この記事では球速を上げるために必要な上半身の動きやトレーニングが紹介されています。
ピッチャーをするのであれば、球速に対する憧れは誰もが持ちます。そりゃ球速は速いに越したことはありません。
しかし初心者だと何をどう投げれば球速が上がるのかは、まだ分かるわけないですよね。今回は上半身に特化した球速の上げ方をマスターしましょう。
球速を上げることで考えられるメリット

どおおおおりゃ~~~~~!!

何を叫んでいるんだ…?

いや、どうすれば球速が上がるのかと考えて、まずは「全力で投げる」かなと思いました。

なるほどな。全力で投げればそりゃ球速は上がるけれど、「全力」を意識すると「無駄な力」を生むぞ。結果それで球速が上がらなかったりも…

え~~そうなんですか?じゃあどうすれば球速が上がります?

球速を上げるといっても、細かいところを言うとキリがないから、今回は上半身の動きに注目して説明しよう!
球速が遅くてもバッターを討ち取ることはできます。
しかし球速は速いに越したことありませんし、球速の最速値が大きいからといって遅いボールを投げられないわけでもありません。
そしてやはりピッチャーとして、「力でねじ伏せるストレート」は一つの武器になります。
だからこそ球速を上げたいところですが、初心者の場合うまく体が使えていないことが原因で、本来の力を発揮できていない場合が多いです。
そこでまずは球速を上げることのメリットを並べましょう。
- 最大値を増やすことで他のボールとの緩急をつけられる
- 力勝負に負けなくなる
- バッターが判断する時間が短いため、ボール球でも振ることがある
- 他多数
たくさんありますが、まずは変化球との緩急が大きくなるのはメリットです。
160km/hのストレートの後に、90km/hのカーブを見ると遅さにびっくりするはずです。一方100km/hのストレートの後に90km/hのカーブだとそこまで驚きません。
この緩急をつけられるのは大きな武器で、ストレートが走るからこそ変化球が生きると言われるゆえんです。
他にも多数ストレートのメリットはあります。球速を上げるだけでなく、その活かし方も理解しておきましょう。
球速を上げる「腕の使い方」
球速を上げるための腕の使い方には以下のようなものを意識すると良いでしょう。
- ムチのように腕を使う
- 大腿(もも)を叩くくらい振り抜く
- グローブを体の近くに引く
初心者が意識すべき上半身(腕)の使い方はこの3点です。
一つ一つ見ていきましょう。これができるだけでも球速は数km/h上がるはずです。
ムチのように腕を使う
タオルを使って人を「パチン」と叩いたことは、意外と多いのではないかと思います。(ダメですよ)
それをするときのタオルの動きはまさに「ムチ」です。先端を走らせるために、タオルの曲がっている部分を少しずつ先端に近づかせると先端が「パチン」となりますよね。
そのイメージで腕を使いましょう。
とはいっても関節は有限なので、胸⇒肩⇒肘⇒手首⇒指の順番でムチのような動きをイメージしてください。
またこれらをやるためにも肩甲骨のストレッチをやっておけば、より腕をムチのように使え、結果的に球速が上がります。
(こちらの記事により詳しく「ムチ」について書いています)

大腿(もも)を叩くくらい振り抜く
よく指導者がピッチャーに対して「腕が振れてない」と指導しますよね。
腕が振れていないといっても基準がなくて、イメージがしにくいです。
そこで「ももを叩くくらい」が腕を振れている状態と考えましょう。
引用:https://yakyutaro.jp/r.php?hash=501wJ
このダルビッシュ有選手くらいが参考になる「腕の振り」です。
右手がももの向こう側まで行っていますよね。これが腕が振れた状態。
また腕を振り抜くとき、先ほどの「ムチのように」を常にイメージしておくとより腕の振りが早くなります。球速アップだけでなく、制球力のアップにも欠かせないので、ピッチング練習から意識しましょう。
グローブを体の近くに引く
球速を上げるために必要な腕は、投げ手だけではありません。グローブをしている方の手の使い方も重要になります。とくに初心者の場合、グローブを体の近くに引けていないのをよく見ます。
ボールが手を離れるときに、グローブの人差し指~小指の
外側の部分を体に引き寄せていますよね。
ただ体に引き寄せるのではなく、この部分を引き寄せることで体を旋回させやすくなり、球速アップにつながります。

監督はよく「ムチのように」って使いますよね。

投げる時だけでなく、バッティングでもこの感覚は重要だからな!

