この記事では足を上げるバッティングのメリットとデメリット、さらにはデメリットを克服するための練習法を紹介しています。
バッティングフォームを考えたときに、足を上げるのと上げないのとでは大きな違いが出てきます。
それらを理解していないと、特に初心者は永遠に打てません。
もしも足を上げるかどうかで悩む方は、一度メリット・デメリットを見直したうえで、デメリットを克服する練習をしてみませんか?

野球指導歴10年の一球たろうがご紹介します!
(もっとバッティング「いろはのい」を知りたいという方は、こちらの記事が参考になります。)

足を上げるバッティングフォームのプロ野球選手

監督。今バッティングフォームのことで悩んでいるんですけど、足って上げた方がいいんですか?それとも上げない方がいいんですか?

個人的には足は上げない方が好きだが、それは人それぞれだな。お前はどっちがいいんだ?

やっていて「足を上げたバッティングフォーム」の方がしっくりきます。

じゃあ、足を上げる方向で考えていこう。ただ、そのメリットやデメリットは抑えておこうな!まずはバッティングの基本、上手なプロ野球選手を例に見てみよう!
バッティングで足を上げるか、上げないかは、これまで野球をやってきた人なら一度は迷ったことがあるのではないのでしょうか。
結局はどちらでも良いのですが、そのメリットやデメリットは抑えておきたいところですよね。
まずは足を上げるバッティングフォームのプロ野球選手を見て、イメージを掴んで考えてみましょう。
足を上げるバッティングフォームのプロ野球選手1:山田哲人
Mr.トリプルスリーの山田哲人選手は、他の選手と比べるとかなり足を高く上げるバッティングフォームが特徴です。
また、足を上げている最中も「必ず足のどこかが動いていて、止まることがない」という点は注目ポイントですね。
初心者は大抵何も言わずバッティングをさせると足を上げます(やっぱりバッティングは足を上げるイメージが強いのかな?)。
その時のフォームは大体、足を上げて一瞬止まりますよね。同じ足を上げるバッティングでも、山田哲人選手のフォームとは違うことが分かります。
足を上げるバッティングフォームのプロ野球選手2:坂本勇人
若い時から巨人をけん引し、2019年に本塁打40本でリーグ2位の成績を残した坂本勇人選手。
山田哲人選手と比べると足は高く上げませんが、上げた足を蹴るように一度前に突き出すのは、山田哲人選手と共通している点です。
後述しますが、坂本勇人選手は足を上げた後その勢いを利用して、力強く体重移動し強烈な打球を生み出しています。
足を上げるバッティングフォームのプロ野球選手3:
トリプルスリーの達成や、常にホームランランキング上位にいる柳田悠岐選手はホークスには欠かせない存在です。
坂本選手や山田選手と比べると、足を垂直に上げ、足先を突き出すしぐさはありません。
とは言ってもスイングは足を高く上げるスタイルが、超豪快なスイングの助けをしていることに間違いはないでしょう。
足を上げるバッティングフォームのプロ野球選手4:秋山翔吾
2020年からレッズに入団しメジャー挑戦をしている秋山翔吾選手。
他の選手と比べると、上げた足を内股に絞り込んでいるのが特徴的です。
これも後述しますが、軸足の股関節にしっかり体重を乗せた足の上げ方をしていると言えるでしょう。
足を上げるバッティングフォームのメリット
監督やコーチによって、バッティングフォームには考え方があります。その中でも足を上げるかどうかは、指導者の好みでも左右されるもの。
とは言っても、結局は自分で選び取っていくのがバッティングフォームです。
足を上げるメリットを理解して、自分はどんなバッティングがしたいのかイメージしましょう。
足を上げるメリット1:インパクトの強さ
足を上げるバッティングフォームは、足を上げない方法と比べて、勢いがつけやすく力強いインパクトができるメリットがあると言えるでしょう。
先ほどの柳田選手のバッティングフォームなどは良い例です。
足を上げた分、反動を利用できるためバットに体重を乗せやすく、ボールが遠くに飛びます。
「ボールを遠くに飛ばしたい」「力強い打球を打ちたい」という方には、足を上げるバッティングが良いのかもしれません。
※もちろん足を上げない選手でもボールを遠くに飛ばす選手はいます。
足を上げるメリット2:軸足の股関節に体重を乗せやすい
足を上げるにしろ、上げないにしろ、バッティングに必要なのはテイクバックを取った時、軸足の股関節に体重を乗せること。
そうすることで、「割れ」が作れ、タイミングを合わせやすいし、軸足の力を前に押し出してボールを強く叩けるからです。
写真の状態が、割れを作れている状態。
足を上げるバッティングフォームは、足を上げない方法より体重を乗せやすいバッティングフォームです。
「足を上げて打て!」と言われる選手は、おそらく「軸足に体重が乗ってなく、スイングが弱弱しい」と言われているのと同義だと思います。
足を上げるバッティングフォームのデメリット
足を上げるバッティングフォームは、「力強い打球」や「割れを作りやすい」と言った点でメリットがあると言えるでしょう。
しかし、足を上げることによるデメリットも存在するのは確かです。
足を上げるバッティングフォームのデメリット1:下半身がふらつく
足を上げたとき、内転筋や脚全体の筋力がない選手は足を上げたときに下半身がふらつきます。
下半身がふらつくということは、上半身もふらついており、そのような状態でボールをミートできるわけがありません。
姿勢が安定しないため正しくボールに力を伝えることもできず、足を上げるメリットを失くしてしまう恐れもあります。
つまり足を上げるバッティングフォームにしたいならば、下半身がふらつかない筋力をつけなければならないということですね。
足を上げるバッティングフォームのデメリット2:タイミングを合わせにくい
足を上げるということは、足を下ろさないとバッティングに入れないということです。
またピッチャーのモーションに合わせて、どのタイミングで足を上げるのかというのも問題になります。
さらにそれはピッチャーの投球スタイルによっても変えなければならないということ。
初心者の場合、それができておらず見当違いのタイミングで足を上げるため、全くタイミングが合わないという事態が発生します。
この点におけるデメリットは非常に大きいと思われ、個人的に初心者は、すり足を教えた方が打率は残せている気がします。
足を上げるバッティングフォームのデメリット3:足を下ろしたときに体が突っ込む
ピッチャーはタイミングを外してくる生き物です。足を上げて下ろしたとき、割れが作れておらず着地と同時にスイングを開始してしまう選手がいます。
そうなるとストレートを待っていて変化球が来た、といった事態に対応できず、体が突っ込んでしまい力強いスイングができません。
これまた初心者で起きやすい現象で、大きなデメリットであると言えます。

