この記事では、初心者の投げ方を修正する超簡単な練習方法を紹介しています。
「肘を上げろ」と言われたことありませんか?初心者であればあるほど肘を上げるように投げ方を修正されます。
なぜならケガにつながるから。子どもに家で教えるのですがなかなかうまくいきませんよね。この記事では「これさえやればある程度投げ方が良くなる」練習を紹介します。
なぜ初心者を肘を上げる投げ方に修正することが大事なのか?

父ちゃん。キャッチボールしようよ

おう。いいぞ。

俺、変な投げ方してない?この前友達に「投げ方おかしい」って言われたんだけど…

肘が上がってないな。肩甲骨を大きく使うことで、肘も一緒に回転させて…

うーん。言っていることは分かるんだけど、いざ投げるときはやっぱり難しい。「これやってたらいつの間にかできるようになる」みたいな練習ないの?

父ちゃんはこう教えてもらってたからな~
肘を上げる、腕を振る、スナップを利かせる…そうなんです。その通りなんです。おっしゃっていることは正しいし理屈は間違っていません。
ですが初心者はなかなか修正できないのです。というか、初心者が一番最初にぶち当たる壁が「投げ方」になります。
キャッチボールの時に、肘が下がっていたり、腕が振れていなかったり、ノールック投法だったり…
初心者とのキャッチボールは「そうきたか!」の連続です。
投げ方の練習をしないと怖い結末に…
「投げ方」の練習をしないと今後の野球生活でたくさんの弊害が出ます。
- ケガをしやすくなる
- もっと飛ばせる力はあるのに遠投が飛ばない
- 投げたボールが変化する
- 他多数
いろいろな弊害があって困ります。とくにケガにつながるのは最も良くありません。
最悪の場合、野球を諦めなければいけない事態になります。そのような事態を避けるためにも初心者の投げ方を修正することは大切です。しかしこれがまた難しい。
肩甲骨を回すことを意識して…小指を上(空)に向けて…肘から上げて…とさまざまな練習方法が現代でも紹介されています。しかし、それでも良くならない…
感覚やコツという掴みにくいものの一種でもあるし、もしかすると肩甲骨を大きく回せるほど、肩が柔らかくないのかもしれません。
悪い投げ方をしてしまう原因を探ろう
投げ方が悪い原因は初心者一人ひとりによってさまざまです。
実際に僕のチームの中でも9人中7人は「おや?」という投げ方をしていました。一人ひとりに丁寧にフォローする時間もなかなかありません。だからこそ「これやっとけばある程度修正される」という練習はないものでしょうか。
今回はとくに多い「肘を上げる」ことに特化した超簡単に肘を上げられるようになる練習方法を紹介します。
投げ方を練習する前に、肘を上げるための準備運動を!
今から紹介する準備運動ができていないと、最悪練習中に負担がかかり怪我をします。
また、そもそも肘が上がらない子どもは、肩甲骨の可動範囲が狭い可能性があります。
小・中学生の場合、フォームを身に付けさせる前に重要なのが「柔軟性」。
肩回りの柔軟性が上がれば、肘が降りてくる位置も斜め横から上になります。
肩甲骨はがし
よくある肘が上がらない子どもの最も多い原因が、肩の可動範囲が狭いことです。
そりゃ、肩が回らない=肘の可動範囲(肘でどれだけ大きな円が描けるか)も狭い、になりますよね。
肩甲骨はがしは名前からして恐ろしいですが、日常的にやれば、肩甲骨の可動範囲が大きくなり、肘を上から出せるようになります。
二人でやる詳しいやり方がこちらです。
一人の場合はこちら。
肘の可動範囲が狭いと、上から振り下ろせるものも下ろせません。まず出発点にたどり着いていないのと同じです。
投げ方の練習をする前に、肩回りの柔軟性を上げましょう。
マエケン体操
こちらも肩甲骨の可動範囲を大きくするための、良い練習でありストレッチです。
この体操の中で、肘が肩の上に位置して出てきていることが分かると思います。
これを身体を起した状態でやると、自然と上から肘が出る投げ方になるわけですね。
肩の柔軟性を高めるマエケン体操。ぜひともキャッチボール前にやっておきたい練習です。
初心者が肘を上げる投げ方を習得できる練習方法
「投げ方が悪い」「肘をあげろ」と言われる初心者でも、簡単に練習できる方法があります。
- メンコ
- 真上にボールを跳ね上げる
- ラジオ体操で感覚を
- チューブトレーニング
メンコからラジオ体操は、初心者向けの練習。チューブトレーニングは、少し野球になれた子ども用の練習です。
肘を上げる練習はメンコが効果的!?

