バットの握り方は本当にいろいろです。代表的な2つがパームグリップとフィンガーグリップ。
初心者に何も言わずにバットを持たせると、ほぼパームグリップになります。そもそもパームグリップ・フィンガーグリップの違いは何なのか。
また、初心者であればどちら握りの方が良いのでしょうか?他にも一風変わったバットの握り方もご紹介しています。
初心者たちを長年見てきた一球たろうが紹介します。
パームグリップとフィンガーグリップの握り方、その効果
監督!なんだかうまくミートできないんですけど、ちょっと見てもらえますか?
おう。ちょっと構えてみろ。
はい。こうですか?
握り方を変えてみようか。その握り方だとミートはしにくいよ。
握り方に違いなんてあるんですか?何も考えてなかったです。
何も教えてなかったらそうだろうな。すまん×2。基本的なバットの握り方を2種類教えるからよく聞いとけよ!
バットの握り方には大きく2種類あります。
- パームグリップ
- フィンガーグリップ
の2つです。それぞれの握り方を紹介します。
この2つの握りが習得出来たら、指先にも握り方の工夫が必要です。
パームグリップの握り方
パームグリップはまず、指の付け根にバットを置きます。
その状態でバットを握り、手のひら全体でバットを握るイメージを持ちましょう。
パームグリップだと、右手と左手それぞれの第二関節と第三関節が縦に一直線になります。
大抵初心者の場合、この握り方になるので現状のバッティングの成績と照らしながら、握り方の変更をするかどうかを判断してください。
フィンガーグリップの握り方
フィンガーグリップの場合、指の第二関節にバットをかけるようにして握ります。
パームグリップが「手のひら全体」で握るのに対して、フィンガーグリップは「指全体で」握るイメージです。
その際に、第二関節がなるべく縦一列に近い状態で握りましょう。
後述しますが、この握り方がバットコントロールをしやすくする握り方になります。
パームグリップとフィンガーグリップの効果の違い
パームグリップとフィンガーグリップでは、どのような違いが出るのでしょうか。
自身のバッティングスタイルや理想のバッティングと重ね合わせながら、どちらで握るか判断しましょう。
効果 | |
パームグリップ | 力強い打球になりやすい |
フィンガーグリップ | バットコントロールがしやすく、ミートしやすい |
パームグリップは力を伝えやすい握り方のため、打球は力強くなります。
そのため力が強いホームラン打者は、この握り方が多いようです。
一方フィンガーグリップは、手首の脱力がしやすく、指にかけるように握ればほとんど力がいりません。
そのためバットコントロールが向上し、ミートしやすい握りになります。
そうなると、僕はフィンガーグリップでしたね。
だから「ミートを向上させたい」って言うなら、フィンガーグリップにしないか?って提案したいんだ。
どの握り方が結果につながるのかやってみるってのが大事そうですね。
プロ野球選手でも見解は分かれているようだな。一度どちらも試してみるといいよ!
握り位置だけでなく、グリップ形状も大きくバッティングの結果を作用しています。
見解が分かれるパームグリップとフィンガーグリップ。結局どっち?
