この記事では野球初心者のバッティングレベルを上達させるコツを紹介しています。
初心者のバッティング指導をしていてありがちなことといえば「言いたいことがありすぎて、コツを教えすぎてしまう…」結果的に初心者は混乱します。
混乱を招かないためにも「初心者」に対して教えるコツを絞りましょう。紹介するコツだけに絞って教えれば
1試合1本のヒットも夢ではありません。
初心者のバッティングを上達させるコツ1:マネ
初心者のバッティングを上達させるためには、上手な選手のマネをする状況に追い込む必要があります。
- 憧れの選手の設定
- (できれば)全身が映る鏡
- 「憧れの選手が分からない」という子どもへの対応
子どものバッティングを上達させるための、必須3条件です。
マネをする「あこがれの選手」を設定する環境はバッティング上達の土台
監督。俺初心者なんですけどバッティングのコツって何ですか?
コツか。挙げればきりがないぞ…
それでも「これだけは」ってのを教えてください。
わかった。「最初に身に付けるべき」をテーマに教えるぞ。まずはプロ野球を見ろ。
え?どういうことですか?
まずはプロ野球中継を見せてください。「家で父ちゃんが巨人戦を毎日見てる」なんて時代は2つ前の元号(昭和)の時代の話です。
今の子どもたちは意外と野球中継を見ていません。
見てもスポーツニュースくらいですしそもそも、ニュース番組を見てる子どもも少ないです。
そのため「あこがれの選手」がはっきりしません。初心者がバッティングを上達させるために一番大事なことは上手な選手のマネをすることです。
これは初心者に限ったことではありません。
どれだけ成長してもスランプはやってきます。調子の上がり下がりは必ずやってくるものです。
その時に他者に学ぶ姿勢がないと絶対に壁は突破できません。
しかし「あこがれの選手」がいない子どもはバッティングにおいてもプロ野球選手のマネをしません。
プロ野球選手がなぜプロなのかというと「野球が上手だから」ですよね。
「誰のマネをすれば良いか分からない」のであれば、こちら↓の記事が参考になります。
その上手な人のマネをすることが初心者がバッティングを上達させるの第一歩です。保護者の方の見たいテレビがあるかもしれません。しかし目の前の子どもがかっこいいフォーム
でヒットを打っているところを想像してください。その時にどのような表情をしていますか?
見たいテレビがあるかもしれませんがまずはプロ野球中継を見せましょう。
一緒に地元のチームやひいきにしているチームを応援しましょう。
初心者でも野球をやっているのであれば多少興味を持って子どもは見ます。
興味なさそうにスマホを見ていても実況や解説者が叫んだときは絶対にテレビを見て「誰が打ったの?」と聞いてきます。
その回数が繰り返されれば必ず「よく名前の挙がる選手」が出てきます。
それが子どもの「あこがれの選手」になるのです。バッティングを上達させたいのであれば「あこがれの選手」を作ってマネさせるべきです。
マネをする「アイテム」があれば初心者でもバッティングは効率的に上達する
お父さん。俺巨人の坂本選手みたいなバッティングがしたい!
