この記事ではバットのグリップの種類とグリップ別の効果、おすすめするグリップ形状を紹介しています。
バットのグリップで特徴的なものといえば、タイカップ形状。大きなグリップ形状なだけに、分かりやすいです。
タイカップを含め、グリップには大きく3種類ありますが、それぞれの種類はどんな効果があるのでしょう?
今回は種類別に、目的別に合わせた効果・おすすめする人を紹介しています。
野球指導歴10年の一球たろうが、経験をもとにお伝えします!
バットのグリップ形状が違うのにはどんな意味が?
監督!バットのグリップってなんでこんなに太さが違うものがあるんですか?
それに応える前に逆に聞きたいんだが、お前はどの種類のグリップが好きだ?
俺はタイカップですね。何だかバットが扱いやすい感じがします。
それそれ。その「扱いやすい」グリップ形状が、お前にとってはタイカップってことだ。
グリップの種類によって扱いやすさが変わるってことですか?
それだけじゃなくて、他にもグリップの種類によって効果が違う。今回はそれを紹介しよう。
バットのグリップって、改めて見ると自分が「これがいい」って思っている、確固たるものがありますよね。
グリップの形状が太いものから細いものまで、いろいろな形状がありますが、結局その違いによってどんな効果があるのでしょうか。
バットのグリップが違うことで、以下のような効果が表れます。
- バットを扱いやすくなる(バットをコントロールしやすくなる)
- 振り抜きやすくなる(力負けしなくなる)
- 飛距離が出やすくなる(遠心力を使える)
バットを選ぶ上での重要な三大要素をグリップ形状が握っています。つまり、ミート力と飛距離に関係するのです。
では、グリップの種類が違うことによって、どの効果がどのように現れるのでしょうか。
バットのグリップは3種類!「細い」「中型」「タイカップ」
バットのグリップは、大きく3つの種類があります。
細いグリップ・中型のグリップ・タイカップ(太いグリップ)の三種類です。
市販されいる種類は、細いグリップと中型のグリップが基本で、タイカップの形状はどちらかというと特殊パターンとして扱われています。
実際に使われているのも細い~中型が多いですが、タイカップを使う選手は、かなりのこだわりを持って愛用する選手が多いです。
バットのグリップ形状が「細い」種類はパワーヒッターにおすすめ
グリップ形状が細い種類者は、パワーヒッターにおすすめです。
一般的にホームランバッターといわれる選手たちの多くは、グリップが細い種類を使っています。
細いグリップの効果
グリップの形状が細いほど、どのような効果を得られるのでしょうか。
グリップの形状が細いと、その分芯(バットの重心)よりも、遠い位置でバットを握られるということです。
そうすると、遠心力を強くかけられます。そのため、ミートした瞬間に遠心力の力も上乗せされるため、打球を遠くに飛ばすことができるのです。
パワーヒッターのほとんどは、細いグリップ形状のバットを使っています。
より遠心力を得るために
グリップを細くしている上に、さらに遠心力を得るため、グリップに小指をかける選手もいます。
「とにかく芯(重心)より遠い位置で握る」ということですね。この握り方で有名なプロ野球選手が、松井秀喜選手です。
シーズン55本塁打は、日本人としては王貞治選手に次ぐ2番目のパワーヒッターです。
ただし、遠心力がかかる分バットコントロールはしにくいため、遠心力に負けないリストの力が必要です。
もしも細いグリップの種類を使いたいのであれば、リストを強化しておくことをおすすめします。
グリップの形状が「中型」の種類はミドルヒッターにおすすめ
グリップ形状が「中型」の種類が扱いやすいという選手は、ミドルヒッターにおすすめです。
ミドルヒッターというか、ある程度強い打球を幅広く打ちたいという選手ですね。
中型のグリップの効果
中型のグリップの種類を扱う場合、以下のような効果が期待できます。
- ある程度以上バットコントロールがしやすい
- 振り抜き重視で、強い打球を打てる
中型のグリップは、ある意味万能型とも言えます。バットコントロールのしやすさ、強い打球のどちらも追及することができます。
握る位置でどうにでもなる
グリップが中型であるため、グリップにしっかり手が引っかかる位置で握れば遠心力を使いやすいです。
一方投手の球速が速かったり、三振したくない場面、確実にバットに当てたい場面(ノーアウト3塁など)で、バットコントロールを向上させたければ、少しグリップ位置を上げれば対応できます。
選手の中には、2ストライクになるまでは、グリップ一杯の位置で握り、追い込まれると指一本分空けることで三振しないスイングに移行させる選手もいます。
また、多少短くして持ってもパワーは十分伝わりやすく、外野手の間を抜く打球を放つことも可能です。
握り方が気になる方は、こちらの記事をどうぞ!