うーん。何だかデメリットの方が大きいような感じがします。バッティングでは足を上げない方が良いんですか?

そういう訳ではない!実際に足を上げたバッティングフォームでもバコバコ打っている選手はいるしな!次の項目では、デメリットを克服するために最も重要なことを伝えよう!
足を上げるバッティングフォームのデメリットを克服する練習
先ほどから何度か登場している「割れ」。これができれば、足を上げるバッティングのデメリットは克服できます。
割れは軸足の股関節に体重が乗せられるかが重要。その練習方法がこちらです。
この練習は家でも簡単にできるしバットがなくてもできる練習です。
ある強豪校では、素振りの前に割れを作る動きを500回させる、とも聞いたことがあります。
(こちらの記事にも詳細で詳細を紹介しています)

それほど重要な動きなのです。特に足を上げて着地したときに、体重移動してしまう選手であれば、この練習を何度もやってみるのをおすすめします。

この練習を何度もやれば、足を上げるバッティングのメリットを残しつつ、デメリットを解消できるわけですね!

そういうことだな!しっかり下半身を沈み込ませて、「下半身の力を使っている」ことを感じながら練習すると、効果的だぞ!特に股関節が熱く感じられると良いイメージができていると言えるな!

早速今日家に帰ったらやってみます!

今日だけじゃなく、良いクセとできるようにいつもやる習慣をつけよう!
バッティングで足を上げるメリットとデメリットは?デメリット克服練習法も!:まとめ
バッティング時に足を上げる、上げないは結果が残せるのであればどちらでも良いです。
しかし足を上げるバッティングのメリット・デメリットは理解しておくことで、今後打てなくなったときにヒントとできます。
足を上げるバッティングフォームのメリットは「強い打球が打てる」「軸足の股関節に体重を乗せやすい」ことです。
デメリットは「下半身がふらつく」「タイミングを合わせにくい」「足を下げた時に突っ込む」ことが挙げられます。
デメリットを克服するために、「割れ」を作れるようにすることが重要で、割れを作る練習は家の中でできる練習です。毎日やって習慣化することで、デメリットの解消が図れます。