバウンドは怖いですよね。
初心者にとってショートバウンドは沸騰するお湯の中に手を突っ込むようなもの。(子どもに「ショーバンの怖さを表してみて」というとこの回答)
だから怖くて打球の下に潜り込めず反対に、顔を上げてハーフバウンドに…この「打球の下に潜り込む感覚」ができればショートバウンドも怖くありません。
赤いところでさばきましょう。大体最初のバウンドに合わせるのは難しいです。
2バウンド目、3バウンド目がボールも落ち着いて、怖い、痛い思いをすることなく守備練習をすることができます。
「~バウンド目で捕る」と自分で設定して~バウンド目に突っ込んで、走りながらとる練習も有効です。
実際の守備は動きながらさばく必要があるので。ショートバウンドをさばくときに初心者として必ず注意しておいてほしいことは
- 手で捕りにいくのでなく、同じ形で捕れるところに「足を運ぶ」
- ボールの着地地点(地面)にグラブを構え、下から上にグラブを動かす中でボールを捕る
ことが大切です。とくさんTVではこのように説明されています。
動画内の「逆シングル」は初心者には早すぎます。難しい技術です。とにかく初心者は上記の2点を注意しましょう。どうしても練習していると、グラブを前に出したり、引いたりします。
もちろんプロ野球でもその動きはしていますが、さばきかたをマネするあまり、「足を動かす」ことを忘れがちです。
「いつもの形、捕り方」でさばくためには「足でその位置に体を持っていく」ことが大切。絶対にそこだけは外さないようにしましょう。
ショーバンはやっぱり怖いですね~
「捕れる」と分かったら、体が怖さを忘れていくよ。大丈夫。
壁あてで返ってきたボールの持ち替えを早くする
キャッチボールでも意識できることは1人でする壁あてでも意識できます。
守備練習の中で上手い人はかならず「持ち替え」がとても早いです。壁あてをするときにはぜひ意識してほしい内容です。
持ち替えのコツは
- グラブを前に突き出さない(そのために足を運ぶ)
- グラブと投げる手はなるべく近く(グラブが上向きは親指と親指、下向きは小指と小指をくっつける)
- 捕球したときグラブでボールを握ろうとせず、衝撃を吸収する
この点が持ち替えを早くするコツです。グラブの中で「ボールを当てただけ」で捕る方法もあります。
少しレベルが高いですが、習得できると、かなり守備力は上がりますし、そのための練習道具もあります。
(他の記事参照)
壁あてでも十分練習になるんですね~
ボールが返ってくる点においては、結局キャッチボールと一緒だろ?持ち替えや足を運ぶ、なんてことは十分すぎるくらい意識すると、かなりレベルアップできるよ!
同じボールを再現できるってところもいいですね。監督のノックの打球は、ちょこちょこ変わるし…
うるせ!ゴロやショーバンのさばきかたにはコツがいる。入り方やさばきかたってのは何度もやったら身に付くもの。ノックだったら1日に何十本くらいしかできないが、壁あてなら何度でもそれができる。簡単だしな。
1人でできる守備練習:走り込み
走る!?それって走塁練習じゃないですか!
さっきも言ったが、「足運び」は守備の基本中の基本。足運びをする位置まで、「なるべく早く」いくにこしたことはない。要するに早く捕球地点まで走れってことだ。
理屈はそうなんですけどね…
テーマは「1人でもできる守備練習」だろ?走ることは1人でもできるし、守備練習の1つだ!
うーん。何だかうまいこと言いくるめられているけど、的は得ているしな…聞いておくか
走ることをそんなに嫌がらないでください。どんなスポーツでも走りこむことは非常に大切です。
走り込みをすることは守備練習の一環。しかも1人ですることができる守備練習になります。
では、どのような効果が期待されるのか?
- 守備範囲が広がる
- 「あと一歩」が「余裕で捕れる」になる
- さばくのが難しい打球が簡単にさばける打球になる
- カバーに間に合い、褒められる(監督目線で言うと、一番褒めたくなるポイント)
- 他多数
だからこそ走りましょう。とくに坂ダッシュは効果的です。ダッシュをするときは最初の3歩を早くするようにさせてください。守備では最初の3歩がすべてを決めます。
野球は超短距離スポーツと僕は考えています。わずか数mを早く移動できる子どもは守備が上手いです。
陸上のスプリントとはまた少し違うスタートが求められます。最初の3歩を早くするには
- ベタ足にならない
- 前傾姿勢を保つ(初心者は頭だけ下がるので、腰も倒させてください)
- つま先で地面をつかむをイメージ
が大切です。また、もし子どもを走らせるのであれば大人も一緒に走りましょう。1人で苦しむよりも横でもっと苦しそうにしている大人を見ると子どもは喜びます。
自主練として続く範囲で20mを10本ほどでも構いません。積み重ねることが大切です。
1人でできる守備練習:テレビ中継
高校野球、プロ野球何でもよいので野球のテレビ中継を見せましょう。ただ見せるだけでは「野球観戦」になってしまいます。
打者が打った打球に対して
- 誰(どこのポジション)が捕るのか
- どこに投げるのか
を必ず言わせてください。頭を使う練習です。どんなに守備が上手で、早くさばけて早く投げられても関係のないところに投げるとただの「フィルダーチョイス(ミスの選択)」です。
野球はたった1球で状況が変わります。例えば二死一塁、1ストライク3ボールからピッチャーがストライクを取りました。
次に考えられる事は何かと言うと…?
次の投球でランナーが走る。ですね。
この当たり前が初心者にとっては当たり前ではありません。他にも一死一塁、ショートが強いゴロをさばきました。
ゲッツーを狙いますよね。しかし二死一塁、ショートが強いゴロをさばきました。だと、セカンドかファーストどちらかに送球、だけでよいですよね。
初心者はこの「野球の動き」が頭に入ってなく、試合で失敗してしまい、交代させられ、せっかくの機会を失うことが多いです。
頭のプレーでのミスは基本的に許されません。
しかし、初心者にはなかなかその機会が巡ってこないので家で1人でする守備練習として非常に有効です。
- 誰が(どこのポジションが)捕るのか
- どこに投げるのか
を指示できるということは、状況が分かっているということです。
普段の練習でやっていることをテレビの前でも実践させましょう。先読みできていると準備が変わります。
準備をする子どもは少しずつ工夫をし始めます。工夫をする子どもは上手なプレーを出しやすいです。
その結果周りの人から信頼をされます。研究思考であることは人としての魅力になるということですね。
野球動画はYoutubeばっかりだもんな~
Youtubeでは全体の一部しか切り取られていないので、「流れ」や「状況」というものがつかみにくい。一部を見るのも大事だが、全体の状況や流れからその一部が出てきたことを考えよう。
監督が昔話にある、セーフティバントとかのことですね。
そうそう。あの試合は「逆転サヨナラ満塁ホームラン」が新聞記事の見出しにもなっていたが、流れはセーフティバントが作り出したものだ。その流れや状況を読むために、頭を使った野球をしよう!
1人でもできる守備練習!1人だからこそ効果的なおすすめ練習方法:まとめ
壁あてを工夫することで、1人でも守備練習は充実します。同じボールを再現しやすいので、形をつくるための練習や守備で意識すべき基本的な練習を反復できます。
走り込みも1人でできる守備練習です。大人が一緒に走ると、効果はより高まります。
テレビを見て、打球に対して何をすべきか指示することも、1人でできる守備練習です。頭を使う練習としては非常に効果的。Youtubeばかり見る子どもに「試合全体を見ろ」と教えましょう。