グリップの形状が「タイカップ」の種類はシングルヒッターにおすすめ
最もグリップが太い「タイカップ」は、確実にバットコントロールを求めたい選手におすすめです。
それは強制的にバットを短く持っている状態を作り出せるからです。
タイカップのグリップの効果
タイカップ(太いグリップ)は、強制的に短く持っている状態を作り出しているとも言えます。
- バットコントロールがしやすい
- 芯が広いバットが販売されている
- 芯に当てやすいため鋭い打球が打てる
タイカップは、とにかくミート力に特化したグリップ形状をしたバットと言えます。
野球初心者や力がない選手には「バットを短く持て」と言いますよね。それはバットコントロールがしやすいから。タイカップは、その状況を作り出したバットなのです。
さらに、ミート力を向上させるため、タイカップのバットは一般にバットが太く、芯が広いです。芯が広ければ当然打球は鋭くなります。
「力強い打球が打てない」「なかなかバットに当たらない」という方は、とくにタイカップがおすすめです。
一球たろうのチームには、打率が1割届かない子どもがタイカップを使って2割まで上がりました。
使用する人は少ないが使用している人は結果を出している人
タイカップは、遠心力を利かせられないため長打は放ちにくいバットです。しかし芯で捉えやすいため、野手の間を抜ける打球が放てます。
また、バットコントロールの良さにより、三振しにくいため、ある意味投手にとっては嫌なバッターにもなり得ます。
タイカップ形状により、バットを短く持っているため、速球や重い球に力負けしにくく力不足を補ってくれます。
一球たろうの感覚としては、チーム全体が打てない投手のときほど、ヒットを打つのは決まってタイカップのグリップをしたバットを使う選手です。
やはり、バットコントロールの良さや振り抜きやすさ、力負けしないことが関係していると思います。
通常のバットをタイカップにすることもできる(公式戦OK)
タイカップのバットは、基本的に短く握らなければならないものが多いです。
しかし、現在は技術の革新で、タイカップなのにグリップエンドいっぱいまで握れる道具が開発されています。
つまりタイカップの短所であった「飛距離が出ない」をカバーするのです。
それがフレアゴムでできた、後付けグリップで、目的はどちらかというと「握りやすさの多様性」。
「太いタイカップの方がそもそも握りやすい」そして「そのままぶっ飛ばしたい」という方にフレアゴムのタイカップはおすすめです。
しかも公式戦でも使用することが可能です。ただし、大会によってもルールが違うので、細かいところは確認しておきましょう。
また、安くタイカップ化し、そしてお好みのグリップテープを巻きたい方は、こちらがおすすめです。
このタイカップ化のグリップの上には、テープを巻く必要があります。
一球たろう的には、下のグリップテープがおすすめです。というか、これしか買いません。
指や手のひらに「吸いつく」感覚が、バットとの一体感を向上させます。
タイカップ化と一緒に、これらもセットで用意しておきましょう。
一球たろうがおすすめするグリップの種類に迷ったときのバットは?
一球たろう自身は、細いグリップ形状をしたバットが好きです。なので「細いグリップ」をおすすめしたいところですが、そこは10年も監督していると見えてくる、選手の身体的特徴による違い。
ぜひとも自分が、どのタイプなのかを考えて、以下のことを参考にしてください。
グリップ形状 | おすすめする人 |
細いグリップ | 左打ち
小指と薬指でものを握る方がしっくりくる人 |
中型のグリップ | 五本の指でしっかり握るとしっくりくる人
右打ちで右手の方が握力の強い人 |
タイカップ(太いグリップ) | 右打ちで左手の方が握力の強い人
握力が周りの選手より弱い人 |
細いグリップに左打ち全員が入ってしまっていますが、左打ちの一球たろう自身、やはりパワーヒッターは左打ちに多いと思っているからです。
左打ちにはフローティング・アクシス・スピニングという現象が現れやすいと言います。
だからこそ、長距離砲を目指すべきです。また、中距離砲で良いというのであれば、中型のグリップでもいいかもしれません。
タイカップは、右打ちの左手の握力が強い選手。これは、グリップエンドに近い手が握力が強いことで、遠心力を使いやすく飛距離が出せるからです。
飛距離が出せる上、バットコントロールがあるのであれば無敵でしょう。
しかし、結局のところは自分の感覚に頼るところが大きいです。この記事を参考にしてみて、実際に自分の感覚に合ったものを選んでください。
バットでお悩みの方は、こちらの記事でも悩みが解消できるかもしれません。
だからこそ、お前が「タイカップが使いやすい」というなら、そうすべきだと思うんだ!
とういことは、俺は、数少ないタイカップ使いということですね?
決して数が少ないというわけではないがな。。。まあでも、とにかく扱いやすいさを重視すべきだ!人によって感覚は違うからな!もし、どれかよく分からない場合は、この記事を参考にしてほしい!あ。それと左打ちはぜひとも細いグリップな!これは数ある野球指導サイトの中でも、左打ちの発信者からの強いおすすめだ!
完全に監督の個人的な判断ですね…
バットのグリップの3種類を完全解説!タイカップの効果にも迫る!:まとめ
バットのグリップは大きく「細いグリップ」「中型のグリップ」「タイカップ(太いグリップ)」の三種類です。
細いグリップであればパワーヒッター向き、中型のグリップであれば中距離砲、タイカップはシングルヒッターにおすすめです。
細いグリップは遠心力をフルに使いやすい効果、タイカップはバットコントロールが向上する効果、中型のグリップはどちらにも対応できる効果があります。
一球たろう自身は、細いグリップをおすすめしたいですが、そこは自分の感覚に合わせてグリップを選んでください。
効果も含め、扱いやすいバットであるかどうか、が最も大事なグリップの種類選びの近道です。