あのタオルで叩くときの感覚ですよね。よく兄からされます。笑

人に向かってするのは危ないからやめておけよ。苦笑
球速を上げる「首~肩の使い方」
腕の次は、首~肩にかけての使い方を改善して球速アップにつなげましょう。
首~肩は
- 首が早くから曲がっていないか
- 肩が開いてしまっていないか
この2点を注意するように見ましょう。
首が早くから曲がっていないか
よく思いっきり投げようとして、首が早くから曲げ、あごが上がって(右投げだと左側)しまう子どもを見かけます。
そちらの方が力が引き出せそうですが、首の曲がりが早い場合力がキャッチャー方向に真っすぐ伝わりにくくなります。
最終的に首も曲がるのは確かです。ただ意識的に、キャッチャーに対して100の力が進むようにしなければなりません。
図のように首が早く曲がってしまうと、右投げの場合左側に体が流れてしまいます。
そうなると、100ある力のうち例えば30が左に流れてしまい、まっすぐに向かう力が70しかなくなります。
この30の分が力のロスにつながり、球速をアップを阻んでしまうのです。シャドーピッチングなどで、確認する必要がありますね。
肩が開いてしまっていないか
先ほどの話の延長線になります。
首が早くに傾けば、その分グローブ側の肩も早く開いてしまいます。こうなればまた100の力が真っすぐに向かいづらくなってしまいます。
基本的にぎりぎりまで肩は開かないようにし、力を入れるその一瞬で肩を旋回させましょう。
また真っすぐ力が向かうようにできるだけで、球速も上がるし、コントロールも良くなります。
ピッチャーとして身に付けたいクセなので、シャドーピッチングで繰り返し確認してください。

どうしても力を入れようとすると、体が傾いちゃいますよね。

気持ちは分からんでもないがな。球速を上げるための下半身の動きでも「まっすぐ」は重要になるから、感覚はつかんでおきたいな。
球速を上げるための上半身トレーニング

体の使い方を覚えるのも大切だが、もちろん基本はトレーニングによる球速アップだ!

どーせ監督のトレーニングなんで鬼みたいなメニューなんですよね?

「どーせ」は余計だ。きちんと小学生や中学生の初心者向けのトレーニングを紹介している!

家でもできるようなものですか?

家だからこそやりやすいものを紹介している!先ほどの「真っすぐ」のためにも必要なトレーニングだ!しっかりやっておけ。
家でもできる簡単で負荷が大きすぎないトレーニングを紹介します。これで球速も上がるので、少しの苦労を毎日積み重ねましょう。
体幹トレーニング
野球だけでなくすべてのスポーツで「体幹トレーニング」は重要です。
球速を上げるための「真っすぐ」の姿勢を維持には、腹筋と背筋でしっかり体の軸を支えなければいけません。
家のテレビの前で
この状態を30秒キープを5セットやるだけで十分効果的です。このトレーニングは腹筋が鍛えられます。
また背筋を鍛えるためにはブリッジをしましょう。腹筋と同じセット数をこなしてください。
チューブを使ったインナーマッスル強化
チューブを使ったインナーマッスルの強化によって、球速を上げられます。
スクワットのようなきつさはないので、比較的持続しやすく、テレビを見ながらでも簡単にできます。
チューブがあれば、上半身を中心にいろいろな部位を鍛えることができます。
自宅で練習をするやる気のある初心者で、早く初心者を脱したいのであれば持っておくべきアイテムです。
地獄の腕立て伏せは確実に球速アップへ
もっとやる気があり、1か月で2~3km/h球速を上げたい人は地獄の腕立て伏せをしましょう。
腕立て伏せでは、腕の広げ方や手を置く位置によって鍛えられる部位が変わります。
とくに肩甲骨や胸周りに「くる」腕立て伏せをやりましょう。一例を紹介します。
- 通常の腕立て30×3セット
- 拳を作って30×3セット
- 指先を左右に向けて30×3セット
僕のチームでは2日に一度この練習に取り組んだこどもが、1か月で3km/h球速が上がりました。毎日やっても効果は薄くなるので、適宜筋肉を休めることをおすすめします。

最後の腕立てしんどそうですね。

まあ家でやる分にはまず、自分にできそうなことから継続することだ。

それなら体幹トレーニングをやります。

目に見えた効果が表れると、自主トレをする楽しさが出てくると思うぞ!がんばれ!


球速を上げるための上半身の使い方やトレーニング!初心者投手必見講座:まとめ
球速を上げることで、変化球との緩急をつけやすくするなどの効果があります。球速の最大値を上げて損は一切ありません。
球速を上げる腕の使い方は「ムチのように腕を振る」「ももを叩くくらい振り抜く」「グローブを体の近くに引く」ことが大切です。
球速を上げるための肩~首の使い方は、早い段階から首を曲げないや、肩を開かないことを意識しましょう。
球速を上げるために、体幹トレーニングやいろいろな種類の腕立て、チューブを使った腕周りの筋トレが必要です。