この記事では外野手の花形である捕殺を増やす「レーザービーム」のノウハウが紹介されています。
外野手をする人が憧れる「レーザービーム」。当然あの域に達するまでは、長い年月がかかります。
それでも憧れるレーザービームを投げるために、何をすれば良いのでしょうか?
習得すべきは、肩筋力、ボールの回転、制球力、そして打球への入り方です。
野球指導歴10年の一球たろうがご紹介します。
窮地を救うレーザービーム!肩の強さに憧れないわけがない!
監督。俺もイチロー選手や糸井選手みたいなレーザービームが投げたいです。
まあ外野をやっているなら当然思うわな。すぐにレーザービームまでとはいかないが、長い期間をかけて習得すべきことを伝えるぞ!
俺にも可能ですかね?
バリバリに鍛えて、いつの日か捕殺できたとき、お前は「レーザービームができた!」って思うはずさ!
野球の守備において、最も見ている人を魅了するのがレーザービームでしょう。
一球たろうも、外野をやっているときはいつも憧れていたし、外野から返球するときはいつもレーザービームにするつもりで返球していました。
つまりは肩の強さの象徴であり、野球の守備として最高に盛り上がる場面ですよね。
レーザービームってとにかく見ていて飽きないですよね。例えセーフになったとしても、投げているボールを見ているときから、「おおおおおおお!?」ってなるものです。
では、こんなレーザービームを投げるには何が必要なのでしょうか?
レーザービームを投げよう:肩を鍛える
野球において「ボールを遠くに飛ばしたい」「速いボールを投げたい」などの悩みがあると思います。
色々な技術的なアドバイスやトレーニングは当然存在するし、練習を積み重ねるべきですが、一番やるべきは肩筋力の強化です。
レーザービームのようなボールを投げたいのであれば、肩の筋力を鍛えることが第一優先。
ここでは、筋トレのやりすぎは体に毒な小・中学生を対象としたトレーニング方法を紹介します。
肩の鍛え方1:遠投
何と言っても肩を鍛えるのであれば、ボールを遠くに飛ばす練習をしましょう。つまり遠投です。
肩や肘の保護のためか、時折キャッチボールで遠投をしないチームを見かけます。一球たろうの考えとしては、筋力は鍛えないと伸びないので遠投はやらせるべきと考えています。
ただし、あくまでも「低く速いボールを投げなさい」と指導します。
また、一度の遠投で1人あたり5~7球程度しか投げさせません。それこそ肘や肩の保護のためです。
これだけでも十分効果は出ます。僕のチームの塁間+10mしか飛ばせなかった子どもが、2年後には90m遠投できるようになっていました。
肩の鍛え方2:腕立て伏せ
上腕二頭筋や僧帽筋、上腕三頭筋、そして肩甲骨周りのインナーマッスルを鍛える必要があります。
腕立て伏せは、使っている筋肉を意識するだけで、鍛えられる部位が変わります。
通常は肩幅に開いた両手で腕立てをしているはずです。そのやり方で構わないので、肩甲骨と肩の僧帽筋を意識して腕立て伏せをしてください。
特別な器具等ありますが、小・中学生であればこれを3日に一回50×4セット(なかなかきつい)やれば、おそらく3か月でよりレーザービームに近いボールを投げられるはずです。
肩の鍛え方3:肩甲骨を柔らかく
何も筋力アップばかりが「鍛える」ではありません。柔軟性を鍛えましょう。
というか、小・中学生の場合は、筋力よりも先に取り組むべきは「柔軟性」です。肩甲骨の可動域を大きくするだけで、かなりレーザービームに近いボールを投げられます。
例えば弓があると思ってください。その弓の弦の部分が30cmしか引けないものと、60cm引けるもの、どちらが矢を遠くに飛ばすかは考えずとも分かりますよね。
肩甲骨を柔らかくするためには、肩甲骨はがしが効果的!一人でできるやり方も存在しています。
ついでに、僕はいつも練習終わりにピッチャーを呼んで、指を突っ込む(痛いやつ)肩甲骨はがしを毎日していました。
2週間もやると、かなり指が入るようになり柔軟になっていく様子が分かります。ぜひ、周りの保護者の方が、家でやってあげてください。
あのイチロー選手は、毎日父親のマッサージを受けていたそうです。
レーザービームを投げよう:手首~指
肩回りの筋肉を鍛えるだけでは足りません。ボールに直接触れているのは手首~指の腕の先端部分。
いわゆる手首~指を使った投げ方をすることで、レーザービームにまた一歩近づきます。レーザービームがなぜレーザービームと言われるのかは、ボールが沈まないから。
回転がかかったボールは、なかなか沈みません。ではその回転をかけるための方法とは?
