この記事ではピッチャーが投球するときに、「このキャッチャー投げやすい」と思える構え方を紹介しています。
上手そうなキャッチャーと下手そうなキャッチャーは構えで分かります。
テーマは「三角形」になっているかどうか。安定感のある構えはピッチャーの制球の安定にもつながります。
キャッチャーとしても、ピッチャーの荒れ球を捕球するのはいやですよね…
学生時代はキャッチャーをしていた一球たろうが紹介します!
構えが安定しているキャッチャーはピッチャーも安定させる
よーーし!投げるぞーー!!
来い!今日は俺が臨時のキャッチャーだ!
(何球か投げて)….なんか…お前…投げにくい
何かってなんだよ!はっきり言えよ!!
何かははっきり分からん。でも投げにくい!何だろう…顔かな?笑
投げやすい顔ってどんな顔だよ!!つーかマスクしてるから、顔よく分かんねーだろ!!
おそらくピッチャーの子どもが投げにくいのは、キャッチャーの構えに安定感がないからです。
キャッチャーは構えたその瞬間に、実力がある程度分かります。細かい構え方は後述しますが、ある程度雰囲気が出ているものです。
その雰囲気をピッチャーは敏感に感じ取り、「投げにくい」「投げやすい」と言っていきます。(ピッチャーって自己中心的なやつが多いですから)
どうせなら「投げやすい」と言われるキャッチャーになりたいものです。
ピッチャーが投げやすいと感じれば、自然と投球にテンポが生まれ、結果的に制球力の安定につながります。
そのために必要なことが「三角形」をイメージして、構えることです。
キャッチャーは三角形をイメージして構えろ!
数ある形の中で、最も安定感がありそうな形は何だと思いますか?
ついでに僕は「三角形」が最も安定しているように思えます。ピッチャーにとって投げやすいキャッチャーの構えは、「三角形」を作ることから始まるのです。
三角形に構える秘訣1:足の幅
大抵初心者にキャッチャーをさせると、足は閉じ、背筋を伸ばし、グローブは突き出したうえ、右手はしっかり背中に回した構えをとります。
まあ、教えてないから仕方のないことですが…
まず安定感のある構えのためには、三角形の底辺をなるべく長くとりましょう。
図のように足はベースの幅に合わせて開きます。こうすることで、三角形の底辺を長くすることができ、ピッチャーから見て安定した構えに見えます。
三角形に見える秘訣2:若干前かがみ
高さがある三角形と、高さがない三角形ではどちらの方が安定感がありそうですか?
おそらく高さがない方が、安定感がありそうですよね。キャッチャーとして構える時、背筋を伸ばすと大きく見える反面、高さがあるため安定して見えません。
なので構える時は、若干前かがみにすると良いです。ちょうどつま先に体重が乗り、かかとが1cmくらい浮いている状態をイメージしてください。
こうすることで、地面に目が近くなり、ショートバウンドも止めやすくなります。
まずはこの2つを意識して構えてみよう!結構見た目が変わるはずだ!
ちょっとした違いなんですけどね。
この違いで、ピッチャーが気持ちよく投げられるのなら、やってみた方が良いだろ?じゃあ、次からはキャッチャーの構えについて、細かいところを見てみよう!
制球しやすいキャッチャーの構え方はミットにもあり!
次は構えた際のミットや腕・肘についてです。
基本的な構えについては、ボールを上手く捕球することと共通しています。
もしも「うまく捕球が出来ない」「良い音が鳴らない」「ボールがグローブの中で暴れる」という人がいれば、こちらの記事を参照してください。
ミットの捕球面を大きく見せる
よく指導者は制球が乱れているピッチャーに「ミットだけ見ろ」と言いますよね。
ピッチャーはキャッチャーのミットに向かって投げます。そのミット(的)が小さいと、当然投げにくいですよね。腕がしっかり触れなかったりするものです。
ミットの捕球面をなるべく大きく見せるためには、親指を突き出すように構えましょう。
とくに低めに構える時は、ミットの重たさに手が負けて、捕球面が大きく見えなくなる時があります。
低めに構える時ほど、手首を立て、親指を突き出して構えましょう。
ミットを突き出し過ぎず、肘を柔らかく使える角度に
初心者の場合、ミットを突き出すように構え(肘がまっすぐ伸びている)ていることがあります。
無理のない程度に体の近くにミットを構え、低めに構えるほどマスクも近づけましょう。
こうすることで、目から近い場所で捕球でき、取りこぼししにくくなります。
また肘はボールの衝撃を吸収するように使いましょう。決してボールを掴みにいかないでください。
カーブなどで高めから真ん中周辺に落ちてくる変化球は、なるべく体の近くで捕球することで、審判から見たときストライクに見えやすくなります。
俺(キャッチャー)が構えた真ん中に投げときゃコースは決まる!
