この記事ではパスボール(捕逸)について、そもそも記録上パスボール(捕逸)がエラーの扱いになるのか、またパスボール(捕逸)の数って大体どれくらいなのかを紹介しています。
さらには、パスボール(捕逸)をしないために、どんな練習をすればよいかについても、紹介しています。
野球指導歴10年の一球たろうがご紹介します。
パスボール(捕逸)は記録上エラーなのか?
よーし!今日はスコアラーだ!!…自分で言ってて悲しくなるな。でもデータを取ることは大事だから。頑張るぞ…と
あ。あいつパスボール(捕逸)しやがった…
あれ?パスボールってエラーになるのかな?どう記録すればいいんだ?
パスボール(捕逸)はできるだけしたくないものです。あまりにも多いと、ピッチャーは自分のボールを自信持って投げることができなくなります。
そして、何よりキャッチャーとしてパスボールは恥ずかしい。自分で逸らしたボールを、必死で走りに行く瞬間なんて、恥ずかしいやらなんやら。
なのでパスボールはしたくないのですが、そもそもパスボール(捕逸)はエラーなのか?
エラーでなければ、ちょっと気持ちも変わるかもしれません。
パスボール(捕逸)の記録上の扱い
パスボール(捕逸)はなんと、エラーとしては記録されません。野球規則にはこのように書かれています。
10・14 次の場合には、失策を記録しない。
(f)投手及び捕手は、他の野手にくらべてボールを扱う機会が非常に多いので、投球に関連するミスプレイは「暴投」または「捕逸」と呼んで、その記録上の処理については、10・15に明示する。したがって、このような暴投及び捕逸は、失策と記録しない。
おお、キャッチャーの皆さんには朗報ですね。
エラー(失策)とならないのであれば、気持ちはだいぶ晴れやかになります。ワイルドピッチは完璧に「ピッチャーの責任」。
一方パスボール(捕逸)は、キャッチャーの責任となりますが、声を大にして「責任は俺かもしれないが、ミスは俺のものではない」と言えますよ!!!
パスボール(捕逸)のプロ野球記録
さて、パスボール(捕逸)はやりたくなくても、出てしまうもの。では、そのパスボールを一試合あたりどれほどの数に抑えれば、「いいキャッチャー」なのでしょうか。
ついでに、プロ野球記録としては元ロッテ里崎選手は1000試合で「19」個しかパスボールがなかったとして、記録になっています…
ということは、一試合当たり0.019個の計算ですね♪
無理だなあ。さすがにここまではやり通せません。とは言っても、やはり1試合あたり0.1~0.5くらいには抑えてほしいですね。
ジュニアの練習試合などでは、一日試合数が大体2試合だと思うので、一日あたり1球あるかないか。
パスボールの記録をそこまで抑えられると、ランナーがいてもピッチャーは自分の勝負球を投げられるのではないでしょうか。
パスボール(捕逸)しないためのコツ
では、パスボール(捕逸)をしないためにはどうすれば良いのか、どんなコツを手にすれば良いのでしょうか。
練習方法も含めて、紹介します。
両膝を地面に着ける
まず前提として、両膝を同時に地面に着けるようにしましょう。
通常の構えだと、おそらくどちらの膝も上方向または左膝は地面に着けている状態だと思います。
そこでショートバウンドや変化球で球がミットに届かなかったときは、両膝をつけるクセをつけましょう。
ランナーがいない場面では、グラブさばきで対応しても良いかと思いますが、ランナーがいる場面ではそうはいきません。
両膝をなるべく開いて地面に着けることで、股の間を抜けていく可能性が減る上、横に大きな的ができることになります。
膝が着くのは足があった場所
上手くボールを止められず、パスボール(捕逸)をしてしまうキャッチャーは、膝の位置をそのまま真下に落としてしまう選手がいます。
こうすれば、前に体が移動してしまい、ボールの勢いと喧嘩することになり、余計ボールは違う所へ飛んでいきます。
ボールの勢いを吸収するイメージで、膝を構えた足の位置に引きましょう。
おわんの形をイメージする
当然ピッチャーが投げたボールが、まっすぐ自分の体まで来るとは限りません。
左右にズレるばかりか、カーブ・スライダーなどの横回転が加わっているとき、そのボールは地面に着地した瞬間、逆方向に流れ始めます。
この現象は、軟式ボールであれば顕著に現れるので、そのまま真っすぐ膝を落とすと、体に当たらなかったり、当たったボールが左右に飛んで行ってしまうことも…
せっかく、体を張って止めたボールなので、そうなるのは避けたいところ。
おわんをイメージして、膝をつくとかなり軽減されます。ぜひやってみてください。
なるべく上半身は真下を向く
体に当てるばかりを考えて、上半身を通常通りの角度でボールに当ててしまうと、思いもよらない方向へ飛んでいきます。
それがパスボールの原因にもなってしまうので、上半身はなるべく真下に向くようにしてください。
上半身を真下に向けることで、ボールもキャッチャーの足元に落ちるようになります。そうすれば、当然ボールを落とした後の対応も早くはり、ランナーに進まれることもありません。
せっかくパスボール(捕逸)ではなくなったのに、ランナーが進んでしまえば同じこと。
真下にボールを落とせるようにしましょう。
パスボール(捕逸)をなくすための練習
防具をフルにつけた状態で、何度も人にショートバウンドなどを投げてもらいましょう。
当然、速いボールもあれば変化球も練習してください。
とくに変化球の場合、先ほど書いたように変化の仕方によって、バウンドが変わることが大いに考えられます。
ピッチャーとのサイン交換を済ませた後、求めた変化球が地面に着いた瞬間どちらに方向が変化するのかを、しっかり覚えておきましょう。
キャッチャーの守備練習って、なんだか他の守備とは違ったきつさがありそうですよね…
パスボール(捕逸)だけでなく、盗塁阻止や座った状態で守備に入っていることが、その原因だろうな。泥臭い感じが、俺的にはいいけどな!
なるほどです。でも野球って言えばやっぱりピッチャーですよね?
それは否定はしないが、肯定もしない!キャッチャーがいるからこそ、ピッチャーは安心して投げられるし、盗塁阻止できるキャッチャーは、時としてピッチャーよりも重宝されているものだ。
パスボール(捕逸)はエラーになる?その数についても言及!:まとめ
パスボール(捕逸)は、エラーとして記録されるわけではないので、もしもパスボール(捕逸)しても気にしないでください。
プロ野球のパスボール(捕逸)記録は、元ロッテの里崎選手が持っている1000試合「19捕逸」という、驚異的な少なさの数字があります。
小・中学生の野球であれば、2試合に1つあるかないかで十分でしょう。(もちろん0が理想です)
パスボールをしないためには、膝の位置がかなり重要です。また、変化球による球の方向の変化など、普段からピッチャーの投球を受けて把握すべき内容も多くあります。