小さいころどんな遊びをしてた?

WiiとかDSとかそんな感じですね。

外でみんなで遊ぶなんてことは?

外でみんなで集まってゲームしてましたね。

何じゃそら…
メンコが肘を上げた投げ方を習得する上で、効果的な練習となります。
小さなころに外で何をして遊んだかは、非常に重要です。体の動かし方を自然と体得します。しかし、現代の子どもはゲームを外に運び出してやります。
外遊びと言いつつ、外で動き回るわけではありません。当然「メンコ」など一部の子どもしかしたことがないのです。
しかしこの「メンコ」は肘を上げる投げ方を習得するのに最適な練習です。特に初心者であればキャッチボールに入るよりも先に、させておきたい練習です。
動きの中で自然と肩より上に肘があることが分かりますよね。特に手前のお兄ちゃんは、「野球経験者かな?」という動きです。
下を向いた状態なのでそう見えませんが、これが正面を向いた状態なら、肘が肩より上に上がっています。
これが「肘を上げる」投げ方のために有効的な練習です。
初心者であれば、まずはメンコをやってみてください。簡単ですし、楽しく取り組むことができます。
ボールをできるだけ「高く」「真上」にバウンドさせる
先ほどのメンコの延長線の練習です。今度はボールを使ってみます。
メンコに比べると実際のボールの重さや、力の入れ具合がよく分かります。
その際の注意点は
- なるべく高くボールを上げる(軟式でバックネットくらいの高さまで上げれるとgood)
- 左足の先くらいに投げつける(右投げの場合、左は反対)
- 右足から左足に思いっきり体重移動をしながら投げる(右投げの場合、左は反対)
この練習をやればかなり肘を上げる投げ方が身に付きます。それと同時に「腕を振る」「体重移動」も同時に習得でき、初心者には効果的です。
以前この練習を導入する前に肘が上がらない初心者がいました。どうしても肘が下がるのでいろいろ調べてみてこの練習をやってみると…
2週間でかなり改善され、肘を上げる投げ方が習得できました。
人によって効果に差はありますが試してみて損はない練習方法です。
肘を上げる感覚はラジオ体操でつかめ
運動会シーズンになると必ずラジオ体操。夏休みの朝から地域でやるラジオ体操。あのラジオ体操(第一)には肘を上げる投げ方のヒントが隠されています。
ヒントが隠されているのはラジオ体操の2つ目にやる運動。掛け声は「手足の運動~~」のところです。
自然と肩の可動域も広がります。キャッチボールで投げる前に何度かこの運動をやることで、可動域のストレッチにもなり効果的です。
- 肩からしっかり回すこと
- 腕を回すときは肘を曲げないようにすること(投げる時には曲がる)
- 投げる瞬間左手は胸に引くこと(右投げの場合)
この3点に気をつけてください。肩・肘を動かすイメージがつきます。また、スナップを使った投げ方が必要な時もあります。
そのことについては以下の記事にて、確認してください。

チューブトレーニング
引用:https://www.amazon.co.jp/
まずは市販のチューブを買いましょう。
- 肩より少し高い位置の壁の突起物や金網にチューブを取り付ける
- チューブのもう片側を持ってピッチャーと同じフォームで投げる(なるべくピンと張る)
- 投げるとき2m先の地面を目掛けて投げるようにする
とくに3が大事で、この投げ方の練習をすると、肘が上から自然に降りてきます。
しかも肩甲骨の可動範囲を広げられ、さらに肩のインナーマッスル(遠投力)も鍛えられ、一石二鳥です。
家でもできる簡単な練習なので、毎日させましょう。

どの練習も簡単そうですね!