よほどピッチャーが荒れているか、バッターが100%打てないと思わない限り、キャッチャーがど真ん中に構えることはなかなかないと思います。
基本的にアウトコース、インコースそれぞれのコースを指定する際、ベースの両端のラインに体の中心を持ってきましょう。
こうすることで、ピッチャーは「最低限キャッチャーの構えた真ん中に投げれば、コースは決まる」と安堵します。
安心した気持ちは、投球の安定にもつながり、試合の安定にもつながるのです。
できるキャッチャーの構え方はフレーミングにも効果あり
フレーミングとは、ボールとストライクの微妙なコースを「ストライク!」と言わせる、キャッチャー独特の技術です。
これまで紹介したキャッチャーの構え方を実践すると、自然と主審がストライクをコールする回数が増えます。
そもそもフレーミングにおける技術とは
フレーミングの意味は分かりました。では、そのフレーミングの技術を紹介します。
- 外側から内側(ストライクゾーン)に移動しながら捕球
- 捕球した瞬間「ピタッ」とミットを止める
フレーミングにおいては、別記事で詳しく述べていますが、簡単に紹介するとこのような技術が必要です。
では、キャッチャーとの構え方との関係はどんなものなのでしょう。それは、安定感ある構え方をするキャッチャーはグラブも安定して動くのです。
この安定した動きは、審判にとってすごく安心感を与えます。
主審からみた安定感ある構えとフレーミングの効果
一球たろうは、主審を何度も務めてきました。その中で、安定感ある構えをするキャッチャーとそうでないキャッチャーの場合、安定感ある方がはるかにストライクをコールしたくなります。
何せボールがよく見えるからです。
もちろん主審は、ボールの軌道を集中して見ていますが、キャッチャーミットがふらついていたり、キャッチャーの身体がブレると、単純に不安に思います。
「自分に当たる可能性がある」からです。審判だって怖いです。
その点、安定した構え方のキャッチャーは、ボールに集中できるため「ストライクをコールしたくなります」。
つまりフレーミングに効果あり、ということですよね。
フレーミングと構え方が与えるピッチャーへの影響
キャッチャーの安定した構えは、ピッチャーの安定感にもつながります。
単純にピッチャーから見ると「投げやすい」と思える構えなわけですね。そうなると、アウトコース低めのシブい所や、インコース高めの攻撃的な所にも投げ分けが可能です。
つまり「審判にストライクをコールさせる」ことを、ピッチャーを介して促すわけですよね。
際どい所を投げ分けるバッテリーは、主審に「このバッテリーが『ストライクだ!』というような態度を取ったらストライクなのかな?」と思わせます。
つまり、構え方とフレーミングでバッテリーが主審に対してマウントを取るわけですね。
構え方一つでこんなにもピッチャーは気持ちが違うんですね。
そんなもんだな。「ピッチャーを手のひらの上で自由に躍らせる」踊らされているのに気づかせないことが、キャッチャーとしての仕事の一つだな。
ピッチャーが「安心して」投げやすいキャッチャーの構え方!:まとめ
キャッチャーの構えが安定していると、ピッチャーの制球も安定します。そのために必要なのが「三角形」をイメージした構えをすること。
キャッチャーの構えで必要な「三角形」を生み出すためには、「ベースの幅に合わせて足を広げる」「若干前かがみで構える」ことが大切です。
さらにグローブの捕球面を大きく見せ、体の近くで構えることで、ピッチャーの制球が安定するどころか、審判の判定を思ったものに近いコールを引き出せます。
ピッチャーをうまく操って、キャッチャーの楽しみを感じましょう。