この記事では走塁で重要な役割を担っているランナーコーチについて、その役割や立ち位置、守備妨害、ジェスチャーなどの解説をしています。
ランナーコーチの役割は重要です。しかし立ち位置や役割に気を付けないと、ランナーに間違えさせたり、最悪の場合守備妨害をすることもあります。
ランナーコーチこそ、走塁において重要な役割をになっているのです!!
野球指導歴10年の一球たろうが紹介します。
ランナーコーチの役割は「超重要」
ぃよっしゃー!!このまま三塁を回ってホームに…
(ええ?この打球はどう判断したら…?)まあいいや!回れーーーーー!!
任せとけ~~!!って、もうキャッチャーがボール持ってるじゃん!…で。タッチアウトかよ…
う。。。すまん。。。ぶっちゃけ回さない方が良いと思ったんだけど、あまりにも勢いが良いから…
いや。ライト側だから俺にはボールは見えないんだよ。そこでこそランナーコーチの役割を果たす場面じゃん。
う…すまん。
ランナーコーチは非常に大事な役割を持っています。ランナーは一生懸命走っており、とくに初心者の場合は自分が打った打球なんて見ていません。次のベースを踏むことだけを考えています。
ランナーコーチとしての役割は、次の項目で説明することが挙げられます。
ランナーコーチの役割1:ランナーの目になる
ライト方向の当たりの際に、三塁を回るランナーはプレーが見えません。
そんなランナーの「目」になることが、ランナーコーチとしての役割です。その他にも以下のような「ランナーがプレーを見れない」場面が想定できます。
- 一塁での悪送球後のプレー
- セカンドランナーをしているときの二遊間の動き
- ホーム突入や三塁ベースでのスライディング時
- 外野タッチアップ時
もちろんこれらの中には「プレーを見ながら」走ることのできるものはあります。しかし、ランナーコーチとの連携が取れているのであれば、見ない方が確実に早いです。
ランナーが見えない時に、ゴーかストップかはたまたスライディングなのか。この判断はランナーコーチにしかできません。
(ランナーコーチの指示は大事です。「その瞬間」にスライディングなのか、そうでないのか、どこにするのかをきちんと伝えましょう。ケガ防止にもつながります)
ランナーコーチの役割2:情報の共有
プロ野球選手になると、ベンチのサインをランナーコーチが受け、それをランナーにサインで伝えるなどという高度なテクニックを行っています。
さすがにここまでのことは、小・中学生の、ましてや初心者ばかりのチームでは難しいはず。
それでもランナーコーチは、ランナーとの距離が一番近い味方だからこそ、情報の共有をする役割があると言ってもいいでしょう。
- SBOのカウント状況
- 守備位置や位置が変わったこと
- ゴロやライナーなどの対応の確認
- サインの共有(これはアイコンタクト)
野球は一球ごとに状況が変わります。例えば2アウト2ストライク2ボールと、2アウト2ストライク3ボールでは、ランナーに出す指示は大きく変わりますよね。
ランナーに最も近いランナーコーチは、そのような情報を共有することが役割の一つにあります。
ランナーコーチの立ち位置は「ランナーに近いところ」
ランナーコーチの役割から考えると、ランナーコーチはランナーに情報を伝え、指示を出すことが最も必要です。
そのために、大きな声も出すでしょうし、ランナーを進めるかどうかの場面では、大きなジェスチャーでランナーに知らせます。
そう考えるとランナーコーチの立ち位置は、情報を伝えやすい「ランナーに近いところ」であることが重要ですよね。
一塁コーチは打撃前には左、ランナーが出れば右
一塁コーチは基本的にバッターランナーと一塁ランナー、そして二塁ランナー(これは三塁コーチとの役割分担)に指示を出します。
そのため基本的にランナーがいない場合は、バッターに近い立ち位置。なぜならバッターに守備位置などの情報はどんどん伝えるべきだからです。意外とこれが守備側にとってはプレッシャーを感じます。
また、ランナーが出てからはランナーに近い場所を立ち位置としましょう。
図の立ち位置が最適だと思われます。また、ノーランナー時にランナーがベースに近づくにつれ、自分も右側にスライドしましょう。
三塁コーチは基本左だが、ランナーを迎える時に大忙し
正直なところ、一塁コーチよりはるかに三塁コーチの方が重要です。なぜなら一点入るかどうかの際どい場面での判断が要求されるから。