スナップスローを投げる最中にやる
手首(リスト)を鍛えることで、ボールの「最後のひと伸び」が大きく変わります。
レーザービームなので、豪快に大きく腕を回して投げますが、結局最後は腕を振り抜く中で「スナップスロー」ができているかどうかです。
これが出来ているだけでも、ボールの回転が全く変わります。こちらの記事にスナップスローの基本を紹介しています。ぜひスナップスローができるようにしておいてください。
握力を上げる
肩の力は、腕~手首~指に伝わって、最後にボールに行き届きます。
その肩で発生した力を、途中の腕が耐えきれず、手首や指に伝えられないとボールはレーザービームになりません。
だから、握力を鍛えましょう。握力は練習場だけでなく、風呂場、通学途中、どこでもできます。授業中でもできます。笑
握力を鍛えておけば、バッティングにも役立つので暇があれば鍛えておきましょう。
レーザービームを投げよう:捕球体勢
ボールをレーザービームのように投げるには、何も上半身の筋力だけの問題ではありません。
いかに体重移動しやすい場所で捕球体勢を整えるか。これを改善するだけでも、かなりボールは遠くに飛びます。
ゴロやフライの捕球体勢は、完璧ですか?
これに関しては技術的なことなので、筋力を鍛えるよりもすぐに結果に反映されます。
捕球前~捕球後の足さばき
捕球前~後の足さばきがスムーズな体重移動を生み、ボールに体重を乗せ、遠くまで投げることができるようになります。
しかし打球がゴロ・フライ・跳ねた打球など、どんな打球に対しても、1.捕球前の位置取り⇒2.始動タイミング⇒3.捕球⇒4.スローイングを同じリズムでする必要があります。
こちらの記事に、捕球前~捕球後の足さばきや体勢が書いています。
レーザービームを投げる選手のマネする
レーザービームを投げるプロ野球選手のマネをしましょう。外野独特の動きに、送球前と送球後にジャンプするシーンがあるのが分かりますか。
図は右足が前の状態で、ゴロを捕球したときの図になります。
黄色い四角で囲った部分で飛んでいるのが、上手なプロ選手の体重移動です。最後のジャンプは、キレイに体重移動ができると、自然にそうなります。
レーザービームを投げよう:制球力
どんなに速く、低い球を、遠くに投げられても、見当違いの場所に飛んでいくのではただの悪送球です。
送球において、捕球から送球までの速さや投げる球の速さよりも、制球力の方が大事だと思います。
レーザービームの最後を飾るのは、遠い場所から投げるにも関わらず、針の穴を通すような正確な送球です。これが揃って初めて「レーザービーム」となるでしょう。
制球力を上げるための回転
守備をする上で、ボールの回転はとても大事な要素になります。自分の投げたボールが変化してしまうと、当然捕球する側は捕りにくいですよね。
キレイな縦回転をボールに与えられるようにしましょう。横回転だと、シュート・カーブしてしまいます。
また、そのような変化をする分、無駄が発生してしまっています。キャッチボールの段階から自分の投げるボールがきちんと真っすぐ飛んでいるか、回転の向きを意識しましょう。
さらに横回転していると、地面でバウンドしたとき球の方向も変化します。それをなくすためにも、キレイな縦回転をかけるべきですね。
リリースポイントの固定
ピッチャーをしている人は分かると思いますが、リリースポイントがずれると制球は安定しません。
ピッチャーは人より多く投球練習をしているため、自分のリリースポイントを把握しています。
野手の場合、守備の一つ一つの打球が違い、状況も違うため、あまりリリースポイントを意識していません。より効果的に、リリースを安定させるために、これもキャッチボールで意識しましょう。
なるべく目の前でリリースできるように、意識してみてください。
結構、いろいろなことができないといけないですね~
それほど華があるプレーだからな。遠くの場所に、正確なボールを、速く投げる。ある意味送球というものの難易度MAXなものが、外野からの捕殺プレーなのかもな。
でも、きっとできるようになりますよね!
そうだな!筋力アップ・柔軟性・捕球前後の体勢・制球力。これらが揃ってレーザービームは完成する!決して楽にできるプレーではないが、できるようになった日には選手としてもかなり成長できているだろう!
レーザービームが投げたきゃこれを見ろ!基本から打球の入り方まで:まとめ
レーザービームの投げ方は、以下の項目を習得する必要があります。
- 肩の筋力アップと柔軟性:腕立てや肩甲骨はがしなど
- 手首~手の使い方:握力の向上とスナップスローの習得
- 捕球前後の体勢:スムーズな体重移動を可能にする足さばき
- 制球力:ボールの縦回転とリリースポイントの固定
レーザービームを最終目標として練習するうちに、さまざまな能力が身に付くと考えられます。
そう考えると最初から「レーザービームはできなくていい」ではなく、ここを目指すことで大きな成果を手に入れられそうです。
外野手憧れのレーザービームができるようになれば、ランナーの進塁を抑え、チームの勝利にも大きく貢献できるでしょう。