お。なかなか良い選手に目を付けたな。どれ外で見てやるよ。
いいですね~素敵な家族です。「あこがれの選手」を決めたらどんどんマネをさせましょう。
そのために便利なアイテムを紹介します。これは実際に僕も指導のなかで使っています。
- スローモーション又はコマ撮りできるカメラアプリ
- 大きな鏡(なければ家の窓でも十分)
僕はスマホのアプリで「スローモーションビデオFX」
引用:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.mobile.bizo.slowmotion&hl=ja
というカメラを使用しています。子どもは意外と自分がどのようなスイングをしているのか知りません。
映像として自分のスイングを見せることは大切です。
そして、Youtubeなどで「あこがれの選手」のバッティングフォームをスロー再生して自分のスイングと比較します。また、家に大きな窓があればそれも良いです。窓の向こう側を暗くしておけば自分の姿が映ります。
シャドウピッチングならぬシャドウ素振りですね。
また、ドアスイングによるバッティングへの影響も考えられます。シャドウ素振りではその確認もしやすいので、おすすめですね。
後述しますが、シャドウ素振りはスイング時の軸の安定を確認するときなどに非常に便利です。これだけでプロ野球選手のマネをすることができます。
何度も言いますがバッティングやピッチングが上手だからプロなのです。
上手な選手のマネが一番の近道であり、基本であることは忘れないでください。
初心者にバッティング上達のコツを教える「マネすべき野球選手」
プロ野球選手といってもこれまで数々のプロ野球選手がいるのでどれが初心者に合うか分かりませんよね。
さらに言えば子どもがこちらの期待通りに「あこがれの選手」を持ってくれるとは限りません。
だから僕が思う(個人的にマネしてきた、又は、マネすべきと思う)過去、現在のプロ野球選手をピックアップしました。僕がある子どもに「○○選手をマネすれば打てるぞ」と教えると、その子どもは完コピして打率が1割上がりました。
左打者 | 右打者 |
福浦選手(元ロッテ) | 鈴木選手(広島) |
松中選手(元ソフトバンク) | 中村選手(西武) |
森選手(西武) | 村田選手(元横浜、元巨人) |
個人的にバッティング上達のコツを教えてくれるのは上記の選手だと思っています。
選出の理由は「フォームがきれい」だということです。かっこ良くてきれいなバッティングフォームはバッティング上達のためのコツの宝箱です。もちろんこの選出にはかなり個人的な好みも反映されています。
「誰をマネすれば良いか分からない」と子どもが言うのであれば、上記の選手をおすすめします。
巨人の坂本選手がいないっすよ。
君が「坂本選手が良い」と言うなら、坂本選手をマネすべきだよ。
初心者のバッティングを上達させるコツ2:フォームチェック
PDCAサイクルってご存じですか?
P(プラン:Plan)D(ドゥ:Do)C(チェック:Check)A(アクション:Action)
のことです。計画して、やってみて、チェックしてから、改善する。物事はPDCAサイクルで成長すると言われます。
- あこがれの選手を決める(P)
- フォームをマネてみる(D)
をしたらフォームチェック(C)をして修正(A)をしましょう。
今から紹介する内容はおそらくどの選手もきちんとできている内容だと思います。バッティング上達のために最低限できてほしいフォームを手に入れましょう。
初心者がバッティングを上達させるために必要な「軸をぶらさずに振る」コツと練習方法
よっしゃー!素振りしまくるぜ!1・2・3・4
まてまて、数をこなすのは大事なことだが、フォームもおろそかにするな。力任せの50本の素振りより、1つ1つ丁寧に振る10本の素振りの方がはるかに効果的だ。
バッティングにおいて初心者が最も引き起こしやすいのが軸のブレです。
すごく簡単に、ざっくり説明するとバットを振る前と振った後の頭の位置が変化することは好ましくないということです。
写真は巨人阿部選手のコマ送りです。
赤い線は阿部選手の後ろにある「竹中工務店」の文字の右にある支柱を基準につけています。
阿部選手の顔がフォロースルーの時以外ほとんど動いていないことが分かります。
顔がブレるということは目がブレるということです。テイクバックを取ったときの視界で脳は「これならこのポイントで打とう」と判断してバットを出します。
