この記事では、野球をする上で効果的な遊びという名の練習を5つ紹介しています。
子どもは結局子どもです。普段の練習よりは、よっぽど遊びの方が真剣に取り組みます。その真剣さを逆に利用しない手はありません。
遊びだから子どもは喜ぶし、それで野球をやる上で効果的ならば一石二鳥です。
中学生相手に関わってきた体験談を交えながら紹介します。
遊びという名の練習の重要性
おーし。集合~!今日はあと一時間の練習時間…遊ぶぞ!!
マジっすか!やった!何するんですか!?
今日は暑いし水球(一時間極力泳ぎっぱなし)だ~~~!!
おお~~!!!早くプール行こうぜ~~!!
(もしも、遊びではなくまずは練習の質を高めたいという方は、こちらの記事を参照してください。)
子どもは遊びほど真剣になります。同じ効果をもたらす運動でも「トレーニング」と言えば構えてしまいますが、「遊び」と言えば喜んで取り組みます。
自発的に取り組む練習ほど効果が高い練習はありません。練習ばかりでなく、時には野球とはずれた遊び(遊びと言いつつ目的は忘れてはなりません)をやってみるのも意外と面白いですよ。
- 子どもが120%本気で取り組む
- 練習への参加意欲が高まる
- 普段使わない筋肉を鍛えられたり、感覚を養えたりする
- チーム内の人間関係を強化・改善できる
- 子どもと指導者の関係を強化・改善できる
この他にもたくさんの効果があると思われ、だからこそ遊びを練習に取り入れることは重要です。でもどうせ遊びなら、野球につなげたいところ。
これまでやってきて「効果があった」と感じた遊びを、5つ紹介します。
効果的な遊びという名の練習1:水球
夏の練習は暑く、練習一つ一つを効果的にやる、ということ自体難しいです(とくにうちのような弱小チームでは)。
とくに夏休みは個の体力を伸ばす時期だと考えていたので、スタミナや肩の強化、全体的な筋力バランスの向上を目的としていました。
水球をやる目的
そこで思いついたのが水球でした。中学校のグランドで練習をしていたので、プールを利用できます。水球をやる上での目的はこちらです。
- 熱中症のリスクが下げられる(もちろん水球中も水分は失うので補給)
- 泳ぎの運動は肩回りの可動域を広げ、筋力も向上する
- 泳ぎ続けることでスタミナが向上
野球をやる上でも効果的な遊びだと思ったので、計画次第すぐに実行に移しました。
水球のやり方
さすがに僕も子どもも僕も、水球の詳しいルールなどは分かりません。まあ、雰囲気でやっていました。目的を達成すればそれで良いので、このような取り組み方をします。
- 給水タイムを除いて基本時間いっぱい泳ぎ続ける(足を極力プール底につけない)
- 危険な行為は絶対禁止
- ゴールはないので、飛び込み台2~3つ分などで決める
やってみた印象としては、夏の練習(遊び)としては最強に楽しめたのではないかと思っています。
子どももどの練習よりも、ノリノリでやってくれます。しかも終わったあとは、ぐったりしていた様子からスタミナ面でも強化できたのではないかと感じました。
効果的な遊びという名の練習2:カバディ
マイナースポーツとして知られるカバディ。似ている遊びだと「警泥」という遊びがあります(知っていますか?)。
カバディをやる目的
カバディをやる目的はこちらにありました。
- 瞬発力を鍛える
- 前後左右に素早いステップをする
- 素早いステップのための姿勢づくり(腰を落とす)を感覚的に養う
- 視野を広く持ちながらプレーをする(走塁や守備で必要)
野球をやる上で効果的な遊びでした。野球選手は「超短距離走選手」でないといけないと僕は思っています。「一歩目」を向上させる上で、カバディは非常に効果的な練習です。
カバディのやり方
ルールをいろいろ変えているところがあります。
- 3人一組で行う
- キャント(「カバディ」と言い続ける)はなしで、攻撃の制限時間は15秒(早く回すため)
カバディの基本的なルールを説明した動画がこちらです。
やってみた感想としては、守備練習で一歩目のコツを伝える時にカバディを交えながら話ができたので、子どもがイメージしやすかったと思います。
効果的な遊びという名の練習3:バドミントン