では、バットの握り方はどっちが良いのでしょうか。もちろん成績が残っている方が良いに決まっています。
しかし、そう何度も試合の中で意識できることでもないし、調子やピッチャーによっても成績は変わるので一概には言えません。
今から紹介するのは完全に一球たろう的見解と、指導してきた結果に基づくものです。
一球たろうの見解!初心者は「フィンガーグリップ」
一球たろうから見ると、初心者はフィンガーグリップの握り方の方が結果が出ます。やはり打球の速さも大事ですが、まず初心者にとっての一番の壁が「当たるか当たらないか」。
この問題がある限り、次のステップには進めません。
芯に当たればそれなりの打球は飛んでいきます。またどうしてもパームグリップだと、力が入ってしまう初心者が多く、バットコントロールができませんでした。
そのため、初心者はフィンガーグリップにすべきだと思っています。
さらに、現代ではバットの技術もかなり改良されています。その点を差し引くと、ミート重視の方がいいのかなという気持ちです。
(ミートを重視する理由、近年のバット性能はこちらの記事に参照しています)
パームグリップがクセづいている選手は、勝手にパームグリップに戻る
手や指は、体の中でもトップクラスに複雑かつ細かい動きができます。だからこそ、動きを意識していないときはクセが出るものです。
基本的に「フィンガーグリップ」主義の一球たろうが、選手全員にその教えを説いても、パームグリップでクセづいている子どもは、気付いたらパームグリップの握り方に戻っています。
おそらくそれが打ちやすいのでしょう。だから、どちらの握り方も教えた上で、あとは子ども任せ。
フィンガーグリップの握り方に変えて結果が出た子どもは、おそらくその良さに魅せられて変わっています。
ただ、それらの握り方を教えないことは子どもにとって悲しいことなので、知識としては持っていてほしいですね。
一般的に日本人は「フィンガーグリップ」を選択する
フィンガーグリップとパームグリップの比率を見ると、日本人は圧倒的にフィンガーグリップが多いです。
その理由としては、外国は「パワー」で打球を飛ばす。日本人は「技術」で打球を飛ばすから。DNAの関係上、どうしても日本人は外国人には勝てません。
ではなぜその日本人が、WBCなどでは上位にランクインするのかというと、技術があるからです。
「ボールにバックスピンをかけて、伸びのある打球を打つ」というのは、さすが日本人だからこその発想。ではバックスピンをかけるためにどうするかというと、的確な位置でボールをミートしなければなりません。
となると、ミートしやすいフィンガーグリップの方が一般的には多いのです。
じゃあフィンガーグリップも試してみるかな。
最初は振りにくいかもしれないが、徐々に慣れると思うぞ。そう言う俺は「フィンガーグリップ」だ。
バットの握り方は人それぞれ。ちょっと特殊な握り方
バットの握り方は、パームグリップ・フィンガーグリップの2つが主流ですが、結局成績が伴うのであればセオリーなんて無視して構いません。
いろいろなバットの握り方があるものです。
松田選手は手と手の間が少し空く
松田選手(2020年現在ソフトバンク)はバットの握りが少し特徴的です。右手は構えた時点でほとんど握っておらず、若干左手との間にすき間があります。
この握り方をすることで、右手主導のバットコントロールができます。かなり、右手が強いため「押し込み」の力でヒット・ホームランを量産している、といったイメージですね。
バッティングでは一般的に「上手(右打ちなら右手)」が大事だと言われます。(実は一球たろうは、下手が大事だろと思っていることは伏せます。)
上手でバットコントロールをするイメージが高い方は、少し参考にしても良いかもしれませんね。
グリップに小指をかけて遠心力をフルに活かす
引用:https://www.ssksports.com/baseball/2014第43回三井ゴールデン・グラブ賞受賞選手のお知/
松井秀喜選手や中村剛也選手、中村紀洋選手(個人的に一番バッティングフォームが好き)など、これまでのホームランバッターに多く見られるのが、グリップに小指をかけている握り方です。
この握り方だと、バットをグリップエンド一つ分長く持つことになるので、遠心力をフルに活用できます。
その結果、打球が強く、遠くに飛ぶのです。一方その分バットコントロールはしにくくなります。
フィンガーグリップかつ、グリップエンドに小指をかけて互いのメリット・デメリットを活かし合ってもいいかもしれないですね。(初心者にはおすすめしませんが…)
よく手と手の間が空くと「あ。初心者だな」なんて思ったりしますけどね。
そうではないプロ野球選手がいることには、一目置いておくべきだろうな。
小指をかけた握り方なんてしたことありますか?
ある。小指と薬指と中指の三本で強く握る俺のスタイルでは、結果が出なかったけどな。
どの指に力を入れるなんてのもあるんですね。
これも人それぞれ。その点についても今度紹介していこう。
パームグリップ・フィンガーグリップの違いは?バットの握りいろいろ:まとめ
バットの握り方には主に力強い打球が打てる「パームグリップ」と、ミートがしやすい「フィンガーグリップ」があります。
パームグリップは手のひらで握るように、フィンガーグリップは指で握るようにしましょう。
一球たろう的に、初心者であればミート重視のフィンガーグリップが良いと考えています。しかし、成績が出るのであれば、パームでもフィンガーでも、それ以外でも良いのではないかとも思います。