しかしいざ振ったときに目がブレているとその誤差分がポイントのズレにつながります。結果うまくとらえることができません。
初心者になればなるほど目のブレはかなり大きくなります。試しにバットを構えた状態で写真を一枚とり、振った後にもう一枚カメラは同じ位置で写真を撮ってみてください。
最初の一枚の頭の位置に一本棒を刺すように基準を定め二枚目の頭の位置に一本棒を刺してみると、かなり移動してしまっていることが分かります。
これを修正するために鏡、または窓を使ったシャドウ素振りが有効なのです。
先ほどの阿部選手の写真のように鏡に映った自分の背景の中にある基準となるもの(柱など)に頭の位置を合わせて構えます。
その位置からなるべく動かないようにバットを振る練習をしてください。保護者の方が横から見ているとより効果的です。これが軸をブラさない練習です。
下半身の使い方のコツが初心者にとって分からない…
お父さん。俺の軸がブレてないか見ててよ。
よし、見てやろう…確かに軸はブレないが力強くなさそうだな。
本当に?言われた通り軸をブラさないようにしてるんだけどな。
ここからがこのサイトの本領発揮のしどころです。このサイトのコンセプトは初心者やなかなかうまくならない子どもを対象としています。
センスのある子どもなら「軸がブレないように」である程度振れるでしょう。しかし、初心者はそれに固執するあまり。下半身の使い方がおかしくなってしまいます。
どういうことかというと軸はブレないけど、体重移動ができないスイングになってしまいます。
これだと力強いスイングになりません。ボールが当たっても飛びません。体重は「移動」しているのに軸は「ブレない」この矛盾が初心者や初心者を混乱させます。
簡単に言うと
- (右バッターなら)右太ももの「内側」に体重を込めて構え
- インパクトの時に力を左太ももの「内側」に体重を移動させる。
ということです。これができれば体重「移動」をしつつ、軸はブレません。
先ほどの阿部選手の写真で言うと赤くしているところが体重が乗っている部分です。両ももの「内側から内側へ」がポイントです。
これがももの外側(気を付けしたときに手が当たるところ)に体重が乗ってしまうと力が違う方向に逃げてしまいます。もったいありません。
この練習をするためには内転筋を鍛える必要があります。
↑内転筋の効果的な鍛え方とストレッチ
この体重移動の教え方は簡単です。(右バッターなら)
右の膝の内側を、左の膝の内側にぶつけるように教えてあげてください。
しかし、これでも初心者の体は感覚を掴めません。むしろへっぴり腰のフォームになります。
だから膝の内側をぶつけるのと同時に「腰もしっかり回転させること」も教えてください。これでスムーズに体重移動ができ、軸もブレなくなります。
かっこいいバッティングフォームを!初心者が上達するためのフォロースルーのコツ
引用:https://fkmaxg.com/orix-2019?share=google-plus-1
バッティングの最上級の結果「ホームラン」ボールをとらえた瞬間「入った」と思うあの瞬間は何とも言えない爽快感があります。
ホームランを打つということは「最高のバッティング」ということです。だからそのホームランを打った瞬間にはたくさんのバッティングのコツが隠されています。とくにここで注目したいのはフォロースルーです。
フォロースルー(ボールに当たった直後のバットの動き)がかっこいいときは、絶対に良い当たりを打った時。
よくバッティングの始動からフォロースルーまでを「後ろは小さく、前は大きくしなさい」という教え方を聞きます。はい、その通りです。
しかし、初心者やバッティングが苦手な子どもはその意味がさっぱり分かりません。いつも「コンパクトに打て」というくせに「前=フォロースルー」は大きくしろとなると、初心者は混乱します。
ぜひフォロースルーのコツを教えるときは「この選手のマネをしろ」と教えてください。
僕は中村紀洋選手よりすばらしいフォロースルーをする選手はいないと思っています。
どこをマネして欲しいかというとバット投げの部分です。ただ投げることを目的としてはいけません。非常に危険です。
おそらく大会等で注意が入ります。ただ、スイングの反動でバットを投げれるほど前が大きく勢いが死んでいないということなのです。ぜひ広い場所で練習させてみてください。
中村選手って西武のですか?
ちがうちがう。近鉄だよ。
近鉄ってどこの球団ですか?四国ですか?