バドミントンは、もともと野球をやる上でも効果的であることは実証されています。
あくまで遊びという名の練習という視点で紹介します。
バドミントンをやる目的
バトミントンはシャトルをラケットで打ち返すという面で、野球のバッティングに近いものがあります。また、ラケットを操作する上でも野球に通じる動きが多いです。
- 上からラケットを振り下ろすことで、肩~肘の使い方が分かる
- 手首の利かせ方が感覚的につかめる
- ネット部分でシャトルを捉えなければ飛ばないので、ミート力が向上する
バドミントンのやり方
バドミントンで遊んでいる(練習)時間の前半は、肩~肘の動きや手首の利かせ方を習得するために使います。後半は実際にいろいろな方向に飛んでくるシャトルを、ラケットで捉える練習です。
- 前半:ひたすらラリー
- 後半:試合形式
バドミントンならルールも知っている子どもが多いので、勝手にさせていても大丈夫でした。
Youtubeでも野球とコラボした動画がたくさん掲載されています。バドミントンをやる前にそちらを見させ、目的を伝えても良いでしょう。
効果的な遊びという名の練習4:ボール奪取
ここからは、既存のスポーツというよりは、本当に遊びに近い練習です。効果はしっかり実証しているので、やってみる価値はあると思います。
ボール奪取をやる目的
少しカバディと目的が近い、遊びという名の練習です。
- 瞬発力を鍛える
- 自分の周りの状況を見る
- 状況に応じた瞬間的な判断力と行動力を鍛える
野球はその一瞬で、状況が激変します。例えばランナーが飛び出した瞬間は、1秒ほども時間はありません。その瞬間に判断し、行動できるか、ということは大切です。
それらを鍛える上で「ボール奪取」は効果的な遊びです。
ボール奪取のやり方
ボール奪取の遊びはこのようにやります。
- 四角形の四隅を自分の陣地とする
- 四角形の中央に9個のボールを配置
- 自分の陣地に3つのボールを揃えたら勝ち
- 相手の陣地からボールを奪っても良い
- 手に持てるボールは1個のみ
- 相手の動きを妨害してはいけない
- 一回のプレーは30秒
この遊び(練習)は意外と盛り上がります。そして人から奪うタイプ、正攻法タイプ、いろいろな性格…いや戦術が見られます。
周りの状況を読むことが得意な子どもほど、勝つ確率が高いです。瞬発力はもちろん、頭の使い方を鍛える上では効果的な練習でした。
効果的な遊びという名の練習5:雲梯(うんてい)
子ども時代の遊びにこそ、体を鍛えるすべての要素が詰まっていると考えて間違いありません。
実際に野球を始めたばかりの子どもの初期能力は、小さな頃に外遊びをたくさんしてきた子どもほど高いです。
雲梯をやる目的
雲梯(別名:さるわたり)は、見た目通り腕周辺を鍛える遊びです。
- 手~肩の筋力
- 体幹
腕ばかりでなく、安定した姿勢維持のために実は体幹が鍛えられています。
雲梯のやり方
雲梯をさせるだけだと少々面白みに欠けるので、2パターンの遊び方をやっていました。
- 端から端までのタイムアタック方式
- 両端から2人の選手をスタートさせ、足で挟んで落とさせ合う(蹴ってはいけない)
二つ目の遊びはかなり盛り上がります。しかも、真剣にやっている分腕や肩回り、そして体幹が鍛えられているようでした。
学年や体格に合わせての調整は必要です。また、けんかっ早い子どもの相手は誰がするかなどは、人間関係を見ながら行いましょう。安全面でサポート役を置くことも大切です。
そうみると俺たちいろいろな遊びしていますね。
俺自身が遊びほど子どもが本気になるものはない、と考えているからな。
そりゃ当然だ!ぶっちゃけ俺の気まぐれだ!
その気まぐれがうれいしいです!
遊びだからこそ本気になる!野球をする上でオススメな遊びの練習5選:まとめ
野球の練習ばかりでなく、時には遊びから練習につなげることも必要です。遊びほど子どもが本気になるものはありません。そのため、野球の練習としての効果も倍以上になります。
その遊び(練習)には以下のようなものがあります。
- 水球
- カバディ
- バドミントン
- ボール奪取
- 雲梯(うんてい)
どれも非常に効果的です。目的に応じた使い分けをすることで、チームの見えない部分(人間関係や信頼関係)も築けます。