家でも簡単に取り組めるからやってみるといいよ!ついでにここに挙げているのは、あくまで初心者向けの簡単な練習だ!もちろん効果は絶大だけど、肩甲骨や肘の使い方、下半身の使い方は次回以降に!

とにかく、ある程度ボールが投げられるようになるまでは、しっかりこれをやっておけということですね!

そういうこと!将来投げ方が分からなくなったり、上手くいかなくなったときは、もう一度ここに立ち返ってみるのもいいぞ!
初心者は肘が上がらない…その投げ方は「少しずつ」変えていこう
教える側のマインドとして大切なことがあります。
それは「少しずつ」ということです。また、「少しずつ」が無理な時もあるということを覚えておく必要があります。僕が経験したのは肘が上がらないピッチャー初心者でした。
入部当初投げ方を見て一番気になったのが「肘が上がらない」こと。
「このままだと怪我するかもな」と思いつつ最初は様子見…投げ方は相変わらずですが、ある程度安定した制球力で投げていた時「肘を上げる練習しようか」と提案してみました。
その子どもは「よく言われます」と一言。そこであれやこれや教えた結果…制球力が乱れ、球威も落ちました
何が悪かったか考えても、結果は自分が肘を上げるように言ったから。もちろんフォームが固まっていないのも原因です。でもここでふと考えたのは
- 「骨格って一人ひとり違う」
- 「クセも磨けば武器」
ということでした。その子どもは肘が低く、アーム投げ(バッティングマシンのような投げ方)だったため、球がきれいな真っすぐではありません。
逆にこれを磨くように教えました。最低限怪我はしないように肘は肩「まで」上げて、肘から上を振るイメージは徹底します。
子どもも子どもなりに考え(この研究思考が良かったのか)同じ投げ方でも真っすぐに投げる方法を考え続けました。その結果、卒部までケガをすることなく地元ではかなり有名な選手になりました。
強豪校を最終回まで1点で抑えるほどの実力です。左投げということもあり、対戦した子どもは「見たことないし、ボールも気持ち悪い」とのこと。
投げ方が「変」なのはもしかすると骨格や筋肉の問題なのかもしれません。セオリーや理論は大切です。何十年もの野球の歴史の中で作り上げられているので。
しかし、理論やセオリーで子どもを縛り付けるのは得策でないこともあります。
そこを見極めて、あえて特徴とすることも指導者や保護者の方に求めらるものではないでしょうか?

そんな選手がいたんですね!

最初は1試合10失点はしてたんだがな。卒部するころには、1試合2点には抑えていたよ。あとは味方のエラーぐらいだな。

頼れるエースだったってことですね?

頭も良かったし、頑張り屋さんだったな。「クセ」も磨けば「武器」になる。

俺も「クセ」を磨いて、うまく…

お前のサボり「グセ」は、磨かなくていい!
初心者でもできる投げ方を修正する超簡単な練習!肘を上げる編:まとめ
初心者でありがちな肘が上がらない投げ方は、後々の野球人生に響くので修正した方が良いです。
肘を上げる投げ方を習得するために、初心者がすべき練習は4つです。
- メンコ
- メンコのようにボールを叩きつける
- ラジオ体操投げ
- チューブトレーニング
非常に効果的に修正することができます。
また、そもそもの話で、肩回りの柔軟性を上げておく必要があります。
- 肩甲骨はがし
- マエケン体操
肩甲骨の柔軟性がアップすれば、肘を上げて投げられるだけでなく、遠投力も見に就きます。
初心者の投げ方は修正するべきですが、骨格や筋肉の付き方次第では「クセ」を「武器」にすることができます。現場で見ている指導者や保護者の方がよく観察してあげて、教えてあげてください。