これがジェネレーションギャップか…
初心者のバッティング上達のためのコツ:3リラックス
力抜いていけよー
(集中モード継続中…)
ピッチャーがボール投げた後は、構え解いてもいいぞー
(集中モード継続中…)
これもよく見る光景ですね。ガッチガチに力が入っているどころかこちらの声も耳に入っていません。経験を重ねればこのレベルは勝手に治ります。しかし力が入ってしまうのはどうしてもなくなりません。
そのためにこちらは「力を抜け」と言いますが、一体全体どうやったら「力が抜けた状態」と言えるのでしょうか?ヒントはグリップの位置にあります。僕は力を抜けさせるために
「(右バッター)右手で傘を持つ位置でバットを持て」
と教えます。上手くなるにつれグリップを高め、低めに持っても力を抜く方法はあります。しかしバッティングの構えを修正するほど初心者はまだ知識が足りません。
だから基準を与えましょう。「バットを傘を持つように持て」傘を持つ位置は自然と力が入らない位置で持ちます。
僕は現役時代「最近当たらない」と思ったら大抵この構えに戻していました。ここが最も力を入れずに構えられるところだからです。
そうすると大抵調子は回復し始めましたね。そしてリラックスのためのもう一つは
ルーティーン(同じ一連の行動)
を作ること。練習の時に「どう行動したら力が抜ける?」と聞きます。答えは千差万別です。
首を回す、ジャンプする、肩を下げるように力を入れる、大事なことは一連の行動をしている間子どもの思考に余裕を与えること。同じ行動なので脳が「次は、次は」と考えません。
だから思考をする隙間が作りやすくなります。その隙間こそが、リラックスするために必要です。
初心者のバッティングを上達させるコツ4:筋トレ
監督。次何の練習をしますか。
スクワット100回
次は何をしますか?
体幹トレーニング
ハア、ハア、、次はn
ランジ100回
(この人鬼だ…)
とは言ったものの、やはり筋トレは欠かせません。詳しい一つ一つのやり方は今後紹介していきます。
ここでは小学生~中学生の初心者ならまずはここを鍛えておけと言うところを紹介します。
この部位を鍛えておくとバッティングだけでなく、守備、投球、走塁、すべてのパフォーマンスが数段向上します。
投げる打つなどの正しいフォームの取得と並行して鍛えておきたいところです。逆にこの部位を鍛えなかったら習得すべき技術やフォームが手に入りません。
- 体幹
- 握力
- 大腿筋
さまざまな意見があると思いますが僕のチームはこの筋肉を重点的に鍛えます。体幹はどのスポーツをやる上でも大切ですし誰もが納得するトレーニングです。
大腿筋(大腿筋膜張筋や外側広筋など)もさまざまなスクワットで鍛えられますし、おそらくどの野球チームでも鍛えられます。
注目したいのは握力です。初心者やバッティングが苦手な子どもは握力が弱い傾向にあります。以前中学校2年生で25kgという子どもがいました。中学校2年生の握力の平均が29.75kgです。
圧倒的に握力が足りません。だからその子どもにはチームが筋トレをする間、ずっと握力を鍛えさせました。
結果的に半年で7kgアップし、32kgとなりました。
これでも中学校3年生の平均34kgに届いていませんが、バッティングではリストを使ったバッティングができるようになります。そのため、三振率は減り、反対方向へ打球が伸びるようになりました。
これまで僕は「体積の大きな筋肉を」と思って、体幹やスクワットトレーニングを重ねさせてきました。しかし、手に一番近い握力を鍛えると短期間で結果が出ました。
握力は風呂場、テレビを見ているとき、さらには学校の授業中でも鍛えられます(勉強に集中はしなくてはなりませんよ)。ぜひ、握力は鍛えておきましょう。結果が出るのが早いです。
野球初心者に教えたい方へ送る!初心者のバッティングを上達させるコツ:まとめ
初心者がバッティングを上達させるコツは、上手い選手のマネをすることです。野球のテレビ中継を見せてあげてください。
初心者がバッティングを上達させるコツである「あこがれの選手」のマネは、フォームチェックと同時進行で教えてあげると効果的です。
初心者がバッティングで成績を出すには、ボックスでのリラックス状態を作ることが大切です。ルーティーンを設定させましょう。
筋トレ(体幹、大腿筋、握力)を継続させれば、バッティングの成績は自ずとでてきます。握力はいつでもどこでも鍛えやすいです。