その三塁コーチの立ち位置は、基本的にプレーが起きていない限りボックスの左側です。しかしプレーと同時にランナーも動くと、三塁コーチの立ち位置は慌ただしく変える必要があります。
- セカンドランナーにスライディングをさせる時は左
- セカンドランナーにオーバーラン・回す時は左にいてジェスチャーを見せ、ベースを回るのと一緒に右についていく
とにかくゴーかストップかはしつこく伝えましょう。一度声で指示した、一度ジェスチャーしたくらいでは伝わりません。
しつこく何度もやって、ランナーが自分の思い通りの動きを見せてから、声・ジェスチャーを止めましょう。
ランナーコーチの守備妨害は絶対避けたい
ランナーコーチはプレーの補助をする役割がありますが、プレーをしてはいけません。またプレーの邪魔、または肉体的援助も禁止されています。
これらはすべて「守備妨害(インターフェア)」を取られます。
守備に接触はしてはならない
例えば一塁コーチをしていて、フライが自分の近くに飛んできたとします。一塁手がボールを追いかけている最中に、一塁コーチと接触したとしましょう。
その際審判が「接触がなければ一塁手はボールを捕球できていた」と判断すれば、守備妨害を取られバッターアウトとなります。
だからランナーコーチは自分周辺に上がった打球の場合、まずは近くの守備をしている選手を見るべきなのです。
ランナーにも接触してはならない
ランナーコーチは、声やジェスチャーでランナーを補助しても構いませんが、背中を押したり、逆に体を使って止めたりすると、審判規則で規定されている「肉体的援助」により、守備妨害を取られます。
一方プロ野球などでは、ホームランを打ったバッターが三塁コーチと手を叩くこともあります。
しかしあれは「援助に当たらない」と判断され、守備妨害を取られていないのです。(とは言っても、アマチュアでやるべきではないと思います)
時折オーバーランしすぎたランナーに三塁コーチが触れてしまうプレーを見かけます。そのつもりがなくても、思いが強すぎて肉体的援助になってしまうので、注意しましょう。
覚えておこう!ランナーコーチは「3人」いる
ランナーコーチは一塁と三塁だけではありません。少し野球を知っている人なら、簡単に答えられますよね。
そうです。3人目のランナーコーチは「ネクストバッター」です。ホーム突入の場面で、スライディングすべきかそうでないかはネクストバッターが指示を出します。
またスライディングにしてもその方向(コリジョンルールが導入された今、ほとんどコーチから見て左に流しますが)を指示しなければなりません。
ネクストバッターにいる時に、ぼーっとランナーの動きを眺めず、ホーム突入をしてきた場合には仕事があることを忘れないでください。
ランナーコーチのジェスチャーはとにかく大きく
試合中はどんなに大きな声を出しても通らない可能性が高いです。ランナーだって必死に走っているし、ヒットを打った時はベンチ・観客ともに盛り上がっているものです。
だからこそ「ランナーの見やすい立ち位置で、見やすいジェスチャーで」を心がけましょう。
初心者だと自信が持てず、小さな声、小さなジェスチャーをする人がいます。それでは意味がありません。
もしも自信が持てないのであれば、まずは一塁コーチからやってみてください。ここで自信をつけると良いと思います。
これぐらい大きく、目立つジェスチャーをしましょう。ランナーコーチは声・ジェスチャーで目立ってなんぼです。
すげー。ランナーコーチって本当に大切なんですね。
補助でありながら、目立たないと仕事にならないのがランナーコーチ。時折ランナーコーチが注目されている高校球児がいるのもそのためだ。
とにかく大切なことは、自信を持って「ランナーに伝える」という心を持つことですね。
そうだな。だからランナー以上に頭をフル回転させて、状況を読み取り、伝えよう!!
ランナーコーチを徹底解説!役割や守備妨害・立ち位置を解説!:まとめ
ランナーコーチには「ランナーの目」となったり、「ランナーと情報を共有」する役割があります。そのためにも常に状況を読み、ランナーに伝える方法を工夫しましょう。
ランナーコーチの立ち位置は、基本的に「ランナーの目に留まりやすいところ」を考えます。また、ジェスチャーを大きくすることで、ランナーが視認しやすくなります。
ランナーコーチでも守備妨害を取られることがあるので、十分注意しましょう。